つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

2024年09月03日 | 日記・エッセイ・コラム
台風10号が消滅しました。樹齢3000年の屋久杉が倒されたり、各地に被害が及んでいるようです。


知れば胸を痛める事件や事故、災害が多く、この頃はネットニュースさえ見なくなりましたが、台風が去ったあとだというのに、なんだかボン!と空気が淀み、蒸し暑いこの数日を過ごしていると「人間はこのままで大丈夫なのだろうか?」と勝手な心配を始めてしまいます。

それでも、夜、1人で湯船に浸かっていると確かに虫の音が聞こえてきて、「どんなに暑くてももう蝉は鳴かないのだろう」
「秋の虫たちが鳴いているのだから、どんなに暑くても秋なのだろう」と思えてくるのです。

もしかしたら台風が人間など相手にもせず、他の生き物たちに何か季節の合図のようなものを伝えているのかもしれません。






「虫の音は日本人にしか聞こえないらしいですよ。」と昨日お野菜を買いに出かけたお店のご主人が教えてくださいました。

初めて知ったことなので、とても感動してネットで調べてみると、本当に日本人と僅かな国の人にしか虫の音は聞こえないそうです。
虫の音が雑音に聞こえるのだとありました。

虫の音が聞こえないなんてなんて悲しいことだろうと思い、虫の音が聞こえなかったから、秋のあの美しい月をどうやって愛でるのだろうか?あぁ〜月も愛でないのかぁ??と頭の中が混乱し始めました。


そして、虫の音が雑音に聞こえる外国の方達にやはり日本画を本当にご理解いただくことは難しいのではないか?
もしかしたら、いずれ日本人も虫の音が聞こえなくなるのだろうか?となんとも言えない不安な気持ちになりました。


だからこそ今、私たちに虫の音が聞こえるうちに、秋の絵を皆様にご覧いただきたいと思いました。

当店の秋の作品も随分少なくなりましたが、また少しブログに取り上げさせていただこうと思います。

もっと歳を重ねて〜さらに耳が遠くなって〜嫌なことは聞こえなくなって好都合になっても〜虫の音だけは命ある限り聞きたい、感じていたいなぁと今つくづく思っています。













コメント
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