
屏東の内埔に早くからできた客家の人の町に行ってみました。

東陽街、陽済路、東成路のあたりに古いお宅が集中しています。お休みの日とあって、何か催し物がある様子です。

この老街で最も有名なのが、このお店。「源順堂」という甘い物屋さん。酒かすを使ったお汁粉や甘酒などを販売しています。

私たちもお店に入って、酒かすのお汁粉をいただきました。お酒のきつい匂いはせず、控えめな優しいお味でした。

甘酒や酒粕入りのパンの宣伝がお店の壁にも貼ってあります。

さて、有名なのはお店のデザートだけではありません。お店の主人であるこの方が、名物おばあちゃんなのです。御歳91歳、日本統治時代に生きた方なので、もちろん日本語ぺらぺらです。私たちが日本人だと知ると、日本語でいろいろ案内してくださいました。

お店の天井は釘など使わず、昔ながらの組み方で造ったそうです。

壁のレンガもセメントなどを使わずに、石灰ともち米など自然の素材で接着させて、百年から長持ちしているとのことです。

お店のすぐ横にある小路は「青花巷」といいます。

表通りから中に入っていくと、おばあちゃんのお住まいに到達します。

すみませ~ん、ちょっとお邪魔しま~す。

こちらがおばあちゃんのお住まいである建物です。洋楼という西洋建築の建物。

柱は赤いレンガ造りで、アーチ型の入り口。古い建物によくある様式です。

神棚のあるお部屋に案内していただきました。お供え物がたくさんあります。

中庭の地面には、戦時中、防空壕が掘ってあったそうです。今は埋めてしまいましたが、とのことです。

おばあちゃんのお店を後にし、小路をぶらぶらすると、イベントに遭遇。

球を投げて、上に吊るしてある赤い籠に見事に入ったら、景品がもらえるそうです。トライしてみましたが、なかなかと難しくて入りませんでした。

「清河診所」という昔日の健康センター。和洋混合様式の建築になっています。この建物を写真に撮ろうと思ったら、犬に吠えられてびっくりしましたが、おうちの人が抑えててくれて、無事に写真が取れました。

こちらはかつての映画館。清河診所のお医者さんが作ったそうです。

黎家旧宅。1949年に建てられたそうです。ここに住んでいたのは内埔の村長さんだったそうです。

こちらは鍾家旧宅。1948年に建てられたそうです。この地域の初代県会議員、鍾梅貴さんのお宅でした。

築百年という建物、「東望楼」。両端がピンと反り返った赤い屋根、竹のデザインを取り入れた門構えは、客家式の建築だそうです。

道沿いで絵が展示されていました。この絵のモデルは、そう、「源順堂」のおばあちゃん!

ちょっとほっこりするような老街でした。
内埔老街:台鉄屏東駅から屏東客運バスで「内埔」駅下車後、徒歩6,7分で廣済路に着くでしょう。そこから陽済路、東成路などに入るともう老街です。
