トルコのトピックス

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国外に住むトルコ人も投票できるようになった

2014年05月27日 | 国内
5月28日 国外に住むトルコ市民も投票できるようになりました。選挙日に国外の大使館・領事館が混み合うのを懸念して、当局は投票所を増やすことを検討中です。
先週、エルドアン首相はドイツのコロンで何千人ものトルコ市民に演説しましたが、この演説は実質的に大統領選の国外キャンペーンの皮きりとなりました。

 Sabah

大統領選の候補者はまだわかりませんが、エルドアン首相が立候補することは確かでしょう。
2012年にトルコの法律が改正され、国外に住むトルコ市民も選挙に一票を投じられるようになりました。
この改正のおかげで、270万人のトルコ市民が54か国、2392か所の投票所で投票できることになりました。

国外のトルコ人有権者が最も多いのはヨーロッパです。推定によると、ドイツだけで140万人の有権者がいます。フランス30万人、オランダ25万人、ベルギー13万人、オーストリア10万人。
ドイツの票数だけで、トルコ第5の都市アダナの票数に匹敵します。国外の票数はトルコの全票数の5.5%になります。国外票は選挙結果に大きく影響します。

エルドアン首相はこれからドイツ、オランダ、フランス、オーストリアの都市を選挙キャンペーンの一環として訪れるでしょう。
以前の選挙では、国外のトルコ市民は投票のために帰国しなければなりませんでしたから、前回の選挙では国外トルコ人の7%が投票しただけでした。

法律の改正で、国外在住者の票数は増えるでしょうが、期待し過ぎる候補者は失望するかもしれません。オランダでは先週の欧州議会選で投票したのは有権者の37%に過ぎませんでした。問題は国外有権者が投票に行くかどうかです。

Sabah

「はい、私たちも投票できるようになったのは知っています。投票日になにか大事なことがなかったら投票に行きます」と、オランダ第2の都市ロッテルダムの商店主ハッキ・セヴィネさんは言いました。
トルコの政治に注目している港湾労働者のアフメト・オズテュルクさんんは「今度の選挙では、私は絶対エルドアンに入れます。故郷に帰るたびに、発展していくトルコを見て、私はエルドアンが大統領としてもっとやってくれると信じています」

退職労働者ハカン・オズさんは、こんな指摘をしました。「投票するならエルドアンに入れますが、ほんとを言うと、領事館で長い行列に並びたくないですね」
トルコ当局は投票所としてスポーツ施設か学校の使用を検討しているそうです。ヨーロッパのトルコ大使館・領事館は大勢の人を収容できません。

「私たちも投票できるようになったと聞いていますが、詳細は知りません。チラシを配って情報を提供すれば、みなもっと選挙に関心を持つでしょう」とユルマズさんは言いました。
エルドアン首相はヨーロッパ在住のトルコ市民の強い支持を得ています。


   オスマン・スルタンのトゥーラ(署名)もトルコの大切な文化遺産

公的な建物にオスマン帝国のスルタンの署名(トゥーラ)その他、皇室の紋章などを正式に再設置する草案が議会を通過しました。
公的建物に表示されているスルタンの署名やオスマンの紋章、碑文、献辞は博物館に収めなければならないと規定された1927年の法律は無効になりました。

 Hurriyet
 
イスタンブール大学の門の上部。右が修復され再設置されたトゥーラ、左が修復中、
掲げられていたT.C.の文字


文化省が除去した署名や紋章等を修復、保存、再設置することになりました。
1927年のこの法律は、1922年のオスマン・スルタンの廃位後の共和国の初期にできたもので、当時の他のいくつかの法律同様、何十年も有名無実でした。事実、歴史的建物のトゥーラは除去されず、修復保存されてきました。その一例がイスタンブール大学の門のトゥーラです。

1453年に建てられたイスタンブール大学の門のスルタン・アブドゥルアジズのトゥーラは、修復のため除去され、10か月間、T.C.(トルコ共和国)の文字に変わっていましたが、最近修復されたトゥーラが再設置されました。

・・・共和国誕生当時は、オスマン帝国の痕跡は除去したかったのでしょうが、いまはオスマンの遺産こそトルコの大切な財産と考える時代ですから。


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ソマ社が経営する炭鉱の操業中止

2014年05月27日 | 国内
5月27日 労働検視官が「ソマ炭鉱株式会社」の経営するアタバジャス炭鉱の操業を中止するよう命じたと、月曜、ソマ区のバハッティン・アトチュ長官が言いました。5月13日のソマ社の炭鉱事故で301人が亡くなっています。

 Sabah

トルコ国営炭鉱社の下の地方炭鉱公社のビルの前に集まった鉱夫たちの群れに、アトチュ長官は「他社経営の炭鉱も含めて、この地域の炭鉱はすべて徹底的に検査される」と語りました。
「もしなにか欠陥か不注意は発見されたら、営業許可は取り消され、操業はただちにストップされます」

5月13日、ソマで起こったトルコ史上最悪の炭鉱災害は301人の鉱夫の命を奪いました。


イスタンブール警察がオクメイダヌ手入れで38人を拘束

先週の激しい反政府プロテストの舞台となったオクメイダヌを含むイスタンブールの3地区で、警察が早朝の手入れを行い、少なくとも38人が拘束されました。
ヘリコプターも出動した特別チームなど警察隊が月曜、オクメイダヌ地区に非常線を張り、2人の死者を出した警察との衝突に関与した容疑者たちを拘束しました。

 Sabah

爆発物が見つかった
拘留された中の5人は18歳以下だそうです。機動隊と特別作戦チームの手入れで、デモで使用するためのものと思われる火炎瓶や爆発物を押収しました。
放水車TOMAが待機し、オクメイダヌ周辺は緊張に包まれました。

憲兵隊による負傷者
最近のプロテストで2人が死亡し、数人が負傷しました。
ウーウル・クルトさん(30)は木曜午後、プロテスト活動が行われたそばのジェムエヴィで葬儀に列席していて、流れ弾を頭に受け、病院に運ばれて死亡しました。
アイハン・ユルマズさん(42)は23日、警察とプロテスターの衝突中、憲兵隊によって負傷し死亡しました。

デモ参加者たちは、301人が死んだソマ炭鉱の悲劇と、イスタンブールの十代の少年ベルキン・エルヴァン君の死に抗議していました。
エルヴァン君は昨年、イスタンブールのゲジ公園プロテスト中、催涙ガスの円筒弾が頭に当たって269日の昏睡の後、3月に亡くなりました。

・・・オクメイダヌはイスタンブールのアレヴィが多く住む地域ですが,先週、警察とプロテスターの衝突で死者が出たため、緊張が高まっています。(アレヴィについては、昨日の頁参照)


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トルコ経由でヨーロッパをめざす違法移民たちは跡を絶たない

2014年05月27日 | 国際
5月26日 トルコ沿岸警備隊は昨日、シリアからの8人の違法移民と、彼らをギリシャへ運ぼうとしていた船長を捕らえました。
沿岸警備隊はトルコ南西部ボドゥルムの近くをパトロール中、怪しい小舟を見つけて、止めさせました。船がボドゥルムからギリシャのコス島へ向かっていることは明白でした。

 Sabah

警察署で調書を取られた後、違法移民たちは南西部ムーラ県警察の外国人事務所に送られ国外追放になります。拘束された船長は裁判所へ送られます。

昨日、イランと国境を接する東部のウードゥルでは、130人の遺法移民が拘束されました。
憲兵たと警察が中部ウードゥルとイラン国境近くの地域で作戦中、移民たちを発見しました。
拘束されたのは、50人のパキスタン人、61人のアフガン人、7人のソマリア人、12人のバングラディシュ人らです。

過去5か月間で、この地方で捕まった違法難民は904人に達しました。
ヨーロッパをめざす違法難民の中継点であるトルコは、12月、トルコ経由でヨーロッパに入ろうとする不法移民の送還を認めるEUとの協定に調印しています。


アレヴィたちが差別反対のデモ

イスタンブールのアレヴィが多く住む地域オクメイダンヌで、先週、警察と反政府プロテスターの衝突があり、2人の死者が出たため、アレヴィの抗議活動が高まってきています。
5月25日、トルコ中で何千人のアレヴィたちがデモを行い、イスタンブールの2人の死を悼み、差別撤廃を要求しました。

Hurriyet

デモはイスタンブール、アンカラ、アダナ、イズミル、ディヤルバクルなどの諸都市で行われました。アレヴィ文化協会のドーアン・デミル会長は、エルドアン首相の侮辱的なことばに抗議しました。「われわれの信仰とジェムエヴィ(祈りの場)への攻撃をやめてくれ」とデミル会長は言いました。

ウーウル・クルトさんとアイハン・ユルマズさんは先週、オクメイダンヌでの警察と反政府プロテスターの衝突中に、死亡しました。イスタンブールのオクメイダンヌはアレヴィが多く住む地域です。
クルトさんは22日、ジェムエヴィでの葬儀に出席中に弾丸に当たって亡くなりました。デミル会長は「この殺人は計画的で、許しがたい」と言っています。「われわれは犯人を知っている。われわれは警察の権力に“アレヴィから手を引け”と警告する」

Sabah

エルドアン首相はクルトさん(30)の家族に電話し、父親のケマル・クルトさんに哀悼の意を伝えました。父親は、息子は反政府活動に関係していなかったと確信しています。
エルドアン首相は、政府はこのケースをフォローし、あらゆる手段を用いて事件を明白にすると誓いました。

もう1人の犠牲者アイハン・ユルマズさんは5月22日から23日の激しい衝突中、手榴弾の爆発で負傷し死亡しました。
ジェミル・チチェキ国会議長は25日、クルトさんとユルマズさんの家族に電話で弔意を伝えました

・・・アレヴィは独特の教義や儀式、習慣を持ったムスリムで、アリーを信奉する点でシーア派ともいわれますが、その他の点ではシーア派とは言えません。モスクに行かず、断食もメッカ巡礼もしませんが、ジェムエヴィという集会所に集まって、男女ともに踊る独特の儀式を行います。トルコ人の10~20%はアレヴィとも言われます。


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