なぜウェット(20221120)
私はウェットしかしない。
もちろんフライ再開時にはドライやルース、アウトリガーも熱心にしていた。
でも今は完全にウェット一辺倒。
なぜか。
私が小6の頃、地元の河川で弟とルアーを投げオオガイ(マルタウグイ)を釣っていた。
使うルアーはダイワ・クルセイダー7gコパー、当時のサクラマス鉄板ルアー。
その日、私はオオガイを数匹釣って、じゃあ弟、これがなかなか釣れない。
ヤキモキしていると、弟が対岸の乱杭沿いに投げて上手く入りリーリング。
「ガッツン!」
突然だった。
ミディアムクラスのロッドがバットから曲がっている。
道糸は2号、それが高切れせんばかりに。
"うわーこれサクラマス!"
瞬間そう思った私は弟のロッドを少し押し下げてしまった。
「切れるぞ」といいながら。
その瞬間、フッとバレてしまった。
今考えるとフックポイントが甘かったんだろう。
でもその時とてつもない気まずさが河原を走った。
"弟のサクラマスを兄のオレがバラした"
その負い目をその後ズッと引きずった。
もちろん弟には私の気持ちは言わなかった、いや、言えなかったけれど。
それを私はまだ引きずり続けている。
"弟のサクラマスを兄のオレがバラした"
もしできることなら、その償いにサクラマスを弟に釣らせたい。
でも弟は今ほとんど釣りをしないし、そもそも地元でサクラマスなど簡単に釣れない。
でも勝手だけれど、その償いをしたい。
しかもできることなら、あまり釣らない弟に指南したい。
"サクラマスはこうやると上手くいくんだ、ああ、良かった釣れたじゃないか!"
なぜならその時はじめて、小6の過ちを私は弟に謝れる機会を得るのだから。
もちろん兄としてのエゴでしかないのだけれど。
私がウェットばかりなのは、たぶんその原体験が一番の核。
もちろんウェットで大物を狙うのだけれど、でもそれはウェットでなくてもよい。
それがなぜ"ウェット"でなければいけないのか。
私は弟にサクラマスを釣らせたい。
あの時失敗したあのサクラマスを。
でも私はルアーを卒業して今はフライしかしない。
その本流サクラマスを狙うならウェット以外ない。
もちろんそんな葛藤を私は弟に微塵もいわない。
たぶんお互い忘れたふりをしている。
でもいつか私は弟にサクラマスを釣らせ、あの日の不手際を謝りたい。
でもそんな日はこないかもしれない。
それでもその日をずっと追い続ける。
それが私のウェットの理由の一つだ。
バックの中を整理(20221120)
西米良村の遠征が先週で終わった。
今週から大分近辺になる。
それでタックルバックの中を整理した。
これまで本流ばかりでティペットはフロロ0.8号以上、チューブ鈎と大鈎ばかり使っていた。
それを管釣り用に大幅入れ替え。
はじめてみると結構時間がかかる。
フライボックスから鈎の差し替え、不要なboxの整理、リールの左右巻替えとバッキングライン追加など。
それでも管釣り用鈎はかなりのボックスが必要で、それを収納するバックも大型になった。
ロッドもシングルハンドの#4で揃え、これからしばらく左手投げの右手巻きしばり。
釣れる釣れないより、まずは左手投げの右手巻きを成立させたい。
よりよい春を目指す、この冬絶対の目標だ。
ブレイデッドラインとフロロリーダーの接着(20221119)
金曜夜にその作業をした。
ブレイデッドラインをメインラインやフロロリーダーへ接着していった。
何本も作業していると瞬間接着剤の「画龍点睛(がりょうてんせい)」を忘れることがある。
接着剤が乾いた頃合いに連結して引っ張るとスッポ抜け、画龍点睛していなかったのだ。
しかたなくその巻を一からやり直し。
"なんてこった"とブツブツいうと奥が得意げに
「やらなければできない」
なんて意味のことをいう。
フロロにブレイデッドを被せる場合、フロロは噛んで凸凹を、被せるブレイデッドはやや長め、がベスト。
引っ張り強度上、タイイングセメントのみは絶対ダメで瞬間接着剤しか使い物にならなかった。
シリコンコートも考えたが所詮リーダー、壊れて破棄するのが前提なので瞬間接着剤処理のみ。
ブレイデッドがほつれないよう断端はスレッド巻き処理したけれど。
PVCのメインラインの断端はブレイデッドよりPVCコートから剥き出したコアをスレッドで縫ってループ作成し新たにPVCフィルム熱溶着するのがベスト。
これだとガイドに干渉しないしメインラインの寿命が尽きるまで使える。
なのでPVCメインラインへのブレイデッド被せは無意味だった。
でもこの作業だけで2時間はかかり、けっこうな仕事量だった。
シリコンコートを気軽に使えれば良いのだけれど、使う間隔が空くとチューブ内で固まってダメになり、つまり一回で一本が無駄になってしまう。
なのでかなり億劫になり、かえってシリコンの持ち腐れから、シリコンを持つ意味があるのかとすら感じてしまう。
シリコンを使うタイミングは本当にない。
なので激安使い切りシリコン、例えば使い切り醤油のような、そんな商品があれば一番良いのだけれど。