いつかジョンにサヨナラを言わなくちゃいけない日が来るってわかっていたけど、こんなふうにサヨナラするなんて思ってもみなかった。
今わの際、ジョンは息も絶え絶えになりながら俺を呼んだ。
「テッド、お前にずっと言いたかったことがあるんだ」
俺は一言も聞き漏らすまいと片方の耳をジョンの口元に出来るだけ寄せた。
「テッド、お前よりも洗剤のCMに出てくるクマの方がずっと可愛い」
口をあんぐりとさせた俺にジョンはニヤリと笑った。
「冗談だ」
何だよ、冗談かよ、俺はジョンの肩を叩こうとして、ジョンが息をしていないことに気付いた。
ジョンは死ぬまで最高の奴だった。いや、死んでも最高の奴だった。
程なくしてジョンに続いてローリーも死んだ。時々盛大に喧嘩もしたけど、俺は彼女が大好きだった。
やがてジョンとローリーの子供たちも死んだ。子供たちの子供たちも。みんな死んでいった。気の合う奴もいた。合わない奴も。いい奴も悪い奴も。みんな死んだ。
最後に人間の顔を見てからどれぐらいたつだろう。よくわからない。
こんなセンチメンタルな日に聴く音楽は決まっている。ビリー・ジョエルだ。
誰だよ、ビリー・ジョエルなんておかまが聴く音楽だって言ってるのは!
俺はビリー・ジョエルが大好きだ。何といっても彼の音楽を聴いているとお尻の穴の周りがムズムズしてくる。あの感覚がたまらない。
今では音楽を聴くのも大変だ。手回し発電機を三分も回さなくっちゃならないからな。クマのぬいぐるみには重労働だ。
昔、ローリーから、テッド、もっと静かにしてよ!ってよく叱られたっけ。
オーケー、ローリー、地球はもう少しでこれ以上ないってぐらいに静かになるから。それまでの我慢だ。
静かな夜にビリーの歌声だけが響いた。そして俺のお尻の穴がムズムズした。
今わの際、ジョンは息も絶え絶えになりながら俺を呼んだ。
「テッド、お前にずっと言いたかったことがあるんだ」
俺は一言も聞き漏らすまいと片方の耳をジョンの口元に出来るだけ寄せた。
「テッド、お前よりも洗剤のCMに出てくるクマの方がずっと可愛い」
口をあんぐりとさせた俺にジョンはニヤリと笑った。
「冗談だ」
何だよ、冗談かよ、俺はジョンの肩を叩こうとして、ジョンが息をしていないことに気付いた。
ジョンは死ぬまで最高の奴だった。いや、死んでも最高の奴だった。
程なくしてジョンに続いてローリーも死んだ。時々盛大に喧嘩もしたけど、俺は彼女が大好きだった。
やがてジョンとローリーの子供たちも死んだ。子供たちの子供たちも。みんな死んでいった。気の合う奴もいた。合わない奴も。いい奴も悪い奴も。みんな死んだ。
最後に人間の顔を見てからどれぐらいたつだろう。よくわからない。
こんなセンチメンタルな日に聴く音楽は決まっている。ビリー・ジョエルだ。
誰だよ、ビリー・ジョエルなんておかまが聴く音楽だって言ってるのは!
俺はビリー・ジョエルが大好きだ。何といっても彼の音楽を聴いているとお尻の穴の周りがムズムズしてくる。あの感覚がたまらない。
今では音楽を聴くのも大変だ。手回し発電機を三分も回さなくっちゃならないからな。クマのぬいぐるみには重労働だ。
昔、ローリーから、テッド、もっと静かにしてよ!ってよく叱られたっけ。
オーケー、ローリー、地球はもう少しでこれ以上ないってぐらいに静かになるから。それまでの我慢だ。
静かな夜にビリーの歌声だけが響いた。そして俺のお尻の穴がムズムズした。
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