癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

ニチロビルとカフェ&デリまるせん

2013年12月06日 | レトロ建築・古民家カフェ

 大手町にある一見して特徴があまりなさそうなニチロビル。しかし、かつて、函館がもっとも繁栄した時代を支えた北洋漁業の覇者として君臨し、世界最大の水産会社とも呼ばれたニチロ(旧日露漁業株式会社、現株式会社マルハニチロホールディングス)の当時の本社ビルである。戦前の函館最大オフィスビルだった。
 
 昭和4(1929)年竣工の1号館(現存せず、現在の函館国際ホテル)から始まり、昭和9(1934)年竣工の2号館、そして昭和13(1938)年には、戦後HBCホールとして親しまれた大講堂を持つ3号館という三つの巨大ビルディングを完成させた。

 2号館1階のアーチ窓のデザインなどに昭和初期らしいモダンさも見られる。また、外壁には茶色のペンキが塗られているが、当時は薄黄色などカラフルなタイルが張られ、とても派手な装いだったようだ。

 このニチロビルは、日本最初のコンクリート寺院である東本願寺函館別院、旧丸井今井百貨店(現在のまちセンの前身)、百十三銀行(現在のSEC電算センタービル)、元町カトリック教会など、名だたる鉄筋コンクリート建築物を手がけた木田保造の施工によるものだ。

 実は、自分が子供の頃、生まれて初めて映画を見たのは、現存する3号館(右側のビル)の4階にあったHBCホールのような気がする。当時、父に連れられて、ここでよく見た映画はチャップリンの無声映画だったと思うのだが・・・?
               ↓

他サイトから借用

カフェ&デリ マルセン 
 この北洋漁業全盛期の函館の象徴でもあるビル2号館1階に、この11月1日、湯川町3の「カフェまるせん」が移転し、「カフェ&デリ マルセン」として開業した。

 昨日、箱館歴史散歩の会の後、内部を見たくて、昼食がてら寄ってみた。 カフェが入居した1階は事務所として使われていたが、高い天井には板が張られ、室内は壁で分割されたとのこと。

 まず着手したのは、ビルを建設当時の姿に戻す作業。後付けされた天井板をはがすと、しっくいの装飾が現れ、北洋漁業の全盛期を物語る、威風堂々とした内観がよみがえった。ビルの物置にしまわれていた家具も一部再利用しているらしい。室内には昭和初期のモダンな雰囲気が漂う。












十五穀米の「ごはんプレート」コーヒー付き(960円)
多くの新鮮な野菜が食べられ、とてもヘルシーな感じだ。もちろん味も最高!



ニチロビルの一筋北側に建つ「函館大手町ハウス」

 大正7年に浅野セメント株式会社函館営業所として建てられた。
3連アーチの玄関や塔屋の装飾はヨーロッパ建築を思わせる。