木漏れ日

日差しがキラキラと躍ってる…

シネマ歌舞伎『桜の森の満開の下』&読書『国宝』

2019年04月13日 | 読書
シネマ歌舞伎「桜の森の満開の下」を観賞してきました



野田秀樹が坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに書き下ろした舞台『贋作・桜の森の満開の下』

1989年に"劇団 夢の遊眠社"により初演された作品

野田秀樹と中村勘三郎がいつか『桜の森の満開の下』も歌舞伎にしようと話し
 上演することを約束していた作品なのだそうです

歌舞伎として新たに生まれ変わり 
 平成29年8月の歌舞伎座公演がシネマ歌舞伎として上映されました

さぞ文学的で小難しい演出なのかと思っていましたが ダジャレや小ボケが満載
 でもそこは 伝統ある歌舞伎 演じる役者さんの巧みさ 品はなくすことなく楽しめました

シネマ歌舞伎の醍醐味 表情がアップで観られ 臨場感迫ります

耳男演じる勘九郎さんの科白回し 
 純粋ながら狂気に満ちた夜長姫を演じる七之助さんは美しくも怪しく 

芸域の広がりに感心しきり

ラストシーン 舞台上の満開の桜 音楽も美しく素晴らしく 感動でした 
 

そして今 読んでいる本 吉田修一著『国宝』下 花道編



新聞?TV?本?
 何処でしょ? お奨めの本の紹介を見て 図書館に予約

3月初め上巻の順番が回って来ました

任侠の一門に生まれながら 歌舞伎の世界に飛びこみ
 稀代の女形になった男の数奇な人生を追った大河小説

上巻を一気読みして 下巻の順番が回って来るのを楽しみにしてました

上巻に引き続き圧巻のストーリー

任俠の一門に生まれながらこの世ならざる美貌を持った喜久雄
 上方歌舞伎の名門の嫡男として生まれ育った俊介

同じ歌舞伎の道を歩み始めた喜久雄と俊介は 互いの芸を極め再び同じ舞台に立つ
 反目しあうライバルでありながら お互いを認め合い 親友として芸の道に精進し合う

ストーリーは血族との深い絆と軋み スキャンダルと栄光
 信頼と裏切り 数多の喜びと困難苦しみ などを織りなし進められていきます
 

本の中でいろいろな演目の様子が描かれているのです

「二人道成寺」「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」「源氏物語」
 「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」「阿古屋」

などなど舞台の様子が…

指で数えられるほどしか歌舞伎の舞台は観てないのですが
 その少ない観劇体験の演目が描かれていて

場面 場面が 目に浮かび
 本が立体的に感じられ とっても得した気分
特に「阿古屋」のシーンは圧巻
 
もう一度「阿古屋」を観たくなりました

読み進めながら ともに喜び ともに苦しみ
 ウルっときたり 本に入り込んで読み進めています
 
凄い本に出会えました