アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「辺野古」と「戦争法案」切り離す「協議」は直ちに中止を

2015年09月01日 | 沖縄・辺野古

    

  「ここ沖縄では、安倍政権と対峙する最大の県民課題を取り入れ、『戦争法案廃案!辺野古新基地建設断念!安倍政権退陣!』のスローガンの下、結集した」(「集会アピール」)

 国会12万人包囲に呼応して30日行われた沖縄大行動では、戦争法案阻止と辺野古新基地反対が一体のものとして取り組まれました。戦争法案による集団的自衛権行使で、沖縄が最前線基地になることを考えても、また力を結集して安倍政権を追い詰めるためにも、きわめて重要な視点です。

 ところが、こうした沖縄県民の願いに反して、「辺野古」と「戦争法案」をあえて切り離そうとする動きが続いています。安倍政権と翁長知事の間で行われている「1カ月集中協議」なるものです。

 「政府は、安保法案と辺野古新基地建設問題がつながり、反対運動のうねりが大きくなることを警戒しているに違いない。
 安保法案の審議中に、辺野古新基地建設に関連して翁長雄志知事の『承認取り消し』の判断が示されれば、安倍政権は二つの大きな問題に同時に直面することになり、対応することが困難になる。
 政府が1カ月間、辺野古新基地に関する作業を中断し、集中協議の期間に充てることを県に提案したのはこのためだ」(8月31日付沖縄タイムス社説)

 まさにその通りです。そしてこのことは「集中協議」が決まった時から分かっていたことでした。遅まきながらですが的を射た指摘です。
 問題はそれからです。そこまで指摘しながら、その「協議」に応じて「取り消し」を棚上げし、さらに「協議」の「延長」さえ求めている翁長知事をなぜ批判しないのでしょうか。なぜそんな「集中協議」はただちにやめよと言わないのでしょうか。

 これまで安倍政権との4回の「集中協議」の中で、翁長知事の側から「安保法案(戦争法案)」について触れたことは、ただの1回もありません。まさに安倍政権の思惑通り、「辺野古」と「戦争法案」は完全に切り離されているのです。

 安倍政権は11日にも戦争法案の採決(成立)を強行しようとしています。延びても14日にはいわゆる「60日ルール」なるものが適用できると目論んでいます。
 一方、「集中協議」の終了予定が9日。昨日から始まった「海中調査」が11日まで。翁長氏は少なくとも「海中調査」が終了するまで「取り消し」は行わない意向ですから、「取り消し」は早くて12日以降。まさに戦争法案強行を見届けるような日程ではありませんか。
 8月8日以降の「1カ月休戦」がいかに重大だったか、あらためて浮き彫りになっています(8日には安倍首相が無投票で自民党総裁に再選される見通し)。

 ところがこうして「集中協議」の犯罪的役割が明確になっているにもかかわらず、「沖縄建白書を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」(翁長氏支持母体の1つ)は、なんとその「集中協議」をさらに「1カ月程度延長」することを求める方針だといいます(1日付沖縄タイムス)。
 いったいいつまで安倍政権と「休戦」するつもりでしょうか。いつまで「承認取り消し」を棚上げするつもりでしょうか。

 「戦争法案は、よくよく見ていくと沖縄の歴史の問題と直接関係している。・・・沖縄だからこそ、今こそ戦争法案は絶対に許さないということを心に念じ、頑張っていこう
 30日の集会で高良鉄美実行委員長・憲法普及協会長はこうあいさつしました(31日付琉球新報)。この沖縄の「心」に、連帯したいと思います。

 「辺野古新基地阻止」と「戦争法案廃案」は一体です。それを切り離す「集中協議」なるものは、終了予定(9日)をまたず、直ちに中止すべきです。
 そして、翁長氏に今すぐ「埋め立て承認取り消し」を表明させねばなりません。戦争法案の採決・成立が強行される前に。


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