いやあ、今日の稲刈りは冷や汗ものでした。深夜明けで帰ろうとしたら不祥事で1時間程度居残りさせられてしまいました。このため、朝10時に小学生達と田んぼで待ち合わせしていたのですが私が遅刻してしまったのです。仕事場から携帯で先生に電話をして事情を説明して待ってもらいました。
急いでバイクを飛ばして田んぼに向かうと、先生,小学生,親が待っていてくれました。到着すると、挨拶もほどほどに急いで稲刈りや脱穀方法などを小学生達に指導しました。先日すぐに稲刈りできるように入念に準備しておいたので、すぐ稲刈りが開始できました。最初は息荒く説明や指導していましたが、到着して20分程度過ぎるとやっと落ち着いて教えることができました。
まずは稲刈りです。最初、稲を刈るカマの扱い方を指導しました。カマは包丁と同じ刃物です。稲を刈るときに自分が怪我しないように、そして隣の子を怪我させないように教えました。
稲を刈るカマをバケツから取り出す
刈る稲は7月上旬に5年生が田植えした稲(もち米)です。子供達だけでは心配でしたので、先生とお母さん3人に入ってもらいました。とにかく怪我をしないように、「稲を刈ったら必ずカマをバケツに戻す。」を徹底しました。この日は、秋晴れでとても明るい稲刈り日和の一日でした。
さあ、みんなで稲刈りの開始です
稲は地面から2,3cm上を刈ります。このため、腰を下ろしてカマを手前に引くようにして切ります。稲は両手で挟める程度の太さになるように数束稲株を刈ります。稲を刈るとカマは必ずバケツに戻します。
腰を下ろして株元を刈る
最初はおどおどしながら稲刈り 慣れると早く刈れるようになりました
数株の稲を刈ると、それを束ねるようにワラで縛ります。これがなかなか難しい。つい、ちょうちょ結びになってしまいます。慣れないと稲一本一本がバラバラになってしまいバラけてしまいます。稲穂がだいぶ田んぼの地面に落ちてしまいました。
うーん、なかなか稲の結び方は難しいなあ
皆、真剣に縛っています お母さんも応援です
稲刈りも時間が経つと、だんだん慣れてきたのか笑顔が出るようになりました。何度も稲刈りするうちに、こつがつかめてきたのか、だんだん上手になってきました。私は小学校4年生の時から稲刈りなど親を手伝っていました。子供は何でも覚えるのが早いものです。子供のうちにいろんなことを体験させたいものです。
上手に稲を刈れて縛れて、ご機嫌です
竹ざおに掛けた稲束 稲を竹ざおに掛ける
稲刈りが終わると今度は脱穀です。今日脱穀する稲は、私が今日のためにあらかじめ稲刈りしておいたものです。竹ざおに乾しておいた稲束を子供達がはずして、脱穀機にかけます。すると、稲に付いているお米の一粒一粒を取り出すことができます。稲を手で引っ張る江戸時代の脱穀機(千歯こぎ)と、明治以降の足踏み式脱穀機を使いました。
左は江戸時代の脱穀機、右は明治以降の脱穀機
江戸時代の脱穀機は、軽いので思い切り引っ張ると脱穀機が動いてしまいます。お母さんに脱穀機が動かないように押さえてもらいました。稲穂を鉄製のくし状の歯の間に入れて引っ張ると、お米が下にポロポロと落ちます。難しいのは稲がばらけないように脱穀することです。
稲を引っ張ると、くし状の歯の間から米粒が落ちます
男の子は力任せに引っ張りがち お母さんに教えてもらいながら
次に明治以降の脱穀機で稲を脱穀します。この脱穀機は、ペダルを足で踏んで往復運動させることでドラムを回転させます。そして回転しているドラムに付いている歯が稲穂の米粒を飛ばします。難しいのは、ペダルの往復運動をドラムの回転運動に変えることで、足を動かしつつ、手に持った稲を脱穀します。慣れないと子供にはちょつと難しいです。
足でペダルを踏みながらの脱穀はなかなか難しい
よく稲を持たないと吸いこまれます だんだん上手になりました
脱穀が終わると下に落ちた米粒を拾って集めます。稲の茎もバラバラになって落ちているので、より分けながら集めます。集めた米粒は紙の袋に入れます。
帽子や手のひらを使ってお米を集める
落ちた米粒をかき集める 米粒の選別はなかなか大変
稲刈り脱穀の時間はあっという間に過ぎてしまいました。お母さんも先生もお疲れ様でした。私も夜勤明けで眠い目をこすりながら指導してくたびれました。でも、子供達の歓声に囲まれていると、眠れを忘れてしまいました。
最後にみんなで写真を撮って解散です。子供達が帰った後、私はたった一人で田んぼの真ん中に座ってこの日最初の食事をとりました。食べ終わると、どっと疲れと眠気が襲ってきました。後片付けをして家に帰りました。
この子達のうち何人が、自然や農業に興味を持ってくれるでしょうか