つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

坂本繁二郎展

2019年09月09日 | おススメの展覧会、美術館訪問
大きな台風が過ぎて行きました。
皆さまには、お障りなく新しい週をお迎えでしょうか?

名古屋はとてもとても蒸し暑く、一ヶ月前のお盆の頃を思い出させる一日となりました。



残念ながら今月16日まで東京練馬区立美術館さんで開催中の没後50年坂本繁二郎展に伺うことができそうにありません。

名古屋からこの展覧会にお出かけになられたお客様が当店にこの展覧会図録をお持ちくださいましたので、この二日間のお休みにゆっくりと作品を拝見することができました。

先日東京からお立ち寄り頂いたお客様も、こちらにお出かけになられたとお聞きし、ご感想もいただきましたので、参考にしながらページをめくらせていただきました。






繁二郎といえば、やはり馬や能面を描いた作品のイメージが強く、作品のうちの「精神性」を高く評価される日本洋画家の1人であると思います。



視力を弱めた画家晩年の月を描いたシリーズは、なんとも言えず美しい作品群で、
これだけの繁二郎作品を一度に鑑賞できる機会は少ないだろう、直接作品を見てみたかったという思いをさらに強くします。






当店でよく扱わせていただく、日本画家徳岡神泉は、繁二郎の作品をこよなく愛し、また繁二郎30歳の時の文章

「自分なる者があっては真の物は未だ認められない。自分を虚にしてはじめて物の存在を認め、認めて初めて真の自分が存在してくる。真の存在の心は一元と脈動した意識である。刹那刹那のみを、自分たり得る心である。強いて説明すれば消滅する心だろう・・。所詮達人の芸術が人心と深き交渉を持つところは、虚の意識或いは一元の意識に接触の境地、又はそれに近い或るものの存在であると思う」

に大変刺激を受けたことを図録から新たに知ることもできました。


やはり坂本繁二郎は、60年以上に及び、長い画業をコツコツと歩み、志高く「無限」を求め続けた画家と言えるように感じます。

ただ、一つ、当店では、まだ坂本作品を本格的に扱わせて頂いたことがありませんので、なんともきちんとはお伝えできないのですが、

私自身が若い頃、というよりつい最近まで

坂本を語る時、必ず同時に語られる青木繁の作品の「センチメンタル」を嫌い、どこか強く坂本作品への憧れを持っていた気がするのですが、いよいよ今の年齢になってみますと、青木繁のセンチメンタル、青くささ、その青くささをも超えるあのセンス、鋭い才能をなんとも可愛い?愛おしく思え、坂本作品への想いが少し薄れているのに気づくのです。




青木繁を支え続けた坂本のこの作品に青木は勝手に手を加え、坂本をとても怒らせたというエピソードが掲載されていましたが、そしてこのご覧の作品は、坂本が描きなおしたといわれているそうですが、
この人参の赤さを見る時、やはり坂本にどこか鈍さを感じてしまうのは、私だけでしょうか?

作品や画家への思いは、年々変化していくものであるとこの頃つくづくと感じます。
そして、坂本が30歳時に述べたように、その変化を否定しないことも自己の消滅への第一歩であるように今は感じています。













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ちょっとやりすぎちゃったかな? フォトチャンネルのご案内

2019年09月09日 | 看板犬
ボストンテリアのモノちゃんの近影です。

モノちゃんは女の子。生後半年を過ぎてこの夏手術を受けました。






このピンクのお洋服は傷を保護する為の物だそうです。

お腹の傷が癒えないうちに、今度は一番大好きなご主人さまが親知らずの抜歯の為に2日間お家を留守にする事がわかり(気配を感じるのだろうと思うのです)

きっと痛くて、寂しくて、つい





こんな事もしてしまったのだと思います。



そして



ちょっとやりすぎちゃったかな?のお顔。


このお顔にこのタイトルを付けたのは、私ではなく、モノちゃんのご主人さま=maho さんである事が、モノちゃんにとって唯一の救いだろうと思えます。



ご主人さまも無事にお家に戻り🏠モノちゃんは元気に過ごしているようですが、なんとモノちゃんはこのピンクの服を勝手に脱いでしまって、傷を舐めてしまうので、こちらの「抜糸」が延期になってしまったそうです。

動物病院の先生が「この服を自分で脱いじゃう子は初めてだ💦」とおっしゃっていたとも聞きました😆



人がわんちゃんと暮らす苦労、
わんちゃんが人と暮らす苦労。



共に苦労を乗り越えてこその、愛情交換なのだと学びます。




最後に作家中野孝次さんの文章ご紹介くださっていたサイトからお借りした文章をご紹介させて頂きます。


犬を飼っていたところで特別のことがあるわけではない。

それどころか、毎日の食事の世話とか、病気の心配とか、朝夕の散歩など、厄介なことの方が多いのだが、それでも私と妻が三十年も犬と共に暮らし続けてきたのは、犬というものが我が家にいることが、なんともいえぬ心の喜びを与えてくれるからであった。

それは一言で言えば、こちらの愛したいという本能を呼び起こす生きものがそこにいて、愛を受けとめ、向こうもまた正価でそれに応じる。そのへんの心の通いあいが何ともいえずいいということになる。人間どうしではなかなかそうはいかないのだ。」







PC版でこのブログをご覧くださる皆さまには、左下のフォトチャンネルから当店の店内の様子とモノちゃんの画像をご覧頂けるように致しました。






皆さまからの画像もお分けいただきたく存じます。共にお暮らしの美術品やご所蔵品、設えのご様子やわんちゃん、猫ちゃん、植物の画像を是非お送りくださいませ。ブログ掲載お断りの際は、画像をお送りくださる際にその旨を一言お伝えくださいましたら、決して他にはお見せせずに私一人で楽しませて頂きますので、どうぞ安心して「美しいもの拝見願望」の強い私への励ましをお願い申し上げます。









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