湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

湘南ライナーズ・ハイ

2008-01-16 23:37:34 | 湘南ライナーで読む


そのタイトルと見慣れた風景の装丁で 、つい“ジャケ買い”。
『湘南ランナーズ・ハイ』(倉阪鬼一郎著/出版芸術社1400円+税)は、湘南国際マラソンを舞台に二組の家族が絡み合う、やさしく、そしてせつない物語だ。
この「湘南国際マラソン」てのが、何とも絶妙なんですよね。特別なもののようで、手を伸ばせば届く存在。実際その気になれば、誰でもエントリーできるわけだから。
そんな距離感で、しかも登場人物もご近所に暮らしていそうなタイプばかり。さらに、彼らが行く手には、いつもの風景が広がっている…引き込まれないわけがないですよね。かなり楽しめます。
ところが、実はけっこう重い話が据えられていて、あの日の晴天がイメージできなくなったりもするのだ。
それでも、ちゃんとゴールへ連れて行ってくれるし、そこからまた始まることも予感させてくれる。“ジャケ買い”は、当たりだった。
さて、今年の「湘南国際マラソン」が、諸事情により(西湘バイパスの崩落だけではありませんよ)フルでなく、発着地も異なるのが残念。
とはいえ、今年もきっといろんな思いのランナーがいて、そこにはいろんなドラマがあり生まれるのだろう。
最後に告白します。この本を読みながらライナーの車内でぼろぼろ涙を流していたのは、僕です(笑)。

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