荻原浩「明日の記憶」読み終わりました☆
図書館で何を読もうか?
・・と本を眺めていたら
このタイトルが目に飛び込んできて!
これにしよう
と読んでみることに^^
このタイトルは映画で知っていたのですが
映画も見たことがなかった。
内容は知っていたのですけど。
若年性アルツハイマーがテーマだということ。
ちょっと
読むのが怖い気もしました。
だけど・・
思い切って読むことに。
読んでみてよかったです
確かに読んでると
辛くなる部分は多いです。
だけど
それだけじゃなく・・
自分が置かれている状況の中で
主人公がどう生きていくか
それを模索していく。
苦しんで・・
もがきながらも・・
病気を少しづつ受け入れて
そして
無くしていく記憶と
自分が
どう向き合っていくのか
その姿に
感動しました
もし・・
自分がこの病気になったら?
こんな風に向き合うことができるだろうか??
実は・・
病名は違いますが
私の父も今認知症になっています。
まだ症状はひどくはないのですが・・
なので
父はどんな気持ちなんだろう?
そんなこともこれを読んで考えました。
自分がしたこと・・
言ったこと・・
それを
忘れてしまう自分。
人から聞かされる
覚えのない
「いったこと」
「したこと」
それを聞いた時。。
どんな気持ちなんだろう?
お酒の量が増えてしまうのは・・
そんな自分から
逃げたいから?
そんなこともいろいろ考えました。
本人・・
そして
家族・・
病気とこれからどうやって向き合うのか?
そんなことが
リアルに伝わってきました。
そして・・
この主人公「佐伯」と
同じ年齢の私。
そこも
なんだか
他人ごととは思えず
自分自身のこれからの人生も考えるきっかけになりました。
広告会社の営業部長「佐伯」
50になり
最近物忘れが始まった・・
歳のせい。
そんな軽い気持ちでいた。
しかし・・
クライアントとの約束を忘れる。。
名前を忘れる。。
なんだかおかしい。。
そう思いながらも
「疲れているせい?」
「歳のせい?」
そう思いこもうとしていた。
不眠・・
めまい・・
頭痛・・
物忘れ・・
妻「枝実子」の勧めもあり
鬱病に症状かもしれないと
精神科を受診する。
そこで検査を受け
その結果
想像していなかった病名を告げられる
若年性アルツハイマー
その病名に
佐伯は愕然とする。
なぜ自分が?
実は
佐伯の亡くなった父も
アルツハイマーだった。
母や兄夫婦が面倒を見ていたが
佐伯もその症状は知っていた。
自分も父のように?
アルツハイマーは発症してから
平均5年ぐらいの寿命だといわれているらしい。
自分も長くは生きられない。
その間には・・
自分が自分でなくなってく。
記憶を失くし・・
壊れていく自分・・
そんな自分を想像したくなかった。
自分はまだ働ける!
医者には職場に病気のことを話すように言われていた。
しかし
それはできなかった。
部下たちに
気づかれないように・・
大量のメモを取り持ち歩く佐伯。
自分では気づかれずに上手くやっているつもりだった。
しかし
その行動は・・
「おかしい」と思われてたらしい。
佐伯の足を引っ張る者が
上司に佐伯の病気を報告。
佐伯は早期退職を迫られる。
しかし
佐伯は辞めるわけにはいかなかった。
一人娘の梨恵の結婚式が近づいていたから。
今の肩書きのまま・・
それが終わるまではいたかった。
佐伯は資料室に移動となる。
それでも
会社を辞めずに
結婚式を終わるまでいることができた。
症状はだんだん悪くなっていく・・
しかし
佐伯の病気に対する姿勢は
穏やかになっていく。
病気と戦う・・というよりは
病気を受け入れて
自分にできること・・
したいと思うこと・・
それをやっていこうとする。
自分が病気になって初めて解ること☆
人生を味わうこと☆
そして
大切な人が傍に寄り添ってくれること☆
最後のシーンは
夫婦っていいなぁ~
そんな風に気持ちが暖かくなります。
佐伯は
記憶が消えても、私が過ごしてきた日々が消えるわけじゃない。
私が失った記憶は、私と同じ日々を過ごしてきた人たちの中に残ってる。
と思う。
それがすごく印象的でした。
今日を
今を
大事に生きる
それを教えてもらったような気がします