10月20日

 レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳『スウェーデンの騎士』を再読した。
 
 とても素晴らしかった(ペルッツ再読6冊目)。
 仕掛けの見事なペルッツ作品を読む醍醐味と、どっぷり幻想文学な雰囲気(民間魔術の呪文、亡霊との約束…)を存分に堪能した。
 人を欺いて手に入れた幸福らしさ(愛する家族と、己の才能を発揮出来る身分と)を、真の幸いとして享受することは結局叶わない。それはいずれ誰かに返す借りものに過ぎない。
 とは言え、主人公に他の選択があり得たとも思えず、逃れる術のない運命への道筋は神によって既に描かれていた…という皮肉が胸に痛い。 あと、名前を喪失する物語としても読めてそこも面白かった。

 

 

 

 

 

 おはよございます。ピラフで無理くりおにぎり(パラパラで纏まらない) #OnigiriAction 青空ごはん部
 

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