クゥィ〜、クゥィ〜
火事です、火事です、すぐに避難してください。
クゥィ〜、クゥィ〜
火事です、火事です
けたたましいサイレンのような音と、脳の真ん中まで進入してくるようなツンツンする男性のアナウンスに目が覚めた。
年に二度の火災報知器点検のときに連続して響く、あの音と声だ!
飛び起きてリビングにあるインターホンの室内機に近づくと「火災」の文字と炎のマークが赤々と点滅している。
イヤな目覚めだったが、落ち着いている。
室内を見て回ったが、変わった様子はない。
時計を見ると1時40分。
もしかしたらマンションのウチの部屋だけで起きているのではなく、他の階、他の部屋でも異常事態なのかもと考え、表へ飛び出した。
ところが静かだ。
何も起きていない。
ただ、ウチの玄関のインターホンのボタンだけが、ここも赤く点滅しているだけだ。
(ボタンが点滅する仕組みになっていたのを初めて知った)
どうしたものか。
再度、室内を見て回ったが全く変わった様子はない。
布団にもぐりこもうとしたら、室内のインターホンから聞きなれない音が。
受話器を取ると「もしもしセコムですが、お宅から火災を知らせる信号が出ています」と男性の声。
「そうなんです、鳴っていたんですが、火事ではありません」
「とりあえず今から伺います」
えっ?
ものの1分ほどで足音が聞こえて来て、セコムのビートエンジニアが現れたのである。
「失礼します」
と入室、各部屋の感知器をチェックして回ったのだ。
「異常がないようですね。管理人室でチェックして、また連絡します」
今度は5分ほど経っただろうか、また電話が来て、結局原因がつかめず、明日管理会社から改めて連絡がくるとのこと。
ただ、点滅は消えないまま。
最初に警報音がしてから30分ほどの出来事だった。
気がつけば、日付変わって13日の金曜日だったのである。
写真はたしか1月5日の蔵書室の階段。開店時間にシャッターを開けようと降りていったらこんな状態だった。