ふぉるもさキッチン(台湾厨房)

台湾あれやこれや、色々なトピックスをご紹介したいと思います。(すでに閉店してしまった施設、店舗もあります。悪しからず。)

南園 その2

2012-09-17 16:03:13 | お勧めスポット

 南園の続きです~!
 山の谷間一つ分がすべてお屋敷の敷地になっているような南園ですから、見晴らしがやっぱり素晴らしいですね。



 さて奥まった部分にある建物は南楼につながっていて、大変ダイナミックな造りです。



 建築様式の他、壁や柱などの彫刻も素敵です!こちらの木工彫刻などはほほー!とため息がでました。



 庭の緑と飾り窓が作り出す風景もお見事・・・



 南楼の建物の中にはこんなにゴージャスな衝立と椅子がありました。いったい誰が使ったんだよ、こんな贅沢なもの!と思ったら、イギリスのチャーチル夫人やソ連のゴルバチョフ元大統領やフィリピンのラモス元大統領など、海外からの来賓がここを訪れたとのこと、きっとこういった方々に豪華な家具を見せたのでしょうねぇ。


    
 渡り廊下と渡り廊下がクロスしているところは上部が半円型になっている様式で、ここから見ると重なって見えてきれいです。


    
 木製の柱にも彫刻が施されていて、その一つ一つが秀逸です。



 南楼の中では中国琴の演奏がありました。優雅で素敵な音色がお伝えできないのが残念・・・


    
 南楼の中にある南亭からの見晴らしは最高!この東屋でしばらくゆっくりしたくなります。聞くところによると、南亭の丸い床の中心は風水の最もいい位置なのだとか。ここで大きく深呼吸をして、いい気を取り入れたい気分!



 南園はいろいろな角度から見るとまた違って見えて楽しいです。同じ色の煉瓦と屋根瓦が連なって見えるのも素敵です。



 また、渡り廊下がこのようになだらかな曲線でつながっているのも優雅な感じがします。



 渡り廊下を歩きながら、素敵なお庭を見られるのもいいですね。



 池、屋敷、山、空と並ぶシブい風景。



 突き当たりに来ると飾り窓が待っています。



 南園にはレストランもあります。こちらがレストランへの入り口。


    
 こちらが南楼の一番奥の建物。勝手口らしいのですが、玄関としてもOKなんだとか。



 こちらも裏口と言われる延爽門。立派な門構えです。



 南洋杉を隔ててお屋敷と反対の方向にはホテルがあります。ここは元は従業員の寮だったという話です。ホテルの建物もお屋敷同様赤い煉瓦造りになっています。



 遊園区の外のお庭には白孔雀さんがいます~!


    
 桂苑手前の芝生の上には王吾氏の像が建っていました。

南園のサイトはこちらです。

南園:新竹縣新埔鎮九芎湖32号
台湾新幹線台湾高鐡新竹駅からならタクシーで30分。台鐡湖口駅からタクシーで20分。
南園入園はすべて予約制になっています。予約のサイトで必要事項を書き込み、申し込んでください。

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南園 その1

2012-09-12 14:31:47 | お勧めスポット

 新竹縣にある南園という中華式建築の邸宅へ行ってきました~。実はここ、以前は有名紙「聯合報」の創始者王吾氏が造った別荘でしたが、2007年に一般に開放されるようになりました。



 ここが玄関口なのですが・・・



 お宅はさらに道をずずずいーーーーっと下ったところにあります。かなりの勾配がある坂道を下ります。



 おおおお!ここが入り口です。おうちはなんとも素敵な煉瓦造りではありませんか!こりゃあ期待しちゃいます!



 南園にはガイドさんが随時いて、訪れる人に詳しく解説をしてくれます。入場制限もしていますので、混雑することなくゆっくり見学できるのがいいです~!



 さて、この場所はいわゆる舞台。パフォーマンスなどに使われていたようです。今でも来客用に何か出し物があるそうです。この日は残念ながら何のパフォーマンスもありませんでしたが、地面に書をするパフォーマンスが運がよければ見られるとのことです。



 大きな邸宅は谷間にすっぽり収まるように建てられていて、かなりの広い敷地ですからいい眺め!



 池には黒鳥さんが気分よく泳いでいました。噛むこともあるそうなので、手を出さない方がいいと言われました。



 それにしても見事なまでの素晴らしい閩南式建築です!見てください、もの素晴らしい装飾窓を!チョウチョのきれいなデザインです。中国語で蝶のことを「胡蝶(フーディエ)」と言いますが、「フー」は「福」の発音と同じで、また「ディエ」は「畳」と同じ発音です。つまり、福が何重にも来ますようにという縁起担ぎの窓なのです。


    
 このように花瓶をモチーフにした飾り窓もありました。花瓶の「瓶」は「ピン」と発音し、「平安(平安無事)」の「平」と同じ発音。これも縁起かつぎだと思われます。


    
 花瓶の窓はこのお屋敷にいくつかありました。この花瓶窓から見える風景も素敵です。



 こちらは大きな花瓶窓。飾り窓がいくつか連なっているのも面白いですね。


    
 花瓶窓の向こうにもう一つ同じデザインの花瓶窓があります。これもゲン担ぎ?二重に平安無事を祈っているってことなのでしょうか。


    
 こちらも花瓶窓がありました。お隣の壁には六角形の飾り窓。いろいろな形の飾り窓が施されているのがまた面白いです。


    
 こちらはヒョウタンの形をした飾り窓。ヒョウタンは中国語で「葫蘆(フールー)」と言い、この発音が「福録」というおめでたい言葉と似ているので、モチーフとされています。



 これは桃の飾り窓ですね。桃も中国では長寿を表す果物です。


    
 飾り窓の中にまた飾り窓がある、こういう風景がお屋敷内にはいくつかあって、本当にアートな気分。



 渡り廊下の煉瓦の壁にもいくつかの飾り窓が・・・ここからお庭が眺められて、いい雰囲気です。



 庭園の木には赤い文字飾りが吊されていて、華やかで楽しげな雰囲気!



 閩南式建築の特徴の一つとして、この屋根のデザインがあります。屋根が隆起した形になっていますが、この形を「五行馬背」と言い、文字通り馬の背中のように一番高いところがとがっています。この形も5種類あるらしく、丸くなだらかな形を「金」、とがって高くなっているのが「木」、などと五行になぞらえて造られているそうです。ちなみに上の写真はちょっと丸まっているので「金」じゃないかと思われます。



 また、馬背のすぐ下に施されている白の彫刻のことを「懸魚」といい、この懸魚も様々なデザインがあって、見ていてもおもしろいです。もともと懸魚は防火を連想するよう、水にちなんだデザインが多く用いられているそうですが、南園の懸魚はやはり縁起のよいユニークなものが多いです。



 この建物の懸魚はなんと孔雀!ずいぶんと派手です!というのもすぐ隣に「孔雀亭」という昔孔雀を飼っていた東屋があるからなんでしょうね。



 この懸魚はお金が2枚上からぶら下がったデザインですね。お金と縁があるようにってことなんでしょうか、わかりやすいわ・・・



 こちらの懸魚も個性的!筆などの文房具だと思われるのですが、勉学に励めますようにってことなんでしょうかね。

南園のサイトはこちらです。

南園:新竹縣新埔鎮九芎湖32号
台湾新幹線台湾高鐡新竹駅からならタクシーで30分。台鐡湖口駅からタクシーで20分。
南園入園はすべて予約制になっています。予約のサイトで必要事項を書き込み、申し込んでください。

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頭城老街

2012-09-04 22:21:13 | 町を訪ねて
    
 宜蘭縣の頭城老街へ行ってみました!老街は台鐡頭城駅の出口から外へと向かって広がっていました。



 老街は主に和平街に沿って残っていました。そこで北から順に歩いて行くことに。まずは老街には必ずあるお宮を拝見。北門福徳祠です。町の繁栄を願って1863年に建てられたという歴史あるお宮なんですよ。



 福徳宮のすぐ手前には「十三行街屋」があります。木造建築の平屋で、横に長い造りになっています。門には赤い“対聯”という対句を書いた紙が貼り付けてありました。
 その昔、この町が栄えていたとき、13軒の商家がここを倉庫として使っていた建物なんだそうです。



 扉に近づいてそっと中をうかがってみましたが、ここは一般住居になっているらしく、今も民家として人が暮らしていました。



 十三行街屋の向かい側にはこんなスペースがありました。昔の頭城老街を再現した絵が煉瓦の壁に描かれていて、なんともノスタルジックな味を出しています。



 昔懐かしいポンプ式の井戸もありました。



 少し南に行くと、立派なお屋敷がありました。ここは宜蘭縣の初代縣長だった廬纘祥さんのお宅です。1928年(昭和3年)に建てられた閩南式建築の邸宅なのだそうです。



 和平街を挟んで廬さんのお宅の向かい側には、大きな池があります。池の中に緑の草の生えた浮島みたいな物が二つありますが、これはかつてここに東屋があったということです。今はもうその東屋は壊れてしまってありませんが、柱の根元だけが残っています。
 ところで昔はこの池が海につながっていました。青雲路から向こうはかつて海だったのです。海から船がこの池に入ってきて荷揚げなどをしていたそうです。


    
 更に南に向かって歩きましょう。道にもちゃんと「頭城老街」の文字が書かれています。


    
 和平街と民鋒路の角にこんなおうちを発見。白い壁にアーチ型の煉瓦造りが埋め込まれています。おそらく昔はこのアーチ型の所は通路になっていたのでしょう。うちの中の敷地を広げるために通路を壊してしまったのでないかと思われます。


    
 この老街ではデッサン画や以前使われていたのであろう表札などをディスプレイされていて、なかなかサービス精神旺盛だなと思いました。



 こちらは慶元宮というお寺の向かい側に広がっているスペースです。静かで広々としたところですが、その昔殺人事件が起きた場所なのだそうです。記憶がぼけてしまって恐縮ですが、確か二二八事件関連じゃなかったかと思います。



 更に和平街を南に行くと、こんなに味のある赤煉瓦の建物に出会います!



 ほら!かなり年季の入った建物ですよね。ここ、昔は大きな商家だったようです。



 バロック風の建築で、通路の上部がアーチ型になっているのもまたいいですね。ここにはもう誰も住んでいない様子でした。



 赤煉瓦が黒ずんでしまった部分もあったり煉瓦と煉瓦の隙間から草が生えていたり、年月を感じます。



 屋根の彫刻の美しさも、まだちゃんと残っています。


    
 和平街の南の突き当たりには南門福徳宮がありました。北側の福徳宮と対になっているんですね。こちらも北側の宮と同様1863年に建てられたものだそうです。南北のお宮がこれから先もずっと頭城老街を守っていくのでしょう。



 南門福徳宮の隣には、これまた赤煉瓦造りのスペースがありました。老街の地図も描いてあります。



 おっと、地図だけではなく、頭城老街についての簡単な説明もあります。北から下って来るよりも、先にこの地図と説明をよく見てから北へ進んでいった方がよかったかも・・・



 カメさんの石像も置いてありました。なんだかおめでたいのですが、子供はついついカメさんにのっかっちゃいますね。



 ところで、開蘭路から開蘭舊路に分かれていく道沿いに頭城鎮史館があります。



 建物の前には古井戸の跡も残っていました。




 ここにはガイドさんがいて、頭城老街の説明が聞けます。中国語以外に英語でも説明してもらえます。建物中に入って見学できますよ~。中が畳敷きの和風スタイルになっていることに驚きました。


    
 板の間の廊下、障子に木の天井と、純和風です。



 実はここ、頭城鎮史館となっていますが、かつて頭城小学校の校長先生の宿舎だったんだそうです。今は頭城に生まれ育った小説家、李栄春氏の文学館となっています。



 李栄春氏は私小説を書いた人で、彼の小説の中には頭城の町のことが詳しく描かれているということです。
 李栄春氏は波乱に富んだ人生を送った作家で、童養嫁(トンヤンシー)(将来そのうちの男の子と結婚させる目的で子供のうちから養女にする女の子のこと)との結婚を嫌い、うちを飛び出し中国へ八年間逃亡生活をした後、ふるさと頭城にもどってきて童養嫁(トンヤンシー)と結婚します。しかしその後まもなく離婚、絶望した童養嫁(トンヤンシー)は自殺してしまいます。
 李栄春氏は自転車修理工でしたが、この仕事はあまり得手でなかったようです。李氏のお兄さんの方は商売上手な商人で、いろいろ工夫して順調な暮らしをしていたようです。
 しかし、李栄春氏の自転車修理があまり上手でなく、私小説を書くことに没頭したていたおかげで、今を生きる私たちは昔の頭城の人々の暮らしを知ることができ、頭城に根付いてきた文化に触れることができるのです。



 頭城鎮史館の前には李栄春文学地図がありますので、これを参考にして頭城老街を歩いてみるのもお勧めします。

頭城老街:台鐡頭城駅を出てまっすぐ行き、三つめの十字路が和平街とクロスしています。和平街を中心に老街が広がっています。

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