つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

堂本印象について

2023年02月01日 | 堂本印象
昨日も寒く、お天気も今ひとつで周りが暗く感じられたからでしょうか?



印象の晴雪がとても明るく、美しく感じられました。





「椿に想う」という記事を思いがけず多くの方にお読みいただきました。

丁度お休みをいただいていたので、珍しく佐橋がコメントを残してくれました。

人物画だけでなく、花鳥や風景画にも、良い作品には古径や華岳の作品のように「間」「気の塊」が感じられるというような内容でした。

私たちはお休みにも絵のことばかり話しています。

時々、そんな時に親しくしてくださる画商さんからご連絡をいただくと、2人で当たりを見回し「どこかで聞かれている??」と驚くこともあるほどです。


私の質問に対する佐橋の答えは

古径は駄作が極端に少ない画家だ

華岳は早く他界してしまったので作品数も多くない

その中には出来の良いもの、そうでも無いものもあるだろうけれど、紙の隅に簡単に描かれた作品或いは書でも「華岳の香り」が十分に感じられるものもあるので、普通の画家に比べたら「気や情」を感じられない作品は極端に少ないだろう


そして、印象については


堂本印象の多彩性は「日本のピカソ」とも言うべきもので、京都の琳派を始めとする各派を網羅し、仏画、花鳥画、西洋の印象派的風景画、新古典主義による人物画や群像、抽象画などそのすべてにおいて類稀なる制作を全うした

現代の我々はその多彩さに惑わされ、彼を正しく評価出来ていない

見直されるべき最右翼の作家と言える



昨年末、2人で京都に出かけたのはホテルの窓から魁夷の「年暮る」の風景を探す為だけではなく、主には京都府立堂本印象美術館さんに伺う為でした。










企画展目当てというより、この美術館自体に伺いたいと思いました。


全ての設えに堂本印象が関わり、まさに「人、堂本印象」を感じられる美術館さんです。











決して大きな美術館さんではありませんが、ゆっくりとした時間の流れ、そして印象という画家の愛全部に包まれて、清々しい気持ちになりました。

私達は今あちらこちらに動くことができず、せっかく京都に行っても一般的な旅らしさを味わうことはありませんが、それでもとても心地よい満足が得られました。





「この館は、神仏や善意に充ちた多くの人びとからの贈り物である」


この印象の言葉が全てであろうと思えました。












どこまで追いかけられるかはわかりませんが、佐橋美術店にももう少し、印象の愛を充してみたいと思っています。

古径や華岳の愛が「陽」
内に向くエネルギーに満ちるなら

印象の愛は「陰」
外へ外へ、拡散のエネルギーに満ちる作品であると、今の私は感じています。











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