湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

沖縄エピソード4 Old teacher

2007-12-15 01:20:11 | 沖縄日記


ガイドブックにも紹介されている首里城近くの石畳の坂道。
その途中にある『真珠(まだま)』というカフェのテラスから市内が一望できるとあったので、楽しみに出掛けた。
ところが、もうずいぶん前にクローズになっていたようで、一息つくことさえできない。
12月だというのに日差しが強く、Tシャツ姿でも汗をかくほどだった。しかたなく、途中の木陰に腰をおろして水を飲んでいると、いかにも地元という顔立ちのおじさんに声をかけられる。
そして、子供の頃に教わったという漢字の覚え方を延々とレクチャーされてしまった。
「国という字から口を取ったら何?」
「玉」
「じゃあ玉から点を取ったら何?」
「王」
「その点を上に付けたら?」
「主、かな」
「こーやって字ーを覚えたものさー」
実際には訛りがあるので、何度も聞き返すから、こんなにスムーズな会話になっていない。
終わりの見えない問答に困っていたら、通りかかった観光客がそのおじさんに質問を投げてきた。
心で「ありがとう」と言いながらバトンを渡し、僕は坂道を登り出す。
しばらくあちこち歩き回ってから見下ろしてみると、彼はまた別の観光客に話しかけていた。
とはいっても観光客の数は、意外に少ない。いくら眺めが素晴らしくても、この数ではカフェの経営は難しいかもしれない。
それでも、話し好きな地元のおじさんにとっては、大忙しの午後のようだったが。

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