東北屈指の名山・鳥海山の東に位置し、秋田県と山形県境のほぼ中央部には、標高1000m前後の山々を連ねる丁岳山地があり、その主峰が丁岳(ひのとだけ)である。激しい浸食によって、多くの奇岩が積み重なり、秋田県側の山麓から見るとどっしりとした重量感のあるドーム型をしている。ブナを中心とした天然林や亜高山性植物が豊富で、秋田県の自然環境保全地域や、山形県の加無山県立自然公園に指定されている。
「ヒノト」の由来は、十干の1つで「丙=火の兄」(鳥海山)に対する「丁=火の弟」の意味をもつとの説と、山頂が平坦で丁の字のように見えるからとの二説がある。
長期予報では、今日が雨で、明日が晴れだった。しかし、昨日確かめたら、今日は雨の心配はなく、明日が雨に変わっていた。
今年登った方のヤマレコの記録を見ると、登山口までの道が工事中で大きく迂回したとあるので、昨夕に下見に入った。確かに、通行止めになっているが、どこにも迂回路等の表示がない。手前の集落に戻って、歩いているお爺さんに聞いたら、通行止めの手前の林道を道なりに進むと良いと、丁寧に教えてくれた。その通り進むと途中に分岐もあったが、右へ右へ進むと登山口へ着くことができた。
下見からもどって、一番近い由利本荘市の道の駅清水の里鳥海郷に泊まった。前にも一度泊まったことがある。
登山コースは、直登・中道・縦走の3コースがあるが、一般的な直登コースを往復した。
〈登り〉6:00登山口~8:10頂上(2時間10分)、頂上休憩30分、〈下り〉8:40頂上~10:15登山口(1時間35分)
朝起きたら、雲が薄く、ところどころに青空も見える。5時過ぎに道の駅を発ち、昨夕の下見をしておいた長い林道を走る。
途中から目指す丁岳が見えた(トップ画像)。俄然登行意欲が湧く。
登山口には、「この先の橋が落ちていて登山道は通行できません」と書かれた看板が立っている。スパイク長靴なら、どこか渡れるところがあるだろうと、下っていく。
確かに橋は崩壊していた。そこは深くて渡れないが、少し下流の方に浅瀬があり、長靴で渡ることができた。登山靴なら、脱いで渡るしかなさそうだ。
このあと、ブナ林の尾根が続く。やせ尾根のゆえに、ジグを切ることもできず、ひたすら我慢の急登が続く。しかし、歩き込まれているので足元は良い。
「滝見台」から荒倉滝を眺める。
花の少ない山である。目についたのは、このホツツジくらいのものだった。
あちこちのブナの大木に、年月日と名前などが刻み込まれている。本州の山に多いが、昭和20~30年代の物が多い。その頃は学校登山や青年団登山などで盛んに登られていたようだ。
風で枝まま落ちたブナの実
800mを越えると、左手に縦走コースの観音森や萱森のピークが見える。
850mでブナの倒木が被さった小沢を横切る。ここが唯一の水場である。持参した水を捨てて、冷たい水を汲む。
この小沢を渡って、隣の尾根に乗り変えるという珍しいコースである。この尾根もきつかった。
頂上標識がなく、林業関係者が奉納した山神の碑と一等三角点が設置されているだけだった。
周りの木々で、展望はまったくない。縦走路を少し進んで八方という地点が展望が良く、鳥海山も見えるらしいが、白いガスが沸き上がってきて何も見えなかった。
下りの方が、上から眺められるので木の大きさが良くわかる。左はクロベ、右がキタコヨウマツ。
日曜日なのに、今日も誰にも会わなかった。天気予報がころころ変わるし、コロナの関係で登山者も自粛している?一番感染リスクの少ないのが山なのに・・・。
下山後、近くに温泉がないので、猿倉温泉の国民宿舎鳥海荘へ向かった。
途中から、まさに秋田富士・鳥海富士にふさわしい端正な姿を見せてくれた、次に登る予定の鳥海山。
国民宿舎鳥海荘~入浴料310円とはうれしい限り。しかも、クーラーの効いたロビーでのんびりブログを書いた。
次の予定は鳥海山なのだが、明日は雨予報で、明後日は晴れ予報である。この猿倉温泉の奥の矢島口コースを登る予定なので、その下見に向かった。
矢島口登山口には、15:30時点で10数台の車があった。やはり、有名な山は違う。
明日は、酒田市の観光をしたいと考え、カーナビを入れたら、60kmと出た。意外と近いのに驚いた。北海道の感覚ではもっと遠いと思っていた・・・ということで、そちらに近い道の駅まで走ることにした。