10月18日

 レオ・ペルッツ/垂野創一郎訳『聖ペテロの雪』を再読した。
 
 流石、面白かった(ペルッツ再読5冊目)。
 物語の舞台は1932年のドイツの寒村、なので珍しく歴史ものではない。とは言え、神聖ローマ帝国復興の夢の実現だのフリードリヒ2世(シュタウフェン家)の末裔だのと、やはり頗るペルッツらしい作品なので嬉しくなった。
 巧妙な仕掛けは心憎く、なんと読み返し甲斐のあることよ。
 …そして狂おしい願望が創りあげた物語への執着は捨てがたい。彼にとってその世界の記憶は美し過ぎる。 (人とは斯様、そうあって欲しいことをそのまま真と思い込み、進んで信じようとする可愛く切ない存在であるなぁ…と。)

 

 

 

 

 おはよございます。朝ごぱん〜🥖 青空ごはん部
 

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