ブログ 「ごまめの歯軋り」

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小林秀雄全集第9巻「文芸批評の行方」より「文芸批評の行方」

2006年12月18日 | 書評
「文芸批評の行方」

小林氏は文芸作品対批評という図式から批評の従属関係や理論のなさを嘆いておられるよだが、私たちにはそんな泣き言に付き合う必要はない。批評たるものがあるとすれば当然対象たる作品がなければなるまい。「近代小説なるものの伝統がわが国では薄弱だから、これが近代文学批評にもその軽薄さと支離滅裂さが付きまとう。文芸批評の伝統がないから岡目八目的批評が横行する。」 こういう情況が今日でも存在するのかどうか。それが厭なら独立して小説なぞは対象にしなければいいのではないだろうか。小林氏が開拓された古典を対象とした独立した評論がそのいい例であろうか。


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