10月3日

 アルベルト・マングェル/野中邦子訳『読書礼賛』を読んだ。
 
 タイトルから想像した以上にテーマは多岐にわたり(ボルヘスとの交流とその作品について、ジェンダー、人種問題…)、読み応えがあった。

 “読者を魅了するすべての本は倫理的な問題をつきつける。こういってもいい。本のページの表面をなぞるだけでなく、深いところまで掘り下げることができた読者は、その深みから倫理的な問いかけを持って帰ってくる。”
 “すべての読者が知っているとおり、本を読むという行為の要点、すなわちその本質はいまも、そしていつまでも、予測可能な結末がないこと、結論がないということだ。読書のたびに、それは別の読書へとつながる。”

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