この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『鋼の錬金術師』実写化について思うこと。

2016-06-02 21:30:59 | 新作映画
 荒川弘原作の『鋼の錬金術師』が実写映画化されることが先日発表されました。
 それに関するミクシィニュースのつぶやきをざっと拾っていくと、
>いやいや…キャストは置いといて。漫画の世界観を再現するなら主人公の年齢設定変えるのはダメでしょ(真顔)
>ロードオブザリングとか、マーベルの作品群とか、あれぐらいお金と本気出さないとファンタジー漫画の実写化は厳しいと思うな…
>10秒だけでいい、この監督に会わせてくれ。そして言わせてくれ……「ファンは誰も実写化なんて望んでないんだよォォォ!!!!」
>なんか熱意があるのは分かったけど、全然イメージが違うタレント使って実写化する理由は結局分からず。早よ誰かこいつを止めてくれ。
>自信があんなら日本人つかうなっつーの

 いやいや、何というか、手厳しいですね。コメントの9割、いや、99%は実写映画化断固反対のスタンスのようです。
 自分はというと、今回の『鋼の錬金術師』の実写映画化におおむね賛成です。
 理由は後述するとして、まずは上に挙げたつぶやきに反論をしたいと思います。
>主人公の年齢設定変えるのはダメでしょ(真顔)
 なぜ主人公の年齢を変えたらダメなの?確かに原作には主人公が子どもならではの面白さがあるけれど、『鋼の錬金術師』の面白さって別にそれ“だけ”ではないよね。主人公のエドが少年から青年になったからといって、即ダメになるってことはないと思うけれど。
>あれぐらいお金と本気出さないとファンタジー漫画の実写化は厳しい
 本気、というのが何を指すのかわからないけれど、少なくともお金さえ出せば面白いファンタジー映画が作られる、ということはないはず。『進撃の巨人』の実写映画だって、予算が倍あれば面白い映画になった、ってことはないだろうから。
>ファンは誰も実写化なんて望んでない
 自分は『鋼の錬金術師』の原作単行本を全巻初版で持っているぐらいのファンだけれど、今回の実写化に反対していないよ。誰も彼も自分と同じ考えだと思っちゃいけない。
>全然イメージが違うタレント使って実写化する理由は結局分からず。
 イメージが合っている、合ってないは単なる主観。自分はキャスティングを見て、まったくイメージに合ってない、と思うキャストはいなかったけれど。
>自信があんなら日本人つかうなっつーの
 日本人を使って実写化することに自信がある、と言っている監督に対してこのつぶやきは意味不明だといってよいと思います。

 では、自分が『鋼の錬金術師』の実写映画化に反対ではない理由を述べていきたいと思います。
 昔から、ハリウッド映画に比べて日本映画は予算が少ないから面白い作品を作れない、と言われています。
 自分はこの考えが断然気に喰わないです。
 例えばこの春公開された『キャプテン・アメリカ/シビルウォー』、自分はとても面白かったのですが、この映画が面白かったのは予算が潤沢だったからでしょうか?
 もちろんそれもあるでしょうが、根幹にあるのは、本来仲間同士であるキャプテン・アメリカとアイアンマンが戦わなければならなかった理由が作品の中できっちりと書かれていた、つまり脚本がよく出来ていたからこの映画は面白かったのだと思います。
 ちなみに『キャプテン・アメリカ/シビルウォー』よりも先に公開された『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』も予算でいえば同じ$250 millionですが、同じ予算の2作品は同じように面白かったでしょうか?違いますよね。
 予算が少ないことを理由に面白い映画を作れないと言っている人たちは、単に面白い映画を作れない、その理由の後付でで予算の少なさを挙げているのだと思います。

 予算が少ないから日本ではファンタジー大作映画は作れないと考えている人は、それが理由であれば未来永劫日本ではファンタジー大作映画は作られないということになりますが、本当にそれでいいって考えているのでしょうか。それで満足なんでしょうか。
 自分は大いに不満です。
 自分はいつか、日本人にしか作れない、けれど世界に通じるような、日本独自のファンタジー映画を見てみたい、そう思っています。
 そのための足掛かりとして『鋼の錬金術師』が実写映画化されるのであれば、それは充分アリといえるのではないか、そう考えいます。

 足掛かりとしての実写映画化などと書くと、ずいぶん低く見ているようですが、決してそんなことはありません。
 純粋に原作ファンとして今回の実写映画は期待できるのではないか、と思っていますよ。
 長大な原作を2時間に収めることなど無理だ、と言っている人もいるようですが、キャストを見る限りは原作の単行本1、2巻を中心に映画は作られるようですから、全然無理な感じはしません。
 あとは監督の力量と、何より脚本の出来の良さが物を言うでしょう。
 公開は2017年の冬とのことです。
 必ず観に行きます。期待が裏切られないことを願うばかりです。
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