アイスクリームは「バニラ」が好きで、雑じり気のあるものには、あまり触手が動かない。
でも、こんなふうに見せられると、つい手が伸びてしまいそう。
ハーゲンダッツの車内吊りだ。まさにパティスリーのケースように整然と並んだ『ドルチェ』シリーズ。二列おきにカップをひっくり返して中味を見せている。
もちろん整形し直して、いかにものスイーツ感を出しているのだが、これが奏功。300円オーバーだもんな、さすがにね、だいたい普通のハーゲンダッツとどう違うんだい、カップがちょっといい感じだけどさぁ、中味は一緒でしょ、ブランドだけじゃねぇ…といった懐疑的な一般消費者の心を、いきなりつかんで激しく揺さぶるのだ。
実は中身が違っていた。単なるアイスじゃなかったということ。手が込んでいた。高いなりの理由があったのだ。
それなら、頑張って買ってみてもいいかと思わせる。どうして早く教えてくれなかったんだとさえ思えてくる。そんな見事な広告だな。
しかも、4枚続きになっている。もうすでに、じゃあどれにする的な選択のプロセスに踏み込んでいる自分に気づく。
人間の弱さ、あくなき欲望につけ込んだ何というイヤラシい設計。
悔しいけれど完全に甘い罠にはまった。あとはハートがゆっくりと溶けていくのを待つだけである。
ついでに紹介しておくと、それぞれに置かれているキャッチコピーもイヤラシイ。
「パティスリーを極めた、ハーゲンダッツ」
「エスプリとエスプレッソをきかせた、ティラミス」
「美味しさに、美しさを重ねた、ミルフィーユ」
「めざしたのは、モンブランの最高峰」
ありきたりっちゃありきたりだけど、キレイにまとまってますね。
くっそー、ガマンできん!でも、健康診断前なんだよー。
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