嶋津隆文オフィシャルブログ

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藤森照信設計の縄文風&中世風の美術館を訪ねる

2014年05月12日 | Weblog

写真:「秋野不矩美術館」

連休の最終日のこと。積み重なった疲れを取り除きたいと思っていたはずが、そうはならず。以前から一度は訪れてみたいと考えていた藤森照信さん設計の美術館を見たいとの思いに抗いがたく、雨のなか、車で天竜川に向かいました。

田原から浜松、そして天竜川沿いに上ること2時間30分。二俣の町の小高い丘にこの秋野不矩(あきのふく)美術館はあります。雨に濡れた緑のなかから少しずつ姿を現してくる美術館。それは縄文の砦のようでもあり、ヨーロッパ中世の城のようでもありました。

その建物のマカ不思議さは、いかにも「ザ・藤森照信」。いやいやまたしてもヤラレマシタという感じです。

建築史家とはいえ藤森さんが設計をして建築学会賞をとったのは国分寺市にある自宅=タンポポハウス。過日、藤森夫妻らと食事をした折、美知子夫人がこう言って苦笑していましたっけ。「タンポポハウスと言いながら、屋根のタンポポはもうすっかり飛んで行ってしまって、残ってないんです」。一年草のタンポポは風に吹かれて飛んでいけば、それっきりなのです。「またまた集めて植えるのも水をやるのも面倒なので、もうそのままですよ」と。

こうした「大らかさ」を是とするところに、縄文人藤森さんの魅力があると言えるのでしょう。そんな思い出と重なり、秋野不矩美術館には改めて「藤森ワールド」的春風駘蕩の風情を味わわされたというものです。


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