東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

ありがとう、小学生の稲刈り・脱穀体験

2006年10月26日 | 農業体験

 別所小学校5年1組と3組の稲刈り・脱穀をしました。6月から7月にかけて子供達が田植えして育てた大切な稲の刈り取りと脱穀です。
 私は、今回も深夜勤務明けの朝でしたが、小学生達約80人,先生2人,そして保護者10人に稲刈りや脱穀などを無事体験させることができました。ボーっとして眠くてたまりませんでしたが、子供達を目の前にすると眠気が飛んでいきます。予定通り朝10時から稲刈りと脱穀を開始することができました。

        まずは稲刈りです。刃物であるカマで怪我しないように

 参加した保護者は稲刈りのお手伝い   慣れると刈り取りが早くなります
 

 稲を刈り取ると、安全のためカマをいったんバケツに返され、返されたカマは次の生徒が稲刈りに使います。刈り取った稲束は、あとで解けないようにワラで根元を縛ります。しかし、ふだん結んでいるチョウチョ結びとは違うため、子供達には難しいようでした。

            「こう結ぶのかなあ?」 子供達同志で結び方の練習です


  稲束を結ぶワラを取る           二人で稲束結束の練習
 

 だんだん結束できるようになりました    二人で稲束を見せあいます
 

 2クラス約80人いる子供達を、私を含む二人だけで教えるのはとても無理です。このため、稲束の結束など難しいところはお母さんにも教えてもらいました。なお、稲刈りが初めてお母さんもいるため、子供達が稲刈りを始める前にお母さん方に稲刈りと稲束の結束方法を教えておきました。

             稲束の結び方を教えるお母さん

 最初はお母さんもおっかなびっくり   子供といっしょに楽しみながら 

 稲束を結束すると天日に干します。竹で組んだ「はさ」に、結束した稲束を次々に掛けていきます。稲束を並べて干すと、稲刈りをした実感がわいてきます。干した稲束は1週間程度カラカラに干してから脱穀します。

             稲束を竹で組んだ「はさ」に次々に掛けていきます


 稲束を二つ折りにして掛けます       束ねた稲束を丁寧に掛けます
 

 稲刈りが終わると今度は脱穀の体験です。最初は江戸時代の脱穀機「千歯」で脱穀です。串のような鉄の歯の間に稲穂を入れて引っ張ると、お米の粒(籾)が下にぼろぼと落ちます。一度にたくさん脱穀しようと稲穂を多く入れて引っ張ると、うまく籾を取ることができません。ほどよい数の穂を入れて引っ張らないと良い脱穀ができません。

    引っ張り過ぎて脱穀機がはずれないように両脇をお母さんが押さえます


   そろそろと用心深く穂を引っ張る      籾がこぼれないように引っ張る
 

 脱穀すると下のシートに籾がたくさん落ちています。この籾一粒一粒にお米が入っています。この籾を残らず集めます。手ですくうようにして集めて米袋に入れます。

 落ちた籾をみんなで集めます       一粒も残さないように
 

 江戸時代の脱穀機のあとは、明治時代に発明された足踏み式の脱穀機を体験します。最初、脱穀機の前面に突き出たペダルを、足で踏みながら脱穀するドラムを回転させます。ドラムの回転と足踏みの調子を合わせることが一番大切です。下手をするとドラムが逆回転して脱穀した籾が手前に飛び散ってしまいます。回転すドラムに稲を当てると回転が弱まるため、力強くペダルを踏まなむればなりません。少しばかりコツがいります。

   ペダルを踏むには力がいるので、お母さんにもペダルを踏んでもらいます

   回転するドラムに稲穂を当てる    調子よくペダルを踏みながら脱穀
 

 脱穀する時には決して稲を持つ手を休めてはいけません。油断して手を緩めると稲束がドラムに吸い込まれてしまいます。吸い込まれた稲束は、回転するドラムでバラバラになってしまい。もう脱穀できません。子供達は初体験の脱穀なので、吸い込まれるのも仕方がありません。この失敗も貴重な経験です。

         おっと、稲束が脱穀機に吸い込まれてしまいバラバラに

 足踏み脱穀機で稲を脱穀すると、脱穀機の後ろに落ちた籾を丁寧に集めます。江戸時代の脱穀機に比べて、格段に脱穀する量が多いため早く集めないと籾が山のように溜まってしまいます。ボールなどで籾をすくいながら次次に米袋に入れていきます。

           脱穀機の後ろに回って落ちた籾をかき集めます

 籾が飛ばないようにシートを押さえる    ボールで籾をかき集める 

 これまで、江戸時代や明治時代の脱穀機を体験しましたが、もっと大昔のように手で脱穀することもしました。手の指で稲穂についた籾をむしりとります。直接手でむしると次第に指が痛くなるため軍手を使います。この方法はとても原始的ですが、穂についた籾を分離する意味を知るにはとても良い方法ではないかと思います。そして、穂や籾の感触、ワラが服に付きやすいこと、一粒を収穫することの大変さを身をもって体験するには良い方法だと思います。

           穂に付いた籾を、手で一粒一粒むしり取る

 今日稲刈りと脱穀に参加してくれた別所小学校5年1組の子供達、先生、そしてお母さん達です。ちょっと曇り空だったけど、稲刈りが終わった後元気に小学校までの2Kmの道のりを歩いて帰っていきました。

 同じく5年3組の子供達と先生。稲刈りの後、近くの小川でザリガニを取ったり、カニを取ることに夢中になる子もいましたが、今日の稲刈り・脱穀体験は貴重なものになったと思います。最後に、みんなの前に立派な意見を言えた子や、感謝の言葉を言えた子、ありがとう。
 深夜勤務明けで眠かったけど、この企画を立てて良かったなと思いました。

 

コメント (2)
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