Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

日曜の朝は木工

2013-07-14 23:33:40 | 木工 (Woodworking)
日曜は朝から近所にある Woodshop (木工工房)へ。去年初めて木工のクラスを取って以来、メンバーシップを購入したのでいつでも気軽に工房を使えます。


制作途中の引き出し2つ。

木工ってほんと手順が大切。それと採寸も。自分で設計して考えながらつくってるので、間違えたり非効率なことしたり、ほんとヒヤヒヤです。


例)重大なミスに気付かずここまでやってから、「ガーン!間違えてる!」と気付いておじゃんになった引き出し。

ただ木工のおもしろいところは、自分の間違いをいかに隠すかを考えられるところ。ただしい方法はひとつじゃなくて、同じ成果物に対して、これがダメならあっちの方法、あれがダメだったらこれでやってみる等いろんな方法があるのがおもしろい。だからミスっても、それを補う手段がたいがいはあるのよね。あとはそれが自分の美的センスに沿っているかどうか。

この失敗引き出しは最初にしたミスを取り繕うとして色々手を加えてるうちに、後戻りできないミスをおかしてしまった例だけど。。改善しようとして悪化させてしまったからよけいにショック。

木工始めたばかりの頃は、ミスしたらいつまでもぐじぐじと引きずって、仕上がっても「ここがうまく出来なかったのよねー」なんて自分の不出来を披露してたけれど、今はミスもたいがいは取り繕ったり直せたり隠せたりすることを学び、修繕やミス隠しもスキルのうちと思ってます。だからミスしたことなんておくびにも出しません。それにたいていは誰も気付かないんだなぁーこれが。ミスしてもうまく直してそんな出来上がりに対して他人に beautiful! なんて褒められると内心でイヒヒ!と笑ってます。

テーブルソーでキックバックが起こった

2013-06-17 23:19:34 | 木工 (Woodworking)
最近の工房での一コマです。
別の目的で撮られた写真ですがそこに背景としてちゃっかり写り込んでしまった自分。せっかくなので載せておきます。

(小さくて分かりませんが、テープメジャーを手にして何やら頭の中で計算中、といった図)

手前にあるのがテーブルソー。
テーブルソー (table saw) というのは、作業台の中央で丸ノコが回転するマシンのこと。木工作業で最も活躍する花形マシンです。

しかしその反面、重大な事故が起こりやすい機械であることも事実。このテーブルソーでは、使い方を誤ると「キックバック」と呼ばれる恐ろしい現象が起こります。前回の記事で書いたことの続きとして、私の身に起こったテーブルソーの事故(というかケガ人はいないけれど)を書きますね。

「キックバック」とは、高速で回転する刃物に木材がはじき飛ばされること。Youtube にカメラがとらえたキックバックの瞬間があります。

この映像の 2分30秒頃に起こる現象がキックバック。

ブログに書いていなかったけれど、実は3月頃にこれとまったく同じことが私に起こりました。幸いなことにケガはありませんでした。でも、起こった直後、身体が膝から勝手にガクガクと震えだして、あまりのショックでしばらく立ち尽くしてました。

私のブログの読者がどれだけ木工や電動工具についての知識があるのか分からないけれど、正確に書くと、そのとき扱っていた木材は50cm四方、厚さは1.5cmほど。その端を角度をつけて切り落とすために、丸ノコの刃を45度倒していました。今までに何度もやったことのある加工作業です。

高速回転する丸ノコに向かって、木材を手で押し進めていたその時。
突然これまで感じたことのないような異常な力を感じ、あっという間に木材が丸ノコにとられてビュンッと私の後ろにはじき飛ばされました。台から飛ばされる時、木材は私の左脇腹に当たり、それでも止まらずものすごい勢いで後方へはじき飛び、5メートル後ろの工房の壁を直撃。

このすべてが1秒以内で起こりました。
本当に「あっ」という間もなく、すべてが一瞬のうちでした。

怖かった~・・・。

幸いなことにそのとき私の後方には誰もいなかったので、他人を巻き込まずに済みました。はじき飛ばされた50cm四方の木材は、回転しながらものすごい速さでブーメランのように飛んでいったので、あれがもし誰かに当たっていたらと思うと、、、。それに Youtube の映像のスローモーションのところで見ると、キックバックが起こったときに男性の指が限りなく刃に近づいていますよね。高速回転する刃ですから指を切っていてもおかしくない映像です。

もし細長い木材だったとしたらはじき飛ばされた材は、矢のように飛び、壁にめり込んでいたでしょう。聞くところによると、人の身体を貫通するほどの威力があるそうです。

キックバックの危険性、原理について、それまで何度も聞いていたのに、頭で理解していても、実際に作業する際に手が誤ることがあるんですね。テーブルソーを使う人達の中で最も恐れられている現象キックバック。ケガがなかったとは言え、それが自分に起こり、直後は本当に膝がガクガク、、、身体の震えが止まりませんでした。

この事故が起こった後、同僚に
I've got a kickback on the table saw!! So scary!!
(キックバックくらっちゃったよ、怖かったー!!)と言ったら、
すぐさま返ってきた言葉が、
「大丈夫?」でも「ケガはない?」でもなく、
Do you know why it happened?
(なぜそれが起きたのか分かる?)
でした。

それまでショックと恐怖でいっぱいだったのが、なんだかこの彼女のひとことで冷静になれました。

It is important (to know why it happened), otherwise, it'll happen again.
(原因を知ることは大事、じゃないと、また同じことが起こるわ)

ほんとそのとおりです。
そして、なぜあれが起こったのか自分なりに理解に努めました。起こった原因はとてもシンプル:木材をしっかりと押さえる力が足りなかったことと、木材を無意識のうちに刃のほうに近づけていたこと(本来ならまっすぐに押し進めなければならない)、安全装置として使う割刃をつけていなかったこと。刃を45度に倒していたこともあって木材が刃のほうに無意識に近づいていったようです。それであっという間に材を高速回転する刃にとられた。


この黒いのが割刃です。今回私が誤ったように材が左に寄ったり右に寄ったりするのを防止するスプリッターの役割をしてくれます。割刃はいつも付けて使用していましたが、この日、刃を倒していたこともあって角度のある刃には付けられないのだろうと(勝手に)間違った解釈をしてしまっていました。

テーブルソーは作業の内容によって割刃や安全カバーを取り外して使用しなければならないことがあるのですが、どんなときに何を使うか、または使ってはいけないか、こういうことをひとつひとつ理解していかなれけばと思います。

これが起こったのが3月でしたが、それ以降、すっかりテーブルソーが怖くなりしばらく遠ざかっていました。今ようやくまた以前のように物理的には使えるようになりましたが、心理的にはいつも尻込みです。人一倍の恐怖心と戦っています。危険な機械を扱っているのだから当然です。でもその危険を回避したり不安を軽減してくれるのは、しっかりとした知識と経験なのだと思います。怖い怖い、と思っていても、何の助けにもなりません。

また自信を持って使えるようになるまで、しばらく時間がかかるかもしれません。数ヶ月経った今でも「怖い」と思うのだから。こんな時だから映画で聞いたセリフが心にしみたのです。

Danger is real, but fear is a choice.

いつも危険と隣り合わせ。
でも、怖いと思うか思わないか、それは自分で選択していることなんですね。

木工を始めてよかった

2013-05-02 23:36:05 | 木工 (Woodworking)

ミシン机に合うイスを作成中。もう少しでできそう。
使用しているのはポプラという木で、ちょっと緑がかったオリーブ色の肌が特徴。

ミシンを置く机も職場のハンパな木材でつくりました(写真ないけど)。
机とイスのセット、完成したら載せますね。

もうすぐ wood working を始めて1周年になる?
木工を始めたことで出会えた人達に感謝。
以前のクラスの先生や今のクラスの先生とクラスメイト達。
そういう人達と、しっかりとつながっていけることが本当にうれしい。

週末の木材屋さんでばったり出会ったり、
ホームセンターで行き会ったり、
休みの日に電動工具を届けてくれたり、
おいおい、休日にやろうとしてることがみんな一緒だよって(笑)。

考えてみたら、
私のアメリカにおける友人関係はすべて仕事を通じてつくったもので、
仕事以外で新たに人に出会い友達をつくるという機会が最近なかなかなかった。
34歳で住む場所を日本からアメリカに変えたということは、
34歳以降にアメリカでつくった人間関係でずっと生活していくということだから、
(もちろん日本に帰れば家族や友達はいるけれど)
ときどきさみしくなるんだよね。

だから、wood working を始めてよかったことは、
もちろん仕事でも、
展示物などを制作する上でできることが格段に増えて多いに役立っているけれど、
それ以上に職場以外で人とのつながりが広がっていくことが一番うれしいなと思う。

一期一会。
みんなあたたかい目とサポート。
この出会い、大切に、大切に。

テーブル完成!

2012-08-19 18:54:18 | 木工 (Woodworking)
できた!

もともとはただの長い切り出しの木材だった(端には樹皮がついたままだった)ことを思うと、感慨深い~。新しくピカピカに生まれ変わった初めての手づくり木の家具。大切にしていきます。

5日間、何のケガもなく、自分だけでここまでできたのはすごくうれしいです。導いてくれた先生にも感謝。先生がいた、といっても、実際作業をするのは自分なので、新しい作業に入るときはいつも集中してドキドキしていました。正確に正確にと言い聞かせながら、力強く、でも落ち着いて手を動かす。そんな日々(終わってしまって悲しい)。ほんとうに楽しかった!


家に持って帰ってくるなり、フィリップはテーブル板を見て「なんだ、一枚板じゃないのか」とぼそっと言いましたが、「初心者に一枚板のテーブルつくらせてくれるわけないじゃんー!」と言い返し。この天板は板を4枚つなげてつくっていますが、どの木目模様をどんなふうにつなげるか考えたのも楽しかったのです。

とにかく、満足!
開けてしまった fine woodworking の扉。
これからどんどんはまりそうです。

今日ものびのび woodworking(と新しい自転車)

2012-08-16 18:43:22 | 木工 (Woodworking)
初めての fine woodworking! 私のサイドテーブルがもう少しで完成!


今回のようなクラスを取ることで、tenon(ほぞ)と、mortise(ほぞ穴)などの新しい木工技術ボキャブラリーもたくさん増えた。たぶん日本語で「ほぞ穴」と言われてもピンと来なかったと思うので、一から英語で覚えちゃって正解。


じゃん!私のテーブル!20インチ(約50cm)四方のサイドテーブルになる予定。クラスが終わって外に出ると、空が抜けるように青くて、乾いた風も心地よくて。この道をひたすらまっすぐ行くとバークレーです。

行き帰りは新しい自転車で(片道30分)。今日は写真を撮ったので載せておきます。
アメリカに来て最初に買った自転車は、マウンテンバイクの中古自転車で70ドル(おんぼろを買いました)。今回はじめて新品のロードバイクを購入。アメリカでは日本のようなママチャリは売っておらず、ほとんどがギア付きの本格的ロードバイク。ちゃんとした自転車屋さんに行くと、ふだん乗り用といっても500ドルぐらいからが主流です。マウンテンバイクだったら300ドルぐらいからかな。


今回のは620ドル定価のものが、セールで550ドル。それでもいちばん安いランクのもの。ブランドはカリフォルニア本拠地の Specialized、アメリカでよく見るバイクです。値段は上を見たらキリがない!1000ドル、2000ドルのロードバイクもたくさん陳列されてました。


日本のママチャリのように鍵は本体についていないので、別途で頑丈なロックを買います。今まではロックを外すたびに、この重いロックをカバンに入れたりハンドルからぶら下げておいたりしてたのが、今回はロックホルダーをつけてもらいました(写真左)。ギアは日本製Shimano でした。9段ギア。ふだんは6ぐらいで走ってます。急な坂道になると1で上ります。


でも今日は帰りにトレーダージョーで買い物したので、こんな荷物になってしまい、そこからは自転車を押して紙袋ぶらさげて歩いて帰ってきました。5分だけどね。

これからトマト、オニオン、シラントロをざくざく切って、ライムをしぼってサルサをつくることにします。別途、アボガドをスライス、レタスもざく切り。マッシュルームをソテー。今日は手巻きトルティーヤです。

フィリップの希望により最近うちではずーっとベジタリアンな夕食です。
仕事がお休みの1週間。ノーストレス!心のゆとりができてうれしい。

Woodworking はじめから

2012-08-15 00:41:14 | 木工 (Woodworking)
連続でブログ更新できるのは、今週1週間は仕事お休みなため。
ただ、フィリップと休みが合わず、私だけお休みでひとり自由な身。

さて、1週間のお休み、どうせなら生産的にと思って、Woodworking(木工技術)のクラスを取っています。職場でさんざんやっているというのに何をいまさら?と、まわりの誰もに言われたのだけど、エクスプロラトリアムで私がこれまで使ってきた木は plywood といって、合板というかベニヤの厚くなったやつで、ようは安価でとても加工しやすい木材。何かモノを組み立てたり制作したりするとき、家具職人さんのように洗練された伝統的手法は使わずに、レーザーカッターをはじめ、釘もガンガン使うし、タッカー(工業用特大ホチキス)やらをバンバン使って素早く頑丈に仕上げることが第一優先だった。


(例えばこれはストロボライトの展示物につけるためのボタン装置。レーザーカッターと、ドリルプレス、ラウターを使ってつくったもの。プロトタイプの展示物用だから素朴。。)

素早くカタチにする、ということが求められる状況ではそれもいいのだけど、最近になって、もっとじっくり woodworking(木工)に取り組みたいと思う自分に気づく。それに、合板ベニヤののっぺらぼうの見た目には退屈感もあり。。レーザーカッターできれいに切断された側面に独特の焦げ目がつくのも「きれい!」と思っていたのは最初の頃だけで、2年も経つと、
「どれもこれも同じやん」
「誰がつくっても同じ」
「どうやってつくったかすぐに分かるからつまらん」
と否定的な感想を持つように。(いや、素晴らしい機械なんだけど)。例えば上の写真の MotorとStrobeの文字はレーザーで焼き付けて書いてあるんだけど、なんというか、味がない。

何ごとも「あーもうこんなのやだ!」って思ったときが、その一歩上を目指すとき。楽しくないことを楽しくするのは結局は自分しだいだ。「こんにゃろー!」の反動のモチベーションで、どこまでも飛んでゆけるような気もする(笑)。


そんなわけで、とても前置きが長くなりましたが、、、
職場で身につけたなんちゃって木工スキルのさらに上を見てみたくて、fine woodworking の扉を開けました!家具職人さんが一から学ぶような、地味~な、伝統的な木工技術を習いたいなーと思って。例えばそれぞれの木そのものの性質とか、ジョイントの組み方とか、レーザーカッターやもろもろの木工マシンが存在する以前の古き良き道具達の使い方とかね。渋いことしてみたくなったのだ。

しかしこれがねぇ、本当に楽しい!
wood sample を並べて、どの木を使ってテーブルをつくろうかと考えただけで、うきうき。実際に木に触ってみると、ベニヤ板にはない硬さと重さを手にずしんと感じた。

毎日10:00-5:00 まで、月曜~金曜までのインテンシブなコース。天板がメープル、脚がアッシュのテーブルを、金具を使わずに木のジョイントだけで制作しています。いま2日目が終わったところだけど、楽しくてあっという間に時間が過ぎていく。工房ではランチを食べる間も惜しんで、せっせと手を動かす。計測、マーキング、手順、いろんなことがすごく理にかなっていて「なるほどねぇ」とうなる日々。今まで点と点だった知識が、急にいきいきと線になってつながっていくのを実感している。

またレポートします。