別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

旅する小さな家

2014-10-26 | 別所沼だより

 めずらしく、 午後の半日ガイド。 昼近い公園は陽がつよく蒸している。 間をおくことで、 沼のうつろいを確かめたいと思ったが、 メタセコイアがほんのすこし色づいたくらいでほとんど夏の装いをしている。

  

 秋はのんびり、休み休み来るようだ。  午前のガイドさんが揚げた旗、 窓の開け方、 カーテンの寄せ… 自分とはちがう一つ一つが新鮮に映った。 夢まつりの用意に、 ふたりで絵葉書を5枚セットにして透明袋に詰めた。 

 

 

 来室名簿を見ると、近隣はもとより 沖縄、福井、兵庫からもいらしていて、とてもうれしくなった。

 いよいよ 11月9日日(日)は 第10回 ヒアシンスハウス夢まつりです。

 6月に募集されたアート空間デザインコンペ 「旅する小さな家」の最優秀作品のお披露目があります。
 ヒアシンスハウス前庭に「建築・美術・文学・ダンスが複合した不思議なアート空間」が出現。

 とても楽しみにしています。

  

 

拡大してご覧ください    表       裏 

 

 

   何の木か一本だけが紅葉、 逆光に照らされて輝いていた。 

 午後はときおり曇って、 涼しい沼風を運んでいる。 
「知っていれば デザインコンペに応募したかった」と残念がる若い建築家と友人など 来室がつづいた。 

 

  午前 12名 ・ 午後 9名 他小学生など6名 
 あわせて27人のみなさま  ガイドにも愉しい時間をありがとうございました。

 

 

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二上山の落日

2014-10-15 | アートな時間

    2014.10.8   5:21 

 黄昏どきの雲の美しさに思わず佇んだ。 ひとは 落日に心を奪われ思いを重ねる。 一日の終わり、荘厳なしらべを感じて こころが洗われる瞬間だ。
 
先日奈良のHさんから写真が届いた。 (↑ 写真)

「落日を背に二上山のシルエットが浮かびあがる 
 天武天皇の死から一か月を経ず、686年10月3日、大津皇子は桜井市訳語田(おさだ)で死を賜りました。
時に24才。 今は二上山に眠っています。」

 Hさんはご主人が残された 「山の辺の道から 二上山に夕陽が沈む日程表」(これは以前拝見している。精しく調べられた時刻とポイントが記されていた) を参考に、 穴師山の中腹からレンズを向ける。 15分ほど景行天皇宮跡に立って捉えた落日です。
  「夕焼けはいきもの…」  一瞬に いのちをかけたご主人を偲ばれていた。 撮影のむずかしさも伝わった。 

                -☆-

 写真は写す人のこころまで取り込むようだ。 西方浄土への入り口と言われた二上山の夕陽、 Hさんが大津の皇子に寄せる思いが作品に昇華されている。

 さっそく「山の辺の四季 疋田 勉写真集」(東方出版)を開いてみた。

  二上山夕景  (9月下旬)  疋田 勉

 

 

 衾田陵から望む中山古墳と二上山の落日(10月下旬)  疋田 勉

  (スキャンした作品は、 とうてい原画の良さに及ばないです。
  お許しください)

                 -☆-
 
  津田さんのエッセイも思い出された。   (万葉集の「大津皇子竊(ヒソ)かに神宮に下りて」…
姉と弟に焦点を当てる。 学ぶ楽しみがふくらんだ、 そのことが何よりもうれしいです。

  この本がきっかけとなり 「山の辺の道から 二上山に夕陽が沈む日程表」を送っていただいた。             

                  -☆-

  一日の仕事のあとの水色の空、そして夕やけが美しいレース編みで西の空を飾ること。
   もう、とほい思ひ出はいらなくなつた。 (立原道造)

 夕やけを しみじみ眺めたくなる。

 

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広がる青磁

2014-10-11 | アートな時間

 米色青磁下蕪形瓶 官窯 中国・南宋時代12~13世紀

 

  青磁玉壺春形瓶 龍泉窯 中国・元時代 14世紀

NETのおかげで始まったおつきあいから、 招待券をいただきました。 ご愛蔵品も出されるそうで愉しみです。

青磁のいま -受け継がれた技と美 南宋から現代まで  東京国立近代美術館工芸館

以下 自分あてのメモ。

まず工芸館HPから 概要を 
「青磁は、玉への憧れから中国で生まれた緑色を基調とした美しい釉色を特徴とするやきものです。
 多くの人々を魅了してやまない中国・南宋時代の名品から、近代陶芸史に名を残す板谷波山や岡部嶺男などの物故作家の優品、さらには、先達たちから受け継いだ技術と精神を現代に生かす人間国宝や新進気鋭の若手作家の最新作まで、時代を映し出す青磁作品を通してその魅力に迫ります。」

 展示は三部に分かれ 
第一章 日本に伝わった青磁 -中国・南宋時代から明時代初期-
第二章 近代の陶芸家と青磁 -写しと創作-
第三章 表現と可能性

 青磁といえば青、 青の中にも淡い青色や透明感のある青、 オリーブ・グリーン、淡い黄色(青色が窯変により黄色味を出す)など辰砂のぼかしがけまで多様である。  しっとりとした質感ばかりではない。 貫入、彫文・斑文、象嵌を施した作品。 貫入にも二重貫入(二種類の貫入)や氷裂文(大き目で氷片のようにみえる)。 形… 瓶、鉢、盤、碗、香炉、杯、大皿、茶碗、砧のような花瓶、耳付、壺、手付水指など。 すっきり端正なすがたから 驚きの造形まで。あっと驚く、こころが動く、青磁の奥深いアートのせかいでした。

 清水卯一  青磁大鉢             澄んだ青色  美しい貫入

色や形、風合い、趣、雰囲気を愛で彫刻のような絵画のような。 
興味や楽しさは深くて尽きません。 (画像はチラシおよび過去のカタログからいただきました)

また 現代では 絵画のような独特の模様をいれたのや、彫刻のような造形もあり、 「素地に艶のある釉薬を施しその上に模様の型紙をのせマット調の釉薬をかけ型紙を除いて焼成。 型紙を置いたところから初めの釉薬がのぞき模様を描いたように見える」など(福島善三 中野月白瓷鉋文鉢)、 進化を続ける。

 青磁に囲まれ、 新しいことを学ぶ。 以前、衝撃を受けた 岡部嶺男、 河井寛次郎に再会。

 

岡部嶺男 窯変米色瓷博山炉  
  ユニークな形ですね 香炉。 


 岡部嶺男   粉青瓷大砧

 うれしい楽しい巡り合いです。  
雀さんに深く感謝します。 ほんとうにありがとうございました。

 深見陶治 「屹」

 見上げる高さでした

東京国立近代美術館工芸館HP 

 

 

 

 

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お知らせ

2014-10-01 | 別所沼だより

  真夏のような暑さがつづいたかと思えば 今日から10月、
 急に涼風が吹いて しみじみ秋を感じます。 
  ヒアシンスハウス夢まつりのご案内をいたします。

 第10 回 ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼 ・ 2014 記念の会
    
2014年11月9日(日) 
  於:さいたま市 別所沼公園 (ヒアシンスハウス前庭・別所沼会館) 参加費:無料

 ■ アート日和 「旅する小さな家がやってきた!」 [9:00~13:45]
  平成26年度 文化庁 地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業
  「あなたと どこでもアート/小さな家プロジェクト」 
  主催:あなたと どこでも アート実行委員会/SMF、 協力:ヒアシンスハウスの会

  ・旅する小さな家 お披露目(9:00~)  ※ その後、同日16:00まで見学可能
   (ヒアシンスハウス前庭 ※雨天決行)
  ・旅する小さな家 ~二つの場所で起こること~ (設計:水谷隼人+山本恭代)
  ・美術インスタレーション展示(アーティスト:平田五郎)

  ・旅する小さな家 完成シンポジウム(10:00~12:00) 会場:別所沼会館大会議室
  司会:種田 元晴(工学博士・一級建築士)
     「旅する小さな家」の審査員3名による講演と鼎談
       長谷川 豪(建築家)、平田 五郎(美術家)、北原 立木(小説家)

  ・創作ダンス公演(13:00~13:45)
   (会場:ヒアシンスハウス前庭 ※雨天決行)
   コレオグラファーの目 vol.13 「旅する小さな家がやってきた」
  出演:愛智 伸江、江積 志織、川 真理子、桜井 陽
  協力:埼玉県舞踊協会「コレオグラファーの目」 実行委員会

■ 第10回 ヒアシンスハウス夢まつり in 別所沼・2014 記念の会 [14:00~15:40]
   会場 別所沼会館大会議室    主催 ヒアシンスハウスの会
       司会 津村 泰範(ヒアシンスハウスの会)

 ・10周年スペシャルトーク  ~ヒアシンスハウスに関連して~ (14:10~15:00)
   藤森 照信 (建築史家・建築家。工学博士。工学院大学特任教授・東京大学名誉教授。)

 ・合唱(15:10~15:40)
    合唱: La Mer  指揮: 大竹 教子
    曲目:「南島歌遊び」より「嗚咽」「戯れ」、「夢みたものは」、他

■ 懇親交流会 [16:00頃~] (会場:別所沼会館大会議室)

     拡大

   


 6月に募集された「旅する小さな家」。 アイデアの応募は全国から201点、その中から選ばれた最優秀作品がハウス前庭に実際に建てられ見ることができます。 ただし見学できるのは
11月9日(日)   当日16:00まで。 

 午後は スペシャルトークを聴いて  盛りだくさんの愉しみな一日になりそうです。 

 

 

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