ふぉるもさキッチン(台湾厨房)

台湾あれやこれや、色々なトピックスをご紹介したいと思います。(すでに閉店してしまった施設、店舗もあります。悪しからず。)

歓迎!烏来温泉

2006-06-21 14:56:02 | 温泉
        

 我が家からバイクで南へ30分ほど走れば、山間の温泉郷烏来温泉に着きます。ここはタイヤル族という原住民も暮らす自然に恵まれた集落。歩いてよし、食べてよし、風呂に浸かってよしと、楽しいことずくめの烏来温泉をちょっと紹介しちゃいます。

        

 烏来歩きのスタートは烏来行きバスの終点「烏来總駅」。ここから奥へまっすぐ歩いてまもなく「烏来老街」と言われる通りに出ます。道の両側には土産物屋が並び、見て歩くだけでもおもしろい!飲み物の屋台あり、水着を売る店あり(台湾の温泉は水着着用の混浴が結構多い)、ゲームセンターあり、レストランあり・・・・。
 烏来温泉の名物はたくさんあります。粟焼酎、色とりどりの小さな和菓子風お餅、冷たい温泉玉子(味付けが絶妙でうまい)、おっと、串に刺した焼き餅をいろんなタレに絡めて売っているお店も発見(上の写真)!日本のお餅と同じような味でおいしいです。これも烏来の人気フードなんですって!
 また、老街沿いのレストランでは各種川魚料理や山菜料理に、タイヤル族伝統料理の竹筒飯(竹筒に入っているおこわ)、山豚の鉄板焼きなどが食べられ、山の幸の豊かさに改めて驚くことでしょう。

        

 タイヤル族の伝統工芸品のお店も多く、帽子、衣装、かばん、壁掛け、アクセサリーなど、ここに来ればいろいろ手に入ります。上の写真のお店ではタイヤル族の女性が機を織っていました。

 温泉源の川べりに沿って道ができているから、老街には温泉旅館や温泉施設も多く並んでいます。烏来温泉での入浴料金は他の台湾の温泉地より少し高めに設定されているようですね。その分、設備も良く、お風呂もきれいだと評判です。また、子どもは大きいお風呂『大衆池』には入れないようになっていて、子ども連れの場合は家族風呂に入るように勧められます。どうもこれは烏来温泉のポリシーみたいですね。
 ちなみに烏来のお湯は炭酸ナトリウム泉、無色無臭、飲んでも大丈夫なのだそうです。血行を促進して肌の艶をよくし、火傷や胃腸病に効果があるのだとか。確かにお湯は少しぬめりがあるので、お肌にはよさそう!

        

 さて、老街を抜けて橋を渡ったら、トロッコ乗り場があります。トロッコは小さくて、走りもどこかのどかだし、山の散歩には絶好の乗り物(上の写真)。このトロッコに乗って更に山奥に進むと、滝が見える絶景ポイントに到達。ここにもレストランやカフェがあるので、自然に埋没しながら食事したりお茶を飲んだりするもよし。そして更に奥に進むと森林遊楽地などもあります。

        

 ところで、烏来でおもしろいのは野渓温泉にも入れること。ここは無料なので我が家もちょくちょく利用しています。トロッコ乗り場の北側、老街の向かい側になるのですが、この川沿いに湧き出している温泉を、石やコンクリートで作った湯船にためているのですね。まあ、ここに来るとなんだか銭湯のノリです。また、川から温泉が出ている付近を石でせき止めて湯船をこさえ、川の水を適当に混ぜて温度を調節しているところも人気があるようで、多くの人が入浴していました。この野渓温泉は水着着用ですのでご注意を!また、更衣室など気の利いた場所はないので着替えには一工夫をお願いします。

        
        

 一度来たら、また訪れたくなる烏来温泉に是非どうぞ。好好玩了!(おもしろいよ)


龍山寺近くのレトロカフェ

2006-06-16 14:41:06 | レストラン、喫茶店、茶芸館
          
 
 萬華地区は龍山寺の近くにモダンなカフェを発見しました。穀烏軒という名のお店です。

         

なんでも日本統治時代は百貨店だったというから建物はかなりレトロなのだが、それに現代的な改築が加わって今風に洒落た造りになっているんですねぇ。日本時代の建築によく見られるどっしりした煉瓦色の外観、てっぺんに施された彫刻(?)、年季の入ったバルコニー、窓の形、どれをとってもなかなかシブい!重厚そうな建物の面持ちですが、中に入ってみると意外と明るいのにびっくり。日当たりがいい場所だからでしょうか。それに中華風な壁飾りや、丸窓に吊り下げられた鳥かごなど、さりげなく配置されているインテリアも印象的。も一つ気に入ったのは店員さんが優しいことです。
 
         

 お気に入りの飲み物を味わいながら、こういう所でゆっくりするってのもいいなあ・・・。小さな幸せに浸れるようなカフェでございました。

これが座月子中心だ!

2006-06-10 23:52:30 | 台湾の風習
 お友達のが赤ちゃんを出産し、座月子中心にて静養していると聞いてお祝いとお見舞いに行ってきたことをお伝えします。思えば私も3年半前、座月子中心にお世話になったのでしたが、当時は自分のことと新登場の赤ん坊のことで精一杯だったもので、レポートするなんて余裕はとてもなかったのでした。
 そんなわけで今回は赤ちゃん誕生記念に座月子中心についてお話しいたします。

 そもそもこの座月子中心とはなんぞや、というところから説明しますと、こちらでは出産した女性は一ヶ月間きっちり休み、栄養のあるものを食べてちゃんと静養するという習慣があり、これを座月子というのですね。で、本当なら嫁ぎ先のお姑さんが産後のお嫁さんの世話をするわけですが、核家族化などで社会が複雑になった現代、出産後の女性の世話をする人がいなかったりできなかったりという状況もあって、それでは座月子をビジネスとして産後の女性と赤ちゃんを面倒見ましょうという施設が出来、それが座月子中心というのです。たいていこの座月子中心は産婦人科医院や総合病院に併設されていることが多いようです。今回お伺いした所も台北市の中心にある協和婦女医院の中にありました。

                 
 
 ではこの施設にお世話になったらどんな生活をするのでしょうか。産後の女性は施設内の部屋で寝泊まりします。ホテルのシングルルームにいるような感覚ですね。
 食事は一日5回。この施設のものを詳しく述べますと
朝: パンまたはご飯、スープ、野菜炒め、シラスとピーナッツの和え物、米醤
  (きな粉飲料)、果物
午前10時: 漢方薬飲料
昼: ごはん、スープ、肉または魚のおかず、野菜炒め、果物(二番目の写真参照)
3時: おしるこやしょうが湯などの甘味もの、または、豚肉のスープなど日によ    って異なる
晩: 昼食とだいたい同じ
夜食: 漢方薬風味の豚肉スープや鶏肉スープ
というのがここの基本メニュー。私がいた施設では3時におしるこや棗と蓮の実のスープなどのスイーツが出て、夜食には必ずと言っていいほどレバーがしこたま入ったスープが出ました。おかげで座月子中心にいる間に一生分のレバーを食べたような気がしたなぁ。

 産婦が栄養をとってじゅうぶん休めるようにというのが座月子中心の狙いですから、赤ちゃんの世話もほとんどベビー室に詰めている看護婦さんがやります。が、授乳の時だけベビー室から赤ちゃんを部屋に連れてきて母親が授乳するのですね。ただし、夜中の授乳は夜勤の看護婦さんがやってくれるので産婦はゆっくりと睡眠がとれるというわけです。協和婦女医院の場合、朝から夕刻までの授乳は4回で時間が決められているとのことですが、私がいた所では赤ん坊が「腹減った」とばかりに泣き出したら看護婦さんから部屋の電話に授乳を知らせる連絡があり、ベビー室へ赤ちゃんを引き取りに行っていました。

         
 
 上の写真は座月子中心のベビー室。割と大きい病院のためか預かっている赤ちゃんも多いようです。手前のベビーは駐妻Nの赤ちゃん。ベビーベッドの下には赤ちゃんのオムツや着替え、授乳や体温などの記録が入っています。

 さて、気になる座月子中心の費用ですが私の時は赤ちゃんの世話代3000元強、私の宿泊と食事代2000元強で一日5000元台だったのですが、最近は座月子中心同士の競争が激しいのか費用も安くなっているようで、友達いわく、一日トータル3800元!(日本円で約13500円)これは安いと思いませんか?その辺のビジネスホテル一泊代と変わらないでしょう。確かに「赤ん坊の面倒をお金を出してみてもらうなんて贅沢だー」とか「自分でやったらお金なんかかからないじゃないか」などの意見はあるかもしれませんが、台湾では産後はゆっくり休むのが常識で、もしも無理をしちゃうと年をとってから早くガタが来ると信じられているのです。赤ちゃんを預けてゆっくりでき、食事もあたり、上げ膳据え膳で少しぐらい楽させてもらえるならお安いものだと思いませんか。
 また座月子中心にいる間は赤ちゃんのお風呂の入れ方やオムツの換え方をマンツーマンで教えてもらえるほか、新米ママ対象の‘産後のケアレッスン’なる講座もあり、赤ちゃんの生理についてや新生児の予防接種についての説明、産後の体の注意事項、食品添加物についてなどなど教えてもらえるのだからなんともお得。

 座月子中心での滞在期間についてはもちろん希望するだけ泊まれるのですが、まずは一週間分または二週間分費用を支払って、あとどれだけ泊まりたいかは自分の体と相談して決めるという所が多いようです。駐妻Nは15日間泊まると言っていましたが、私も確か二週間ぐらいお世話になりました。

 台湾にはこの他、母親だけ退院してうちに戻り、赤ちゃんだけをしばらくみてもらうということも可能な施設もあると聞きますし、座月子中心以外にも産後のサービス産業がいろいろあって、産後の女性用の栄養のある食べ物を自宅まで宅配してくれる業者もあるんですよ。だから台湾では産後の女性がどのように過ごすか選択肢がずいぶんあるように思います。こういった仕組みのおかげで私もこちらで安心して出産することができました。妊娠中、座月子中心などを知らない頃は「日本の実家まで帰らなきゃだめかな、実家には座敷犬がいるからちょっと困ったなー、赤ん坊噛まれたらどないしよ~、かと言って母に台湾に来てもらっても言葉がわからないだろうから無理だろうな~」など心配していたのですがね。

 日本では台湾の座月子中心のような施設って将来できるでしょうかね。日本の場合、いろいろな規制があってこのような施設を作るのは難しいように思います。今政府が推進している「特区」をばんばん利用しない限り不可能かな。