朝から秋晴れ。今日は日野市のボーイスカウトの子供達が稲刈りや脱穀作業などを体験するためにやってきました。9時過ぎから足踏み脱穀機などの機材を車で田んぼに運び込んだり、稲刈りした後の稲束を干す竹竿を組み立てるなどして準備して待っていました。
すると10時過ぎに自転車に乗ったボーイスカウトの子供達が次々にやってきました。数えると8人ほどの小学5年生から中学生でした。自転車を駐車する場所を指示した後にさっそく稲刈りを教えました。まず最初に、刈り取った稲を束ねるための稲わらを作りました。木槌で稲わらをたたいて柔らかくして、小川の水に浸すと出来上がりです。稲わらの準備が済むとさっそく稲刈りの開始です。
稲わらを木槌でたたいて柔らかく 秋晴れの中、稲刈り開始
稲刈りする前に刃物であるカマの使い方や、刈り取った稲を束にして稲わらで縛る方法などを見本を見せながら教えました。そして、使わないカマの置き方や渡し方なども注意を含めて教えました。
稲を次々に刈り取って稲束にする
稲刈りをしたことがある子供が3人いました。すべて小学校の体験学習です。小学校の近くの田んぼに行って体験したそうです。私が子供のころは、親が田んぼでお米を作っていたため大人に混じって稲刈りをしていました。当時ほとんどの子供は一家総出で稲刈りをしていました。
刈り取った稲を縛る 縛った稲束を竹竿に架けて干す
稲刈りが終わると今度は脱穀をしました。今の農家では、コンバインやバインダーと呼ばれる機械を使って脱穀をします。今日来た子供達には、最初に昔の脱穀方法を体験してもらいました。まず、千歯こぎと呼ばれる江戸時代から明治時代にかけて使われてきた脱穀機を体験させました。
髪の毛を櫛で通すように稲穂を千歯こぎに通します。一度に通すと力がかかって稲茎が抜けてしまいます。微妙な力加減が必要です。また、千歯こぎがぐらつかないように押さえる必要もあります。
友達と協力しながら、千歯こぎで稲を脱穀
千歯こぎを使った脱穀の後、足踏み脱穀機で稲を脱穀しました。千歯こぎで苦労して脱穀したあとにこの脱穀機を使うと、ほとんどの人がその効率のよさにびっくりします。今日やって来た子供達も驚いていました。
しかし、この足踏み脱穀機は、足踏みして回転歯をまわしながら同時に稲をかざす二つの作業を同時にしなければなりません。最初のうちは回転の勢いが弱くなったてしまったり、手に持った稲を回転歯に取られてしまったりと失敗の連続でした。慣れると、みなうまく脱穀できるようになりました。
足踏み脱穀機で稲をより効率的に脱穀
足踏み脱穀機の回転歯は、現代の農家でよく使われているコンバインなどにも組み込まれています。この回転する歯で脱穀することで、飛躍的に脱穀作業が早く楽になりました。回転歯を使った脱穀方法は、農業に革新をもたらしたと言ってよいのではないかと思っています。
見学のお母さんも脱穀体験 女の子も脱穀体験
足踏みで回転に勢いをつけた回転歯に稲を当てて脱穀
脱穀した米粒はバラバラなって下に落ちます。落下した米粒をみんなで拾い集めました。ただ集めるだけではゴミと一緒になります。網を通して米粒だけを選別します。
拾い集めた米粒を網を通し、米粒だけ選別
網を通せばある程度大きめのゴミを取り除くことがでます。しかし、お米と同じ位の大きさのわらクズやゴミはどうして混じってしまいます。こんなとき、風が吹いていればその風のうえに米粒を放り上げることによって重いお米とゴミを選り分けることができます。この原理を応用した農機具である唐箕を使ってさらに小さなゴミを選別しました。
唐箕の横には風をおこすハンドルがあります。このハンドルを回して風をおこしながら上に入れたお米を少しずつ落下させます。すると、ゴミだけが飛んでゴミの無いお米を下に受けることができます。
唐箕の上にお米を入れ風をおこす ゴミを飛ばしたお米を受ける
稲刈りして,脱穀して,唐箕で選別したお米(籾)は、子供達に持って帰ってもらいました。後日そのお米は籾摺り,精米して食べてみるとのことでした。