つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

秋彼岸

2023年09月23日 | 日記・エッセイ・コラム
この高岳の店に移転したのがちょうど9年前の夏のことでした。

移転後は新しい店のホームページを作成するためにいくつかの無料作成サイトを利用しましたが、ほぼ完成!という段になってページがすべて失われしまったり大変苦労をし、結局有料のサイトを利用して始めから作成、今の形に安定をしました。

当店にいらしていただけないお客様にもお楽しみいただけるようにとブログつれづれとのリンクを貼ったり、私なりの工夫をさせていただいて参りましたが、それにしてもお借りしているクラウドの容量がとても大きく、ホームページの運営だけのための経費としては高価すぎるなぁと感じ、このほど見直しをさせていただいています。

先日、久しぶりに無料のホームページ作成サイトを調べさせていただきましたが、私は浦島太郎??と思うほど、その内容の充実度が増し、しかも入力作業も簡単になっていて大変驚きました。


上の画像は、今のホームページで使わせていただいている当店を裏側から(このビルの大家さんでいらっしゃる高岳院コウガクインさんのお庭から)撮影した写真です。

撮影した時のことを懐かしく思いながら見ていると、ふと、当時の当店の所有の作品たちも見えることに気づきました。



おわかりになるでしょうか?

大きな楕円の中の作品は、いまでもお通いの皆様がよく「あれは買っておくべきだった」とおっしゃってくださる印象の抽象画です。

小さな円の中の作品は額が裏をむいていますが、これは間違いなく上田薫のなま玉子!本棚のほうの四角の中の作品は、島田章三の縫物をする婦人像です。

お客様のもとに嫁いだ作品ばかりですが、扱わせていただいた作品はかなり鮮明に覚えているものだと少し自信を取り戻しました。

ホームページを移動させてしまうとこの画像だけは残すことができず消えてしまうことになることがわかり、がっかりしましたが、形は失っても記憶にのこること、或いは記憶さえ失っても心と体、大袈裟にいえば細胞に刻まれることがあるのではないか?と思い直しました。



佐橋が他界してから、このブログのアクセス数がとても多くなりました。
以前からここにお立ち寄りくださる方々のほかに、佐橋のお友達、私のお友達が私たちを心配くださってちょくちょく覗いてくださっているのかもしれません。

「できることがあったら何でも言ってね」と、みなさまから温かいお言葉をこの四か月近くの間にたくさんいただきました。ご心配をおかけしていることを申し訳なく思う気持ち、本当に何かあれば助けていただけるだろうという感謝の気持ちでいっぱいになりますが、私自身がまず何をどうしたらよいのか?わからないままの日々を過ごしていましたし、今もそのような状態ですのでなかなかみなさんにご連絡を差し上げることもできません。

どこにいても、何をしていても、佐橋のことが思い出され辛いと思ってしまう日々に
それでも、こうして毎日店に通い、お客様方とお話をさせていただいたり、佐橋の残した仕事を片付けようと必死になっているのはきっと私の細胞の中に佐橋の記憶が刻まれているからだと思います。

そして、少し時間がかかるかもしれませんが、私の中の佐橋がきっと私に笑顔の多い日々を取り戻してくれるだろうと思っています。

このブログの中にも佐橋の言葉が沢山残っています。
それを頼りに作品と向き合い、またブログを書かせていただこうと思います。











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