映画、「告白」

 話の内容には触れません。ちょっと後で思ったことだけ。
 
 パンフレットに載っている松たか子さんと木村佳乃さんのインタビューが良かった。特に松さん。あの役を演じた人でなければ言えないだろうな…と思える言葉があって、ふーむと唸った。そしてこの印象が小説を読んだ時にどう変わっていくのか、それも楽しみだ。
 
 その二人の女優の演技が本当に素晴らしかった。一緒にいる場面はほとんどないのに、拮抗していてまさに対決という感じ。
 とりわけこの二人の役柄は、ある意味凄く対称的だと思った。片や、自分を囲んでいた色んな枠組みを全て取っ払って外側へと逸脱してしまった元高校教師で、片や、閉ざされた枠の中の狭い世界を必死で守ろうとしていた専業主婦。多分後者は、枠の存在も知らなければ当然、その枠の外側までも世界が広がっているなんて考え及ばないような人物として描かれているように感じた。木村さんの言葉に寄れば、“キャパシティが少ない”。そしてもしかしたら悠子にはそれすらも、同情の余地もない脆さに映ったのだろうか。やがて怒りになるほど。

 映画や小説には、現実にはまずあり得ないしあってはならないこと、現実の世界では「ちょっと試してみるか」という訳にはいかないようなことの一つの仮想の結果を、作品と言う形で見せてくれている一面がある。投げかけるように突きつけるように。だから当然そこに必要なのは圧倒的な説得力で、それがなければお話にならない。
 その作品の中の何処が正しくて何処が間違っているのか?は、受け手側の各々がきちんと考えるのが礼儀だと思う。倫理に反していても悪徳でも、あえて提示している作り手側の覚悟って凄い…と思う。そこに感動する。

 繰り返し繰り返し、空の映像が流れるのだった。まるで途方に暮れた誰かが空を見上げて、答えを求めているみたいに。薄紫の混ざった白い雲がいくつも浮かんで流れていく、空。
 スクリーンいっぱいに空が映ると、ふっと一瞬だけすくわれるような気持ちになったけれど、やり切れないほどに美しい空は、やっぱり哀しい色だった。
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6月10日(木)のつぶやき

07:00 from web
おはようございます。あいすこーしーなう。「透明標本」に見入っている。
07:17 from web
消化管にカエルがおさまったヤマカガシが素晴らしい。あと、ジャクソンカメレオンとかリクガメとかアカハライモリが気に入った。深海魚も。>「透明標本」
07:21 from API
【[新世界]透明標本~New World Transparent Specimen~】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4096820393
07:50 from web
Coccoに釘付けだった…。その後のコメントとかいらねーよ!と思っちゃった。ガクン。
07:57 from web (Re: @tariko_
@tariko_ ねえ! 私も胸がいっぱいだったので、普通のコメントなんて聞きたくなかった…。まあ、いつもそうなのだけれど。
08:28 from web
今週は月~木のお弁当を頼まれて作ったのだが、ちまちましいところが結構面白い。海苔と青紫蘇と梅干しと鶏肉がヘビロテ(←意味違う?)。
08:32 from web (Re: @zasshoku
@zasshoku @hanakochia 子供のころに読んだシャーロック・ホームズとかルパンとかも、私はジュブナイルと普通に呼んでましたねぇ。
08:34 from web (Re: @hanakochia
@hanakochia あ、そういうことですか。わかりました~^^
08:45 from web (Re: @hanakochia
@hanakochia ほう、なるほどー。それじゃあ私の感覚の場合ですと、子供向けに易しく短くしてあるもの=ジュブナイル、と捉えていたのかなーと思います。だから多分、本来のシャーロック・ホームズとかはまた違うのですよ。
11:08 from web
昨日読んだ『ナニカアル』、とても面白かった。桐野さんの作品は、久方ぶりだった(結婚間近に『OUT』を読んで以来)。それで今、『おんな作家読本』を引っ張りだし、お芙美さんのところを読んだり眺めたり。家の中を見られるのが嬉しい。…でも、書きたいことが左程ないので感想はお休み。

13:18 from Keitai Web
あっそうだ(ぽん♪)、と急に思い付きシネマなう。開演ぎりぎりだったけれど、割と空いてるよ。
16:44 from web
お茶して買物して帰宅なう。「告白」、ストーリーも映像も凄かったよ…! 小説の映画化って、自ずと原作→映画の順で鑑賞することになるケースが多い訳だけれど、私はそこにこだわりはなく。で、今の時点で原作を読んでいないのならば、映画から入るのは案外お勧めかも!と思いました。この作品なら。
16:56 from web
(続き)「えっ、そうなるの?えっ、そうなの?えっ、そっちに行くの~!?」って、息を呑んで食い入るように映像を見詰めていると、何だかいつの間にか変な汗をかいてしまうような按配だったから。いやはや。…あの場面は小説ではどんな風に描かれているのかしら?と、確かめる楽しみも出来たよ。
18:27 from web
朝から気持ちが定まらず、同じ小説を読みかけてはやめてまた冒頭から読む…という繰り返しがあったが、やっとピタッと合ってきた。凄く面白い…。しかし、長いのだこれが。
20:57 from web
まるごと否定とかまるごと肯定なんて、勿体ない。せっかく投げかけられているのに。 …て、やはり問題作なのですかね?
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