湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

臨戦態勢

2009-05-26 21:45:49 | 思い出日和


「誰だ!」
突然電気が消えてしまった真っ暗なラブホテルの部屋。
どこかに照明のスイッチがないかと手探りで歩みを進めると、わずかな光があり、しかもそれが一瞬動いて見えたのだ。部屋の明かりを消した“犯人”に違いないと思い、「誰だ!」と腹の底から声をあげる。自分でも、よくそんな大きな声が出たもんだと驚いたくらい。
そして、臨戦態勢をとる。
さあ来い。

…と身構えているのに反応がない。この暗さでは、向こうもこちらが見えていないはずだ。しかし、油断はできない。緊張が続く。
おぉ、ようやく少し眼がなれてきた。さっきの光のところを再び見ると、確かに手が見える。
よーし、そこかと手を伸ばそうとすると、その手も同時に動く。引っ込めると、その手も引っ込む。なんと、そこは鏡になっていて、自分の手が映っていただけだったのだ。
つまり、誰もいない(笑)。
また手探りで電話を探してフロントにかけると、何かの手違いで電源を切ってしまったとのこと。
ヘナヘナと力が抜けた。
いきなりパッと電気が点いた。目の前にあるその鏡には、真っ裸の自分が映っていた。
別の意味で臨戦態勢の時に停電したのだった。
もう何十年も前の若いころの話である。

写真は、横須賀を自転車で走った時に。三崎街道の旧道にある現役の『福助ホテル』だ。普通のホテルなのかな?尚、本文とはまったく関係ありません。

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