別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

森アーツ

2005-06-29 | アートな時間

 やさしいお手紙が届きました。添えられた手作りバンドルズのラヴェンダーは、香りもすがすがしく、それにも増して、手紙のもつ、なつかしい匂いと、忘れかけていた手ざわりを思い出しました。あれほど好きだった手紙。久しくてがみを書かなかった自分を責めました。
 なかに、お勧め!と紹介されている「フィリップス・コレクション展」

 雨の中、六本木へ出ました。 
 なんと言っても ルノアール「船遊びの昼食」 縦1.3m×横1.7mをこえる大作。
 集う人たちの話し声、ささやき。フルーツやワインの香り、グラスの輝き、婦人の帽子、その飾り、子いぬの瞳。白いクロス。赤、黄、緑が効果的。女優、詩人、モデル、画家、シルクハットの紳士。セーヌの風、木々がそよぎ、幌をはためかせ強い光が揺れる。それは人々に反射し詩があふれている。 

ほかに
 シスレー ルーヴシェンヌの雪
 ゴッホ  アルルの公園の入り口 
 エル・グレコ 悔悛の聖ペテロ
 エドガー・ドガ  稽古する踊り子
 セザンヌ  ザクロと洋梨のあるショウガ壺
  所蔵品数2400点のうち60点を見ました。
 
 どれが好きかと聞かれればブラックの「円いテーブル」。彼の感覚的な絵、知的ですき。ほかにラウル・デュフィ(オペラ座)の絵はがきを買いました。

 心ならずもつづけたご無沙汰を、失礼をかさねお詫び申しあげます。
 変わらぬ心熱いお手紙をありがとうございます。ペンを持つと字がふるえる今、PC中毒に罹りました。またの名をパソコン熱中症と自分で決めました。 ただ今、リハビリ中です。
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せめて見れば

2005-06-25 | 自然や花など

 百合の花粉は、油分を含んでいるのでなかなか取れない。こすると益々シミになるので、セロテープを使って、ポンポンと叩くように取ると良いのです。

 厄介な花粉も、絵にするときは重要なポイント。
  取ってしまったら味気ない。 

 ある日 葯をじっとみつめたら、外がわのグリーンが花粉を包んだ。つまり両手の甲と甲をあわせていたものが、 ぱっと返って手の平を合わせたようなのだ。パウダーを守るようにくるっと内側に抱えた。
 すごい! 雨から花粉を守るのか。暗くなると閉じるのかな???

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グリーン、グリーン

2005-06-21 | 別所沼だより
沼の正面(南)から望む

  エメラルドグリーン、萌葱、コバルトグリーン、セージグリーン、ビリジャン、
 深緑、柳色、緑青色、青丹……     まだまだ足りない!
     それからヴァーミリオンをすこしばかり、

 道造のパステル、緑系ばかり全部集めてきょうの別所沼。気温30.2℃。
    水面をわたる風が心地よく、木陰で読書するひとあり。

  小ガモは親鳥と変わらぬ大きさになった。
    賑やかな、おしゃべりは止まらない
 ヒアシンスハウスの雨戸は閉まっていた。プラタナスがはためくなかを
 あるじはどこか、お出かけらしい。  

反対側(北)からの眺め 鴨が見つめる噴水

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小望月

2005-06-20 | 別所沼だより


 昼の暑さをしのぐゆうべ。小望月がきれいに昇った。
  描きかけの枇杷の絵が気にかかる。

ふと…
 「夜、窓をひらくと、あたらしい油絵具のにほひがぷんとした。近所に絵描きのアトリエなどある筈はないので不思議に思ふと、明るい月が隣の家の屋根に絵を描いてゐるのだ。仕事を邪魔してはわるかろうと、窓をとぢてゐたら、やがて一なすりばかり、こっちの窓のガラスにも、透明な水銀色を塗って行ってくれた …略…」 立原道造 

 今宵の月、たのしい夢みせてくれるか
   実際はかぎりなく○にちかいお月様。すこし歪んでしまいました。
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ジューンドロップ

2005-06-19 | 自然や花など

 すてきな季語。はじめ 雨粒を連想した。
梅雨の晴れ間、散歩道に転がっている。
 青い実と、陣笠ふうの蔕は青丹いろ。これがジューンドロップ。
 柿は成り過ぎた実を、みずから調節して落としている。
かしこい柿の木。
  立派な実になりますように。

 この習い、花にも仲間があるらしい。
 人工的な摘果や摘花もあるけれど…
 直径18ミリ まるで黄緑の釦 つかの間の薄い空色を映していた
 丸かとみれば四角くて、そっくり柿の実。 
  あたりまえだが感心する。

June beetle コフキコガネ (コガネムシの一種)
June bride 6月の花嫁  きょうは大安

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虎が雨

2005-06-17 | アートな時間

葛飾北斎 滝見巡礼(肉筆画) 野暮用のあとはお楽しみ、  三越で
 「原安三郎秘蔵コレクション 北斎と広重展」を見た。
氏のおかげで肉筆画も含め、約240点を堪能できました。風景画が主で、細やかな描写、粋な構図など、逸品ぞろいです。

広重に注目。  なかでも雨に惹かれ
 東海道五十三次より 「大磯 虎ケ雨
   虎ケ雨…夏の季語 陰暦五月二八日に降る雨。曾我十郎の忌日、愛妾だった遊女虎御前の涙が雨となって降るという。曾我の雨。虎が涙。

  「四日市 三重川」では強風に笠が飛ばされ、庄野宿では夕立(白雨)となった。
 「大はしあたけの夕立」に、ゴッホもならぶ。

 広重の雨はスピード感と、つよいが繊細、糸のような線が交差して、ほんとに美しい。
 梅雨もまた楽し。 これから雨の軌跡をたどりたい。

  作品の多さ、人の多さにめまいさえ覚えた。二時間の鑑賞。 小さな絵のなかに細密な人物描写。丹念にみつめると、パソコン疲れの目が、しょぼしょぼしました。

     夜の音は恨むに似たり虎が雨 夏目成美  
       ことしも降るだろうか?
 

  写真は 葛飾北斎 滝見巡礼(肉筆画) 
  チラシより。スキャナーの都合で上下が少し欠けています。北斎氏に申し訳なくて…
        詳しくはこちらのサイトでご覧になれます

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雨の音 ♪!

2005-06-15 | 犬のブロンコ・ダン

 今日は雨  !.. !!・ ♪.・ !!♪ 
   しずかな時間 
    昨日のぐちゃぐちゃノートを整理する。散歩もないしな……

    こいぬの はなに ぴこん
   こねこの しっぽに しゅるん
   かえるの せなかに ぴたん
   すみれの はなに しとん
   くるまの やねに とてん  
           
いろんなおとの あめ 岸田衿子から抜粋

 それぞれに それぞれのおと いつまでも童心
    
            

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わん力

2005-06-13 | 犬のブロンコ・ダン

 小さな躯、ほそい足。贅肉なしの精悍な若者になった。走るのが大好きだ。公園でも狭い庭でも「ボール投げて!」と陽気な顔でやって来る。期待に眼をきらきらさせて「はやく! はやく」とせがむのである。

 なぜわかる?とお思いでしょう。これは日々のつきあい! 密度の濃さ! 飼い主はその声、眼の色、動作から、雰囲気で、何もかも分かるようになってしまうものです。
 
 第一、吠え方が違う。甘えたように、ここは軽く、快活に、「わん! わん!!」 警戒のそれとは全くちがう明るい声。
 仕事そっちのけで、ずいぶん相手をしたものだ。


 タオルの端を銜えての綱引きもある。犬の力は躯前方に集中しているようだ。前足の踏ん張り、頭と首の力が異常につよい。体高およそ30センチ、胴の長さ50センチくらいだが、ぐいぐい引っ張る。

 リーダーになりたい、先頭を歩きたい。お年寄りなら引きずられ、転倒しかねない。小型犬でこれだから、大型犬のそれも推測できよう。
 しかし、後ろ足はふらふらなのだ。向きを変えたいなら、指一本、おしり横にあててくるっと廻せば、簡単に方向転換できる。前後の力の差、ほんとうに驚く。

 布を銜えぶるぶる振り回すのが得意。むち打ち症にならないかと心配するが、本犬はけろっとしている。「どうです? すごいでしょう?」と、眼が言っている。
得意気な気色が、黒い顔に浮かぶのである。

 おしゃぶりを、よく与えた。大型犬用と思われる特大サイズだが、脇目もふらず1時間でほどく。恐るべき集中力! これのおかげか、歯は全部そろっている。未だ1本も失っていない。
  ただ今17歳6ヶ月
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雨のいろ

2005-06-11 | 自然や花など

 微雨が降る…  花も人も霧のなか
 やわらかな雨の音  聞こえます

 雨の名前をたどったら 季節のうつろい
 見えるでしょうか

こころ模様を雨に映して   
夏の雨いろいろ 

・五月雨(サミダレ) 

・青時雨  ・青葉雨 

・雨濯 (ウタク 陰暦六月の雨 洗い流してしまうほど)

・梅時雨  ・慈雨  ・翠雨 (青葉をよりつややかにして降る初夏の雨 若葉雨、緑雨とも)

・梅雨  ・梅霖 (梅は梅雨 霖は長雨。 念の入った言葉である) 

・白雨  ・麦雨  

・半夏雨 (夏至から11日目、陰暦5月26日の半夏生の頃に降る大雨のこと)。 

・芒種雨
 (ボースーアミ 沖縄県中頭郡で、梅雨をいう。芒種は稲などの芒(ノギ)を持つ穀物の種をまく意)

・夕立 ・雷雨 

・涼雨(晩夏、一服の涼味をもたらして降る。気持ちもいいが、やや寂しさもある)
                                   (雨の名前 高橋順子より)
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かなしみの色は

2005-06-05 | アートな時間
 ノートには好きな歌が書いてある。吉井勇の歌だ。いつ、どこで会ったか記していない。どこかの抜き書き。

 ☆ 広重の海の色よりなお淡(ウス)き我がこのごろの悲しみの色

 どんな悲しみだろう、こころに沁みた。そのまま覚えた。
 何年かして、はじめて吉井勇歌集を読んだ。
  「昨日まで 秋と冬」のなかにある一首。 

 ☆ 広重の海の色よりややうすしわがこの頃のかなしみの色  

 メモした歌と歌集の歌は微妙に違っている。
  なお淡(ウス)き と ややうすし 

 東京国立博物館、広重の「阿波鳴門之風景」のまえで、この歌のことを思い出した。吉井の胸にきざまれたヒロシゲブルーはどこにあるだろう。この版画は渦潮を花に見立てているとあった。

 「なお淡き」に惹かれた。「ややうすし」より、こころを鮮やかに写している気がした。歌集が正しいとしても、なお淡きをとる。
 感覚だけでこれを選ぶ。

 企画展は見ず、本館のみ。蕪村の書状や池大雅の書(七言二句)を見て満足。ベルリンの至宝展は大混雑。
 茶道具の棗を入れる仕覆が好きだ。武相荘を訪ねしより。能「杜若」の展示も。四時間ゆっくり堪能した。ショップで小さな買い物。
 ユリノキ、泰山木の花盛りなり。山を下りてうさぎやに寄る。
-☆-
 ユリノキは半纏木、ルピナスさんに教わりました。半纏木なら近くの公園にもあります。急げ!カラスが多いから
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太陽がいっぱい

2005-06-01 | 別所沼だより

 水に抱かれて、晝の鯉よ、眠れ。
   ・
 鳥の羽毛が重さをくらべあった、水の底にまで沈まうと-
 --家鴨はばかだ。
   ・
 柳に風が揺れてゐた。柳は少女に似てゐるから。
 髪を編んで、ときどき影を映して。
   ・
 風が、波を作って逃げる。
 波が追ふ。一しきり、藻のざはめき。
 しづまると、雲が浮く、音もなく。
  ・
 波のかけらに太陽は千もある。
 粉々に、おまへはあぶくの上にも休む。

    立原道造 「池のほとり」

   ~…~…: ~…~…: ~…~…: ~…~…: 
  
   暑い!  烈しい光! 
 
  日盛りに、鯉も 黄菖蒲も 鼻のくろい猫も
 そろってシエスタしている。
     
  元気なのはカルガモの雛たち。
 もうヒヨドリくらいの大きさになっている。ぜんぶで7羽?
 この間は 8羽いたと思うけれども。

 帰り図書館で 道造の「鮎の歌」を借りる。
   今夜読みましょう。

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