つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

秋に 二つ目

2019年09月16日 | 日記・エッセイ・コラム
生まれてこのかた沢山の茄子を食して参りました。名古屋の父母も畑を持って毎年沢山の茄子を育てていましたので、夏は茄子ばかりいただいていました。

でも、maho さんのお父様の作られた茄子は絶品、特別な美味しさです。家庭菜園を始められてから間もないはずなのに、何故かお味が違うのです。




今回は皮を少しむかせていただいて蒸し、生姜醤油であっさりと頂きました。

甘い‼︎

佐橋と二人で一皿、あっという間に片付けました。


生まれてこのかた沢山の茄子の絵を見てきました。御舟、青樹、土牛にもあったように思います。8月のカレンダーには




蓬春の茄子です。

けれど、やはり


茄子の自然の美しい色はなかなか出せないのですね。

しかも中身の甘さまで描ける画家は稀有です。

昨日見た守一の茄子はその域に最も近く描かれていたように思えます。(カタログから後日ここに画像を掲載させていただきますね)






ま、茄子の味まで表現するという事は、茄子は食べ物と決めつけてしまい、茄子本来の美から遠ざかってしまうことになるのでしょうけれど。


絵を沢山見るという事は、何を見ても美しいと感じる眼を養うということではないでしょうか?

茄子の本当の美しさ。
それを最も深く感じた画家が、最も美しい茄子を描き、茄子の本当の美しさを知るものだけがその美しさを感得できるのです。


今日の茄子はどんな茄子で、奥さまはどんな風に調理されたのでしょうか?茄子は少し冷蔵庫に長く居た?料理のお味は少し塩辛い?奥さまは疲れていらっしゃる?


普段お仕事以外はシャットダウンさせてしまわれるお心を少しだけ開いていただけると、案外美しい物は身近に溢れ、その美しさを見つける事によって幸せが近づき、より美術品鑑賞の目が深まる。

そういうこともあるのではないかなと思っています。







この美味しい茄子を今回はお父さまとお母さまがお二人でお届けくださいました。



自分の子宮筋腫の手術の際、麻酔が効きすぎて大変苦労をしてしまったので、私は今回Mahoさんの入院しての抜歯がとても心配になってしまいました。それでも、ただ無事を祈っているしかなく、、「なんともオロオロ情けない姑だなぁ」と自分で恥ずかしくなっていたところでした。


Mahoさんのお母さまのYumikoさんとはちょくちょくメール交換をさせて頂きますが、お会いするのは息子達の結婚式以来です。

今回お会いして直ぐにYumikoさんは

「夏美さん、Mahoの抜歯が無事に終わりました。ずっと無事を祈ってくださってありがとうございました」とおっしゃってくださいました。

私はとても深く癒された思いがしました。
私からの「無事を祈っています」というメールに応えてのお言葉だと実感できたからです。

そしてこのご夫妻の温かさはあのMahoさんの優しいお心に、そしてきっとこの茄子のお味の秘密にもつながっているのだろうと思えました。


私はやはり家族が一番大切です。そして、その家族と繋がる心を教えてくれるのも
真の美術品だけが宿す真理、美の力だと信じています。

















コメント
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