錦之助ざんまい

時代劇のスーパースター中村錦之助(萬屋錦之介)の出演した映画について、感想や監督・共演者のことなどを書いていきます。

錦之助映画祭り2010日誌(11月26日最終日)

2010-11-28 06:25:05 | 錦之助映画祭り
 26日(金)、最終日。長かったような短かかったような11日間が今日で終る。
 
 新文芸坐での錦之助映画祭りは、昨年、2週間を2回(1年12ヶ月のうち1ヶ月を錦之助特集で独占したことになる)やっているので、今年は11日間が精一杯であろう。新文芸坐もよくここまでやってくれたと思う。私も全力を尽くし、錦之助映画ファンの会をバックに上映会を強引に推進してきたので、精魂使い果たしたとまでは言わないが、かなり疲れた。これが終ったらしばらく休養を取りたい心境である。
 振り返ればこの2年間、上映活動と記念本の制作にばかり、私はほとんどの時間と労力とお金を費やしてきた。時間と労力は、好きでやっていることなので、いくら費やしても苦ではないが、私個人のお金(私の会社のお金を含め)をずいぶん遣ったので、財政的に苦しくなってきた。ここらで、対策を講じ(例えば、売れる英語の本の制作)、実入りを増やさないと、大変まずい状況になっている。
 新文芸坐にしても、毎年「錦之助映画祭り」を催すというのは興行的にも無理なことである。催すとしてもあと3年後であろう。錦之助映画ファンの会のみんなは、毎年1週間でも錦之助映画特集をやってほしいと口々に言うが、正直言って、こういう大々的な催しは、当分の間できないと思う。
 まあ、来年になって、私も英気を養ってから、新たな企画(映画館なら単発で、あるいはファンの会だけの内輪で、錦之助映画を上映すること)を考えたいと思っているが、今のところは白紙である。
 
 昼過ぎに新文芸坐へ行く。『若き日の次郎長 東海の顔役』と『清水港の名物男 遠州森の石松』の二本立て。どちらもニュープリント。東映ビデオがDVDを制作した時に作ったプリントである。昨年3月の「錦之助映画祭り」ではどちらもフィルムセンターから借りて上映した作品だが、東映にプリントがあるのは大変良いことだ。フィルムセンターの所蔵フィルムは借りにくい上に、借りたとしても費用がかさむ。他の映画館ではなかなか上映できないからである。

 今日は二回目の上映から観る。『東海の顔役』は、これまで私がビデオで数え切れないほど観ている映画。スクリーンでは、フィルムセンターで二度、昨年の新文芸坐で一度観ている。私の大好きな作品の一本である。
 やはりニュープリントはいい。特にこのプリントは、ネガの状態が良かったのだろう。色調もコントラストも満足のいくものだった。
 お客さんの入りは上々。二回目なのに7割くらい入っている。最終日なので当然かもしれないが、ほっとする。
 次は、『遠州森の石松』。こちらのニュープリントは、やや色調が悪かったが、1958年の作品なので、仕方がないと思う。この映画も私の大好きな作品なので、十分堪能した。
 今回は、マキノ雅弘監督作品を5本上映したが、それぞれ錦ちゃんの違った良さが発揮されて、魅力あふれるものだったと思う。
 
 西奈美さんとそば屋へ行き、食事をした後で、また新文芸坐へ戻る。
 もう一度、『遠州森の石松』と『東海の顔役』を観る。これで見納めである。
 ポスターを貸してくれたMさん、写真の展示とトークのビデオ撮影をしてくれた宮坂さんが観に来てくれていたので、二人と展示物の片付けと返却の打ち合わせをする。
 最終回の『東海の顔役』。お客さんの入りは3割ほど。ちょっと寂しい思いを味わったが、ラストの富士山を見て、晴れやかな心持ちで、映画館を出る。
 ファンの会の副会長の高橋かおるさん(リーフレットの作品解説を書いてもらったり、いろいろ協力してもらった)と、近くの飲み屋へ行き、ささやかにお疲れ会。
 これですべてが終った。零時半に飯田橋へ帰る。