この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ボンボン。

2007-12-25 22:34:00 | 旧作映画
 カルロス・ソリン監督、アルゼンチン映画『ボンボン』、DVDにて鑑賞。

 ボンボンといってもいいとこのおぼっちゃんのことでもなければ、洋酒入りのお菓子のことでもなく、先ごろ廃刊になった少年向け漫画雑誌のことでもない。
 ボンボンとは犬の名前。
 主人公フアンは人のよいこと以外これといって取り得のない中年男。長年勤めたガソリンスタンドを首になって現在求職中。ある日のこと、フアンは道ばたで車が故障して困っていた女性を助け、お礼に一匹の犬をもらう(別の言い方をすると押し付けられる)。本当は犬を飼うようなゆとりなどない彼なのだが、元来の人のよさから、その申し出を断れない。その犬、ボンボンを連れて旅をするうちにフアンの元にちょっとした幸運が訪れるようになる・・・。
 いいですね。
 こういう映画を見ていると心が穏やかになります。
 さえない中年男フアン。生きることに不器用で、家族からも厄介もの扱い。でも心根は純粋で、誰よりも優しい。
 そんな彼ですから、見ているうちに応援したくなってしまい、これといった大きな事件がなくても、これから先、どうなっちゃうの?って展開にドキドキしちゃうんですよね。
 ラストもよかった。こういう物語の結び方はセンスがいいと思います。
 ただ、一番感動するのが犬が交尾しているシーンというのはちょっと大きな声ではいえませんけどね。笑。

 主人公フアン・ビジェガスを演じたのはこれが映画初主演どころか、出演すらもはじめてのフアン・ビジェガス。映画会社の近くの駐車場に勤めているまったくの素人さんだそうです。いい味出してました。

 本作とは直接は関係ないのですが、犬を連れた求職中のさえない中年男性という設定に、伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』に出てくる豊田と老犬を思い出したのは自分だけではない、と思います。
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2 コメント

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こんばんは~。 (せぷ)
2007-12-28 22:02:04
こんばんは~、たおさん、コメント、感謝です。

いい作品を紹介してくださってありがとうございました。
主人公がボンボンを探し求めて彷徨うシーンは犬好き、動物好きにはたまらないシーンですよね。

>犬も主人公も何もしていない
ですね。笑。
結局感動するのにそんな大層なドラマは要らないってことかもしれませんね。
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Unknown (たお)
2007-12-27 21:08:18
こんばんは♪
基本的に流されっぱなしの主人公が、初めて自分の意思で行動を起こす(まぁ、大それた行動ではないですが)ってのも、感動ポイントでしたねぇ^^
よく考えれば、犬も主人公も何もしていない気もしましたが^^;
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