癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

読み始めたイザベラバードの「日本奥地紀行」

2013年12月13日 | 日常生活・つぶやき

 市立中央図書館でイザベラ・バードの『日本奥地紀行』(高梨健吉訳・平凡社)を借りてきた。まだ横浜に到着して、東京に滞在した後、日光までの旅の部分(全体の1/5ほど)までしか読んでいないが、非常に面白い。

 先入観のまったくないイギリス人女性の眼で、明治11年当時の日本の様子をきめ細かく観察し、表現していることが凄い。当時の日本人がいくら詳しく書いても敵わないであろう。初めて眼にした日本というすべてが新鮮で、興味の対象であり、驚きの連続だからである。何より凄いのは、きめ細かな観察力だ。当時の人々のくらしの様子、風俗、文化、建物、集落などなど・・・まさに社会学的観察記録を読んでいるようだ。まるで、タイムマシンに乗って、当時の日本を見ているような楽しさがある。

 西洋人はほとんど足を踏み入れていない土地に、イギリス人女性が一人で乗り込むという旅行者というよりは冒険家ともいえる面白さもある。客観的な観察も凄いが、妹宛の手紙として記述されているので、遠慮のない主観を交えての観察や感想がまた面白い。

 例えば、浅草の浅草寺や日光東照宮の描写などは、よくそのようなところまで目が向くものだと思うほどきめ細かな観察や描写の緻密さと文章表現に感心してしまう。また、旅の途中で出会ういろいろな階層の日本人の観察も面白い。 この後、益々冒険的要素が強くなってくるはずの東北の旅、そして、津軽海峡を越えて函館に入り、アイヌの人たちの多く住む平取までの旅で、当時の函館や北海道がどのように描かれているのか非常に楽しみになってきた。楽しみながら、チビチビ読み進めて行くつもりだ。