東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

恵泉女学園大学生の稲刈り

2008年10月26日 | 稲:稲刈り,脱穀,精白
 恵泉女学園大学生が稲刈りにやってきました。昨日までは雨、そして今日はあいにくの曇り空で田んぼはぬかるんでいました。このため、田んぼは長靴が必要でした。学生達3人に小屋に備え付けの長靴を履いてもらってから稲刈りをしました。
 最初の作業は刈り取った稲を束ねる稲ワラ作りです。あらかじめ脱穀して穂が無くなった稲を木槌でたたいて柔らかくします。そして、柔らかくした稲を地面にたたきつけて稲茎の芯であるみごを取ります。

          木槌で稲をトントンたたいて柔らかくし、稲茎の芯を取る


 刈り取った稲を束ねる稲ワラの準備ができると、いよいよ稲刈りの開始です。開始する前に私の方からカマの使い方や、刈り取った稲の束ね方の講習をしました。また、束ねた稲の干し方も説明しました。

      稲刈りの開始              しゃがんで稲の根元を刈る
 

 今日刈り取った稲は、6月に学生が田植えした稲です。田植えの時に一株一本植えで植えました。6月から10月までの間に、どんどん株が増えて10本/株以上になっていました。お米の育つ力はたいしたものです。正確に数えたわけではありませんが、一粒の米が1000粒程度には増えている勘定になると思います。

          稲を刈り取るとレンゲの芽が生えそろった地面が表出


 稲を刈り取ると田んぼの地面にはうっすらと緑に覆われていました。これは、先月レンゲの種を蒔きましたが、そのレンゲが芽がうっすらと緑に見えたためです。なお、カマの数が少ないため、稲を刈り取る人と刈り取った稲を束ねて結ぶ人に分けて作業しました。

        刈り取った稲を竹筒に植えに並べ、ワラで結んで結束


 稲を刈り取る作業と刈り取った稲を束ねる作業を時々交代しました。全員がその作業を時々交代しながら、ひととおり全部の作業を体験します。刈り取りよりも、稲を結んで束ねる方が難しい作業です。ちゃんと束ねないと、稲が乾燥して縮んだときにバラバラと稲が外れてしまいます。

  刈り取った稲を適度な太さに収集       収集した稲束をワラで結束
 

 束ねた稲を乾燥させるために竹ざおに架けて干します。束ねた稲をX字型に両手で割って、稲穂が下になるように竹ざおに架けます。このようにすると、風などで稲穂が乾燥されます。東北地方では、地面に刺した一本の竹ざおを使って干します。

             束ねた稲を竹ざおを架けて干す


 今日はあいにくの曇り空でした。しかし、稲刈りするなど常に体を動かしたために適度に体が温まって快適に作業できました。そんなに広くない田んぼのため、二時間ほどで一枚の田んぼを刈り取ることができました。

           防鳥網を片付け、稲をかり、稲を束ね、束ねた稲を干す


 今回稲刈りしていて、学生達がたくさんのカマキリを見つけました。それもほとんどがお腹がおおきな雌カマキリでした。小さなお腹のカマキリもいましたが、秋になってだんだん餌が取れなくなったからでしょう。

   刈り取った稲を竹筒に並べる       稲束が稲を解けないよう締める
 

 カマキリが多かったのとは逆に、イナゴの数はとても少なかったです。カマキリが8匹に対して2匹程度しかいませんでした。春にはたくさんいたイナゴもほとんどがカマキリやクモに食べられてしまったのでしょう。

               束ねた稲を丁寧に竹ざおに架ける


 稲刈りも後半にはいると、竹ざおに刈り取られた稲がずらりと並びます。この並んだ稲束を見ていると米作りの喜びがしんしんと伝わってきます。飢饉がよく発生した大昔は豊かに並んだ稲束を見て、冬を安心して越せ来年まで命がつながったことの喜びを感じたのではないでしょうか。

           豊かに並んだ稲束を見ると、働く喜びを感じます


 刈り取った稲を竹ざおに干しただけで安心してはいけません。そのままにしておくと、スズメなどの大群がやってきて、せっかく干した稲を食べつくしてしまいます。食べられないように防鳥網を、干した稲束の上に被せておきます。これで、稲刈りの完了です。あとは稲が乾燥するのを待つだけです。

          全員で協力して、干した稲束の上から防鳥網を掛ける


 6月に大学生が田植えした稲をすべて刈り取りしました。干した稲を見ているとうれしくなります。しかしながら、お米が食べられるようになるまではもう一手間がかかります。この干しあがった稲を脱穀して籾摺りして精米して、やっと食べられるお米になります。11月下旬には今日稲刈りしたお米を食べることができます。

       今日の稲刈りに参加した大学生や協力していただいた方々
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