別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

カバマダラ

2012-02-29 | 夢見鳥

機内誌の 「今月の華」 カバマダラの記事が面白かった。  
擬態のモデルにされた”ワケあり”の美蝶」 腰本文子 

  幼虫時代、有毒物質を含むトウワタ(ガガイモ科の植物)などを食べて育つカバマダラは 毒を体内に宿したまま毒蝶になる。 … 学習している鳥たちは、 餌とは見なさない。 カバマダラの派手な体色やスローな飛び方は 実は「毒入り危険」 と天敵に知らせるためのデモンストレーションなのだ… 

  さて 
 曇天ながら26日の宮古島は20℃くらい。 島のひとは寒いと言うけれど 関東にくらべたら御の字、 ずいぶんと暖かい。 強い海風を受けて、島の北部の砂山ビーチに降りて行く。 白い粉のような砂を踏みしめて通る細い道の両側は葎の壁がそびえる。  そんな中に、見覚えのある星模様の美しい蝶をみつけた。

これこそが 空のうえを飛びながら読み知ったカバマダラに違いない。
もの言わず ひっそりと待っていてくれた…  
幸運に震えた。

  いま調べると おなじ仲間で、有毒。 すじが目立つ「スジグロカバマダラ」であった。

 



 
  記事によれば  ここからが面白い。
 ツマグロヒョウモンのメスは、 実際には無毒だが 有毒のカバマダラに

 擬態して、 身を守っているそうだ。 黒と白の斑紋を真似、 翔び方まで似せてふわり…  なんとしたたかなツマグロヒョウモンのメス。 鳥にねらわれることもなく、 人が近寄るとだます必要がないので、 さっとスピーディーな飛び方になる とあった。 

 以下に カバマダラの写真を JTA機内誌より引く

  

 さらに

 また 一種
  

 色はちょっと薄いが 「ベニモンアゲハ」 らしい、 頭部や腹が赤いから。

 緑に紛れてはじめはよく見えなかった。 おなじ緑でも目が慣れるにつれて面白いものがみつかる。 珍しい亜熱帯の植物、 アダン、 クワズイモ、クロトン、 南洋杉。 サトウキビ畑。 扇芭蕉。 花は 芙蓉によく似たハマボウ。 テイキンザクラ、 ブーゲンビリア、ハイビスカス・・・天人菊、  ちいさなカタツムリなども見えた。 
 どちらを向いてもネムノキが生え、 豆のような莢がさがっている。 白い花のセンダングサは何処にでも群れ咲いている、 カバマダラの好物だ。 
  

 

 

 

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春めく

2012-02-24 | 自然や花など

 きょうは 暖かく 15℃


 公園の馬酔木  開花まで あとすこし

 アセビ ツツジ科 
 奈良ではアシビといわれ、 そのほか アセボとも呼ぶ(山草事典)
 

 うららかな陽を浴びて オオイヌノフグリも幸せそう
 ゴマノハグサ科 

 

 ↑ 去年3月
 春は 畑に青い星屑を散らしながらやってくる
 
    公園の梅は遅れて 2分咲き  蝋梅がまだきれい

   明日は雨で最高9℃  梅祭りはどうなるやら

 

 

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君子の豹変

2012-02-23 | 自然や花など

    雨に濡れる緞帳のまえで 蝋梅が映える。

 覆い尽くしたオオイタビカズラ は

  冬でも 色濃い緑が心地よく 葉は愛らしく1~2センチ。 茎から多くの脇根(気根)を生やして壁に張りつく。 若枝は分かれ扇状にひろがる。 先は枝垂れ飛びだすのでときどき刈りこんだ。 夏のそよぎ、 石塀をすっぽりと覆うグリーンは見た目にも涼しく、 まさにエコなくらし。 だが、その勢いに負けそうだ。 なりふり構わず生きるしぶとさに恐れをいだく。
 

葉に紛れるオオイタビカズラの青い実

 日向では 葉の大きさ10センチくらい、 無花果のような実がなっている。
 かつての いとしき君は豹変し、みなを驚かせた。 
  どうしても同じものとは思えない、 陰ではつつましく
生長する。 小さな葉は、「いとうつくし」 の風情で うれしがらせた。 それが日向ではすさまじく這いあがり、繁茂し大きな実りまであげていた、 君子の高笑いも聞こえそう。

 オオイタビ…  ルピナスさんに教わりました。

 

 

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凛と

2012-02-18 | 自然や花など

 ご近所の梅を見に

 頬をうつ風は冷たいけれど 凛と咲いている

  紅染めの 紅梅

    木の花は 濃きも薄きも、 紅梅…  (枕草子)

 
  冬枯れの中に あたたかな色でホッとする
 



 梅がかを袖にうつしてとどめてば 春はすぐともかたみならまし 

   たきしめて  残しておきたい梅の香り

  混み合って メジロがくぐる隙もなさそう


  青空に 真綿のような雲と

  天までとどきそうな大王松の 

  常磐の色も 照り映えて  
   葉陰の 大きな松ぼっくり

 

 

 

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2012-02-16 | 自然や花など

 
 

 虻翔(カ)けて静臥(セイガ)の宙を切りまくる   誓子


  スーッ  スー と 空を切るように飛んで 


 
 日向の花にとまった
 よく見れば おおきな眼だ
  となりにいる春のことを 教えに来たんだね



     詩を書いて世に示す
     しかも私は 世評など聞きたくない
     この我儘を許し給へ  私は虻のやうに
     羽音を残して飛んでゆく  (三好達治)

 虻の羽音…  
 余韻がのこる

      


  

 高層ビルの植え込みのなかで
 ひっそりと ヤブコウジの実がなっていた

  通りはひっきりなしに 人が絶えないけれど
    気づくことはあるだろうか

 

 

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風のうたつた歌

2012-02-12 | 別所沼だより

    春風は まだまだ冷たい
    

 風になびく旗が  きょうは元気に歌っている  
  日だまりの鳩は 膨れているけれど  

 

 

  水面は ひかりが戯れて

 奧の カワセミ 

 幼いブルテリアなど  公園は賑わった  

 ・大学のグリークラブで立原の詩を合唱していた。 感慨無量の面持ちで詩集をひらく。
 「風のうたつた歌」(その1~3)。 「夏花の歌」 (その1)(その2)。
  小声で歌われた。
  
    一日 草はしやべるだけ
    一日 空は騒ぐだけ
    日なたへ 日かげへ過ぎて行くと
    ああ 花 色とにほひとかがやきと…
         
 
原田稔作曲の楽譜をいつか寄贈しましょう。 年配のかた。

・建築家。 図面はよく見、知っていた。 天井は想像したより高く、 広く感じる。 今も憧れるひとが多いヒアシンスハウス、 立原の目のつけどころ、 先見の明。 

・会館で受講中の女性。  若い頃から立原の詩を愛読、 至文堂の本を購入された。 

 来訪12名  ありがとうございました。

 

 


 

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春よ来い

2012-02-09 | 自然や花など

 風は冷たいけれど   よく晴れて

  シンクロナイズド・スイミング

 

  ハナモモの並木  まだまだ堅いつぼみ。 開花が待ち遠しい。

 畑のはすでに枝を切り、桃の節句に合わせて人工的に生育を早めている。 
  温室に寝かせ、 出荷まえになると冷気に慣らすそうだ。 
 

 ホトケノザ

   コセンダングサ  枯草の色も冬の愉しみ。 
 造形の絶妙さといったら…

 

   犬ふぐり色なき畦と思ひしに   貞

   あしたには咲きそう  (別名 星の瞳) 

 

 

 

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小さな家

2012-02-02 | 別所沼だより

 彫像もふるえる寒さ…  
  朝の気温 氷点下5、6℃  日中でも5℃くらいだ
  途中 美術館の池に厚い氷が張っていた
         


 木立はすっかり葉を落とし とおく青空が透けている
  

   噴きあげは 白鳥が羽ばたくよう
   

  基に しぶきが凍っている 
 
 


   朝日新聞 方丈記800年 

 「ヒアシンスハウスの写真が載っています」
  奈良から送ってくださった朝日の夕刊(2012.1月6日)です。
   (拡大してご覧ください)

  流れは絶えず 方丈記800年 (下) 
   足るを知る 暮らしの先人  久保智祥

 「方丈記」 が問いかけているのは、人の生き方だけではない。 冒頭部分。 絶えない河の流れと浮かんでは消える水泡を例示した後、こう続く。
  人と栖(スミカ)とまたかくのごとし …

 広さは3メートル四方、わずか5畳余。 その極小空間に、 阿弥陀如来と普賢菩薩の絵像や法華経…… 歌書や楽譜、  琴と琵琶など 最低限のものだけ置いて…
  
 一見不便な暮らしに、 実は喜びがある。 屋根を打つ雨音や鳥のさえずり 虫の鳴き声も間近に聞こえ 自然との融合感がぜいたくに思える。

  「小さな家」に魅せられた人物はほかにもいる…
 建築家のル・コルビュジエ  南仏の海辺の小屋。  アメリカの作家 ヘンリー・デビッド・ソローは 小屋暮らしを「森の生活」に記す…  詩人 高村光太郎は 花巻の炭焼き小屋に起居し

  詩人で建築を学んだ立原道造は
 「ヒアシンスハウス」と名づけた理想の小屋をスケッチした。
  
   先人たちは小さな家に幸福を重ねていたようだ…  (久保智祥)

   

 

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