この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

好きだったころのティム・バートンが戻ってきた!『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』。

2017-02-04 23:52:14 | 新作映画
 ティム・バートン監督、エヴァ・グリーン主演、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』、2/4、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2017年2本目。


 土曜日はお袋と一緒に映画を観に行きました。
 一緒に映画を観に行った、といっても同じ作品を観たわけではないのです。お袋が観たのキネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・テン第1位だった『この世界の片隅に』です。
 自分はすでに鑑賞済みで、老若男女にお薦め出来る映画だと思ったのですが、お袋ぐらいの世代の人間にはより強く心に響くんじゃないかと思って誘ったのです。
 一方自分はティム・バートン監督の最新作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を観ました。

 ティム・バートン監督というとこの映画の「ティム・バートン史上最も奇妙」というキャッチコピーにもある奇妙さが売りだと思うのですが、自分が彼の作品で惹かれるのはそれではなく、彼が少年時代いじめられっ子だったからでしょうか、虐げられている者に対する慈愛に満ちた眼差しでした。
 そして決して安直なハッピーエンドではないけれど、観終わった後、心が安らぐようなエンディングも好きでした。

 しかし時代を経て、彼がメジャーな作品を手がけるようになり、あれ、何だか違うな、と思うようになりました。奇妙は奇妙なんだけど、キャラクターに魅力が乏しく、結末も単純なハッピーエンドか、もしくは観終わった後とても不愉快な気持ちになるような終わり方の作品で、一時はもうティム・バートン作品は観なくていいかなとすら思いました。
 その思いが一番顕著だったのは何といっても『ダーク・シャドウ』ですね。ティム・バートン扮するヴァンパイアが主人公なのですが、コイツが本当に人間的な(?)魅力に乏しく、ただの女たらしでしかないのです。

 しかしその後『フランケンウィニー』、『ビッグ・アイズ』と次第と以前のような作風を取り戻し、そして本作を観て、自分が好きだったティム・バートンがようやく戻ってきたかなと思えました。

 ただ、好きなことは好きなんですけど、ぶっちゃけて言って『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』はお世辞にもファンタジー作品としてよく出来ているとは言い難いです。
 どこかで見たような世界観で、設定はイマイチわかりにくく、何よりどうかと思ったのは主人公の少年の特殊能力がただ「怪物が見える」ということだけなんですよね。
 もちろん怪物が見えなければ戦いようがないわけですが、他の奇妙なこどもたちがそれぞれ見せ場を与えられていたのに比べ、如何せん地味過ぎました。「怪物が見える」+何か別の能力が欲しかったです。

 さて、ティム・バートンの次回作は何でもディズニーアニメで有名なあの『ダンボ』だそうです。
 ティム・バートン作品に登場するキャラクターっていわゆるディズニー的な可愛さとは無縁だと思うのですが、そこら辺はどうなるのでしょうね?
 2018年公開予定です。


 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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