ポート・アデレード

南オーストラリア州の州都アデレードから北西１４ｋｍにポート・アデレードという地方都市がある。アデレードから車で３０分くらいの衛星都市である。ここにAFL（オーストラリア・フットボール）のクラブがある。


AFLは１８チームで構成され主にメルボルン近郊にチームのフランチャイズが集中している。そのためにメルボルンのスポーツともいえる。南オーストラリア州にもアデレードとポート・アデレードの２クラブが参加している。シドニーのあるニュー・サウス・ウエールズ州からはシドニー・スワンズの１クラブだけだから、シドニーではこのスポーツが盛んではないことが分かる。


さてこのポート・アデレードがAFLを中国に売り込んでいる。上海で２０１７年に試合を興行して以来、上海の小学校でオージーボールの教室を開催したりしている。そして中国からのスポンサーもゲット。これまでに５億円程度の利益を中国から稼いでいるというから驚きである。だって中国にはこれまで知られていなかったオージーボールなんだから。


そして上海からポート・アデレードへの語学留学プログラムもスタートさせて、ポート・アデレードではちょっとした中国ブームになっている。


さてAFLのクラブが中国マーケットに進出できるんだから、どうしてAリーグは何もしないのだという批判も出てきている。サッカーはグローバルなスポーツだし、Aリーグはもっと中国マーケットを重視すべきだという批判である。


もっともなように聞こえるが、それは無理でしょう。中国のクラブは外国人選手、監督をいまだに爆買いしているし、クラブ単位でいえば広州恒大、上海の２クラブなどはACLではAリーグのクラブよりも圧倒的にいい成績を残している。ビッグネームもいないAリーグをどうやって中国マーケットに売りこむのか。かなり無理な願望というものだ。