ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 宇野重規著 「'私'時代のデモクラシー」 岩波新書

2011年02月05日 | 書評
個人主義の時代に、私たちの問題を話し合うデモクラシー 第1回

 私にとって宇野重規氏は始めてである。氏は1967年東京都生まれ、1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。その後千葉大学法経学部助教授を経て、現在、東京大学社会科学研究所准教授。若い新進気鋭の東大系学者とお見受けした。専攻はフランス政治思想史・政治学史である。父、宇野重昭氏は島根県立大学学長で中国政治・東アジア地域の研究者だそうだ。親子そろって政治学者である。宇野重規氏の出発点はフランスの政治哲学者トクヴィル(1805-1859年)の政治思想研究に始まる。主な著書には、
『デモクラシーを生きる――トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社, 1998年)
『政治哲学へ――現代フランスとの対話』(東京大学出版会, 2004年)
『トクヴィル――平等と不平等の理論家』(講談社[講談社選書メチエ], 2007年) この著書に対して2007年サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞した。
『 希望学1,4』(東京大学出版会)
本書は著者のテキスト読みから成り立っているような書き方である。4章と各3節から構成され、各節は3つほどのテキストからテーマや問題提起を行なうというやり方で進める。人の意見を断りなしに拝借してくるより、いちいちテキストを出してくるところが好感が持てる。
(つづく)


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