別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

大内田茂士

2007-05-30 | アートな時間

  boa!さんのところに 示現会 『大内田茂士の ブラックが効いた “ 写実に抽象をのみこんだ ” 絵 』 として、 湘南風景が紹介されていた。

  大内田茂士 オオウチダシゲシ     

憧れが戻ってきた。 あの日の 感動もよみがえる。 

  第16回日展 (1984)  秋の卓上    
      内閣総理大臣賞受賞

 

  そのころ日展は、欠かさず見ていた。 23年まえ、 はじめてこの画家を知った。 この絵に会った。 

 具象と抽象の狭間  何より好みの色彩に心が躍った。 それから注目し 気に入ったときは絵はがきを求めた。

    今見ても いいなあ…  惹かれる     新鮮!   

      豊かな   色が踊っている         ため息ばかり

 
      いくら見ていても  飽きない  いろんな物  色んないろ   構成の妙

 

     どれも好き  

             

    1986  仮面と卓上                  1990   画室の一隅

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風信子って

2007-05-27 | 別所沼だより
 

   爽やかな五月、 終いの日曜はハウスガイドをした。 初めてご一緒のOさん、 「墓参を欠かしたことはありません、 若き日、 毎月給料の半分注ぎ込んで全集をそろえました」 と、 熱烈なファンです。 

  快晴、 散歩や運動のひと、 釣り人で賑わった。 一段と濃くなった沼の緑、 すっかり夏の装いである。 暦も小満から、 やがて芒種の候へ、 季節の歩みを告げてゆく。 麦生に近づくと、 穂先に褐色が熟れている。 のぎを掲げ、つよい陽射しに抗った。

                -☆-
   
 水戸、 横浜、 あるいは都心から、 市内から。  特に熱心な方が多いようだ。  みなさん一時間以上は在室された。 沼を廻り 戻ってくる方もある。  椅子にかけ、 話題は尽きない。 
  開け放した窓から、 タンポポの綿毛が入ってきて、 微笑みがまわりを包んだ。

  
 なぜ 「ヒアシンスハウス」か、  ヒアシンスの里と勘違いされる。 辺り一面ヒアシンスの花?
  立原道造がこだわったのは 「風信子」。  モダンな匂いのする、 漢字の語感ではないか。  ギリシャ神話の美少年ヒアシンサスも、 道造のセンスにフィットしたと思われる。 と、Oさん。
 安政年間に渡来、 明治時代には風信子(ハヤシンス)と呼ばれる。

 風信子と書くのは、 漢字から受けるイメージが大切だった と想像できる。 ばらが薔薇であるように。 レモンは檸檬でなくてはならない。 決め手はあるのだろうか。 
 風信子荘… ヒアシンスハウス。  3月29日… 風信子忌

 雑学花言葉さんからも 教わった。
 美しい髪の形容にも使われ「hyacinthine locks(ヒアシンスのような巻き毛)」は現在、金髪を意味するが、 もとはヒアシンスの花弁の先のようにカールした髪という意味だったそう。 
   これも 夢みる詩人にふさわしい。 

      

  沼の東に睡蓮が咲いていた。赤も白も。 郭公も気になるが、ことしはまだ。
                    -☆-

  突然、 それぞれの地形が何に見えるか、 建築関係の若い方は、 地元茨城は横向きの犬と答え。  長いこと教職にあったOさんは楽しくリードして、 群馬は鶴、 新潟には本州が隠されているでしょう

  そこで蛙、 日本列島全体は?   そうそう 二人のクローデル展は今日までです。 あそこも作品の解説は、ボランティアが活躍して… 
  それだけ聞くと  「これから行く」  Oさんは韋駄天走りで向かわれた。 
行動力も抜群!  間に合いました? 最終日は早めに閉まることもあるので心配しましたよ。 

                  -☆-
 
  さまざまな出会いに感動したり、教わったり。  きょうも忘れられない方がある。 コーディネートもすばらしかった。
  藍染めの帽子に上着(フレンチスリーブ)。 こまかい絣のロングスカートは足首まで。 覗いた足袋は紺の棒縞(縞にも、絣にも素敵な名前があるのね) きっぱりと粋です。 下駄(表と側面が紺)の鼻緒に、白と青の襲は「黒木賊クロトクサ」。 草履かも知れぬ。 これだけでも ため息でしたが 
 さらなる紺地(これは黒っぽく見える褐色カチイロ?)、そこに朱とエメラルドがパッチワークされる、印象的なバッグ。 パラソルは紅型、 藍と白の取り合わせ。 
  それぞれ 微妙に違う藍のいろ…  想像してみて下さい。

 知的で美しい、和の組み合わせでした。 立原道造の卒論も読んだと言われる個性的なその女性。 
 ちょっと婚約者のアサイさんに似てませんか?  ね、 道造さん…

 ご了解を得て、 写真を撮らせていただきましたので、 本日、お送りしました。 

  ヒアシンスについて はじめの頃も調べている。   

 


 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ご本宅

2007-05-24 | 犬のブロンコ・ダン

 たとえば 家族と、偶然道で行き逢ったとしましょうか。 でも知らんぷりして、大まじめに急ぎます。 チラとは見ますが 修験者の顔つきでやり過ごす。 家族はあわてて 「おや? どちらへ?」と声を掛けますが。 呼ばれたって返事もしない。 毎度のことゆえ 雑念を払いまして 
 『これから大事なお勤めがありますので…』 上目遣いにそう申し、ちょっと冷たくあしらいます。

 自宅から会社まで、かれこれ30分、2・3の寄り道をしながら向かいます。
 初めのお宅は、いつでも牛乳を用意して待っている。 そこで喉を潤して。 いえ、牛乳は此処と決めたわけではないのですが、 いつの間にかこのように…

 次なる家で お肉などいただいて…  夕べのごちそうをわざわざ私奴のために取っておく …ワオォ~ン ありがたくて泣けてきます。
 終いの家でチョコレートを少し… 身体に良くないと分かっていても いつも待っていて下さるので…  出勤前に必ず立ち寄りました。

 三軒の方々は 私を通じてお顔見知り。よくわたしの噂をしてるようで…
 そうこうしながら、ようやく勤務先のゴルフ場に着くのです。あそこの事務所は冷暖房で機嫌良く一日過ごし、管理人さんとも大の仲良し。 たまに留守居くらいはしていたのかも…

 やがて… 夕焼け空にあはれをもよおし、とぼとぼ本宅へ帰ります。嫌だからじゃ有りません。これでも、気持ちのやりくり… 分かって下さいよぉ

 夜休むのは本宅と決めています。 家族に充分愛されていて、もちろん食事もここが一番! かならず此処で済ませます。 何でしょうね、主人への義理、一家への忠信もありますし… 

 でも、朝になるとまたゴルフ場へ、足がしぜんと進むのです。どうしてか、自分でも分かりかねます。
 ゴルフ場からは 「今日は来ないけれど どうかしましたか?」 「具合が悪そうだから お医者様に見せたほうがいい…」 「お腹を壊してるようだ… 今夜の食事は注意して」 「風邪ひいたらしい… 」などと、まめな電話連絡がきまって本宅に届きます。 医院に連れて行くのも、看病するのも本宅の努め。

 お勤めは物心着いてからずっと、十何年? ほとんど皆勤賞でした。 亡くなったとき、ゴルフ場から花束を持ってお悔やみにこられ、日々ご挨拶を重ねたみなさまもお参り下さいました。 涙、なみだで…

 さて、 わたしは誰かって?  親戚で飼っていた雑種犬ですよ、多くの方に愛されて幸せでございましたな~  写真とは何の関係もありません。 拾われて主人のところに来ました。 
(従姉妹から聞いたサラリーマン犬、この話は真実です)
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パリへ

2007-05-24 | アートな時間

     

  チラシ裏面はこちらに

  藝大美術館 パリへ 洋画家たち百年の夢    同時開催の 新入生歓迎-春の名品選-  を観てきた。 油の匂いがやっぱりすきだ。 絵を描く楽しみを教わった、 お馴染みの絵をじっくり。  忘れないうちに、 こっそりUPしておこう。 

  春の名品選 作品リスト それぞれ画像があります。

  メモ  山本芳翠  浦島図   何度も戻って細部を鑑賞  質感 遠近 水晶玉  霞む竜宮
       藤島武二  アルチショ(アーティ・チョーク) 紫の花、 本の黄表紙
       浅井 忠   牽牛花蒔絵手筥   牽牛花…朝顔の別称
       藤田嗣治   メキシコに於けるマドレーヌ    新画風 手製の額 
                       ( 作品全体に漂う キスリングとの交遊)
       小出楢重  立てる裸婦
  
  Ⅳ 戦後の留学生と現在パリで活躍する人びと    
       大島和代  平和への願い- 138のくるみの赤ちゃん 
         全部表情が違う138の顔   愛らしい、 このエネルギーはどこから?
       佐藤利成  LA SERIE“UNVOLUME EXPLOSION OF VIOLET”
                圧倒された  しかし面白い  白菜!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名画と百合の花

2007-05-18 | アートな時間


  鮮やかな色彩、質感、構図、遠近、 絵は右斜めから見る… 収穫の多い展覧でした。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯追い求めた思索の出発点となる 「受胎告知 」です。 20歳頃の作品。ガブリエルの翼は本物の鳥のよう。 百合の花、 足下の植物、 心の動き。 髪の毛1本1本、 何処をとっても細密です。
    写真:チラシから  裏面はこちら。 さらに拡大できます。
 映像や模型によって 「万能の人」の実像に迫る試み… 芸術を科学的に、哲学としても見せてくれました。

 
  血管や河の流れ、樹木の枝わかれ など 共通した一定の決まりがあることを知ってこそ、 木を描き森が描ける、 人間の感情は表情となり動作となる… 名画はさまざまを教えてくれました。 
  「少年キリスト像」 テラコッタ。 伝レオナルド・ダ・ヴィンチ。 今まさに 言葉を発したばかりのように薄く開かれた唇…   かすかに動く… 鼓動までも聞こえるようだ。     

  「かたち」のとらえ方。 かたちは無限に変化し(見る角度)、その変化には共通の法則がある。 (こういう話しが 実は大好き。 何でも証明できるなんてすばらしい!)

  
   運動の法則の研究。 落下の速度、 衝撃の強さ、 音の増減すら運動と捉える。 驚いたのは人間の「感情」も 精神の「動き」として分析した。 (身近で興味も湧く とても面白い!) 
  遠近法など、何気なく描いてきたが試したいことがやまほどできた。実り多い日。 来月のスケッチが楽しみになった。 展示品一覧

              
                                         -☆-

  
     お待ちかね!  あの ユリノキ                            

  開きかけの新しい花をたくさんつけていました。 
      


 
  葉の中で埋もれています。
    
                

右  法隆寺宝物館まえより東博方向を写す。 水があると引き寄せられる習性なり
青いドーム屋根は 表慶館です
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

!枝折り

2007-05-17 | 別所沼だより

 

   ☆ supikaさんの   月の船、星の林に   で 「別所沼だより」を ご紹介くださいました。 美術館のページ2で御覧になれます。  穏やかな写真からヒアシンスハウスのぬくもりが伝わりました。  
 見慣れたハウスも新鮮に映ります。  情報満載の 他の記事も必見です。 

  ☆ タウン誌 月刊 「武州路」 No.402 北原恵子さんの別所沼ヒアシンス通信に 蛙が撮った都鳥の写真が掲載されました。 これからも 我が写真が使われるかも知れないと。 すこし、お役に立ちました。 

  遊びも続けていると さまざまな楽しみや繋がりへと発展、 何かひとつはじめると…  たくさんの喜びに出会えますね。

  
  blogのお仲間にも啓蒙をいただきます。  井の中よりのぞいてみたら、 その先は果てなく広がっていました。  九牛の一毛を見つつ、 学ぶよろこびは尽きません。 いつも本当にありがとうございます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こころの基地

2007-05-07 | 別所沼だより
緑のシャワー


  別所は緑一色になった   そこで休むと 顔もからだも夏の色

   読書したり 音楽を聴いたり  お喋りしたり  
     
    5月がくると藤棚の下で おなじドラマを繰り返した… 



    芽がぐんぐん伸びたので  ハウスは小麦色して見上げている  そして…  

      いつまでも   ずっと…
    
     パステルのmidoriばかり  200色も買ったひとを待っているのだ

     

        

  水も応えた  そよ風といっしょに ぷるぷるゼリーをつくって…
      空に 飛行船が泳いでた   彼のパステル画にあるような 
        ピンクの魚になっている

   沼蛙は思った  この知的で風雅な空間を 心の基地と呼ぼう 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

姉と弟

2007-05-04 | アートな時間

 

  二人のクローデル展は  川口市立アートギャラリー・アトリア および 国登録有形文化財 ・ 旧田中家住宅 の二カ所で開催中。 会場はシャトルバスで繋がれている。  連日夏日、 蛙の頭も乾いてしまいました。 メモは上手くまとまるでしょうか。
  連休は皆さん郊外へお出かけ?  混雑もなくゆっくり鑑賞できた。  家族連れの熱心な方が多い。

  カミーユの彫刻には、ものがたりがある。 時とともに 歓びや苦しみ、 別れや悲しみを映している。 とくに、 波や岩、 暖炉、 長椅子などの演出によるもの。  大きな波は 見る人にも降りかかった。

  語りかける作品、 質感、 動き、 ポーズ、 表情、 モデルの内なる精神、 人格。  彫ったときの作家の心の動き、 深さを想像する。 小さな作品にも緊張感、 迫力がある。

             -☆-

    以下 図録より 
  弟 ポールは述べている。
  『カミーユが、その不幸な生涯のすべてをかけて残した彫刻作品の、まったく独自な意味、それは作品のすべてが彼女の生の歴史にほかならないということだ。

  カミーユの作品がもう一人の作家某氏(つまりロダン)の作とよく並べて論じられるのに反駁して
  彼女の作でこそ 『もっとも力強いそしてもっとも純真な想像力、 つまり想像の才そのものである想像力が思う存分にみごとに発揮されている』 と。 (ポール・クローデル「わが姉カミーユ」から 芳賀 徹)

  写真: 旧田中邸  三階から庭を眺めて

  和室で彫刻を見る。 開け放した廊下から風が吹きぬけた。
  ブロンズの前に 座布団と抹茶の用意がされている。
  さわやかな五月に、 存命ならば 自分たちの展覧会があると知って、 はるばる来られるに違いない姉弟のため、ご用意しました。 と、 案内のかたは仰った。     影響を与えあった二人の藝術家と、 旧田中家住宅、 心ゆくまで楽しみました。  取り組まれた皆さんの気持ちも感じました。 スタッフの熱い視線、 痛いほどです。 お礼を申しあげます。

  ほかに カミーユからいとこ宛ての直筆手紙。 デッサン。 ユーモアと即興の「走鼠図」 竜安寺や西芳寺をめぐった後に、 竹内栖鳳らと西陣の料亭にてスッポンの昼食、 老舗大市の一室の天井を鼠が走ったか…  後ろ向きの猫はポール画(図録より) 

       旧田中家住宅 

  追記  
  5月6日 教育TV 新日曜美術館アートシーンで 「二人のクローデル」展
 「澁澤龍彦   -幻想美術館- 」 が紹介されました。  過去記事はこちら

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美的空間

2007-05-01 | アートな時間

 
  休日のビルは神秘的、 幻想の世界だ。 キリコの絵のように静止している。 
  天蓋の影も美しい。   ここは さいたま新都心郵政庁舎あたり。

 

 

         

 廻廊には オブジェがある    近づいてみよう   さらに      さらに
   「たねにすむ」


      

      こんなのもある!

  どれも子ども達がつくったと思うけれど…  小さな作品を一つ一つ繋げて 大きなモニュメントになった。 
    「ほしにすむ」 

 


  柱にも  ほら! 
  たいせつな作品はいつまでも残る  この子らの 誇らしげな顔さえも浮かんでくる

  

 


  発想も自由  夢がある  無心の形  いいねえ。   造った頃は 幼稚園?   してみれば
  もう  中学生か…   みんな芸術家! 天才! 今はどんな絵を描いたりしてるだろう   芸術の芽はこのあとも 上手く育っただろうか

  5月1日 語彙の日  扇の日  スズランの日

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする