図書館に行き、つづきを調べた。
「風信子」「夜香蘭」などの表記のほかに「玉簪花」もあった。簪の字は(名詞かんざし)動詞では「かざす」となる。これも花の風情にふさわしいと思った。美少年ヒアシンサスの神話もある。
日本国語大辞典(小学館)には北原白秋の歌も載っていた。
ヒアシンス薄紫に咲きにけり早くも人をおそれそめつつ
道造とともに、すきな白秋。一語一語かみしめる。 そのことばに、いつも酔う。
白秋は「桐の花・植物園小品」のなかで、目にする植物を30種以上も、鋭い感性でとらえている。その中にヒアシンスはつぎのように登場する。
『眼をあげよ。今、くわつと明りし二本の楠の梢を、サンシユユの黄なる花の光を、枯れ草の色を、淡青きヒヤシンスの芽のにほひを。』
黄と、枯れ草の色、うすい青。対比もうつくしい。それぞれの色がにおいたつ。ちいさな風に小刻みにふるえるのが見えるようだ。心ふかくみつめなければ、わからないようなことを、道造も白秋もことばにできる。言葉が湧きあふれている。 天才!
ほかにも好きな一首がある
ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫フルひそめし日 白秋(桐の花)
「風信子」「夜香蘭」などの表記のほかに「玉簪花」もあった。簪の字は(名詞かんざし)動詞では「かざす」となる。これも花の風情にふさわしいと思った。美少年ヒアシンサスの神話もある。
日本国語大辞典(小学館)には北原白秋の歌も載っていた。
ヒアシンス薄紫に咲きにけり早くも人をおそれそめつつ
道造とともに、すきな白秋。一語一語かみしめる。 そのことばに、いつも酔う。
白秋は「桐の花・植物園小品」のなかで、目にする植物を30種以上も、鋭い感性でとらえている。その中にヒアシンスはつぎのように登場する。
『眼をあげよ。今、くわつと明りし二本の楠の梢を、サンシユユの黄なる花の光を、枯れ草の色を、淡青きヒヤシンスの芽のにほひを。』
黄と、枯れ草の色、うすい青。対比もうつくしい。それぞれの色がにおいたつ。ちいさな風に小刻みにふるえるのが見えるようだ。心ふかくみつめなければ、わからないようなことを、道造も白秋もことばにできる。言葉が湧きあふれている。 天才!
ほかにも好きな一首がある
ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫フルひそめし日 白秋(桐の花)