『二年間の休暇』を読んだ。
今の僕の毎日に重ね合わせる意味でね…
って、そうじゃない(笑)。
邦題は『十五少年漂流記』である。
訳者(石川湧)の「あとがき」によると、1888年にフランスで出たものを「日本で1896年に、森田思軒という人がイギリス訳から訳し、15少年漂流記と改題したため、その後、わが国ではその訳名が通用するようになりました」とある。
著者がつけたタイトルじゃなかったんだ!
驚いた。ま、たしかに『二年間の休暇』じゃ、まったく違う物語を思い浮かべちゃうもんね。子供だって飛びつかない(笑)。
それにしても、素晴らしいネーミングだ。
『十五少年漂流記』
この7文字だけで内容が想像できる。
15人の子供たちだけでのドキドキワクワクするような冒険の日々まで一気にイメージが広がっていく。
このネーミングを124年も前(明治29年)にやっていたとは!
そんなことに感心してしまったこの物語、やっぱりタイトルから想像できる内容そのままで面白かった。
ただ、最後のほうは悪人たちをピストルでバンバン撃ち殺しちゃうシーンなども出てきてビックリ。子供のころにダイジェスト的なものを読んでいるはずだけど、これは覚えていないし、想像をはるかに超えていた(笑)。
さて、著者のジュール・ヴェルヌといえば、あの鹿島建設のテレビCMが思い浮かぶ。
「人が想像できるものは、必ず人が実現できる」
すてきな言葉も残しています。
写真は『十五少女漂流記』。いや、ボディーボードでは漂流できないか(笑)。
今回読んだのは角川文庫(400円+税)。昭和33年初版で、これが88版!各出版社から出ているようだが、現代ではやや読みづらい表現もあった。それもまた、いい味かな。
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