別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

名画と百合の花

2007-05-18 | アートな時間


  鮮やかな色彩、質感、構図、遠近、 絵は右斜めから見る… 収穫の多い展覧でした。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯追い求めた思索の出発点となる 「受胎告知 」です。 20歳頃の作品。ガブリエルの翼は本物の鳥のよう。 百合の花、 足下の植物、 心の動き。 髪の毛1本1本、 何処をとっても細密です。
    写真:チラシから  裏面はこちら。 さらに拡大できます。
 映像や模型によって 「万能の人」の実像に迫る試み… 芸術を科学的に、哲学としても見せてくれました。

 
  血管や河の流れ、樹木の枝わかれ など 共通した一定の決まりがあることを知ってこそ、 木を描き森が描ける、 人間の感情は表情となり動作となる… 名画はさまざまを教えてくれました。 
  「少年キリスト像」 テラコッタ。 伝レオナルド・ダ・ヴィンチ。 今まさに 言葉を発したばかりのように薄く開かれた唇…   かすかに動く… 鼓動までも聞こえるようだ。     

  「かたち」のとらえ方。 かたちは無限に変化し(見る角度)、その変化には共通の法則がある。 (こういう話しが 実は大好き。 何でも証明できるなんてすばらしい!)

  
   運動の法則の研究。 落下の速度、 衝撃の強さ、 音の増減すら運動と捉える。 驚いたのは人間の「感情」も 精神の「動き」として分析した。 (身近で興味も湧く とても面白い!) 
  遠近法など、何気なく描いてきたが試したいことがやまほどできた。実り多い日。 来月のスケッチが楽しみになった。 展示品一覧

              
                                         -☆-

  
     お待ちかね!  あの ユリノキ                            

  開きかけの新しい花をたくさんつけていました。 
      


 
  葉の中で埋もれています。
    
                

右  法隆寺宝物館まえより東博方向を写す。 水があると引き寄せられる習性なり
青いドーム屋根は 表慶館です
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8 コメント

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学習しました (boa !)
2007-05-19 07:26:33
特5の展示は縁がありませんので、リンクを貼っていただいたページから、じっくり学習させていただきました。
モナリザのときの大騒ぎのニュースも思い出します。

完璧主義のダ・ヴィンチとは、まさに対極にある朦朧と、省略を求める東洋絵画にあこがれて、さまよい、妥協の産物をこしらえている身にも、基本の基は何なのかと、反省と、さらには学ぶ点も多くありました。

東博のたたずまいも、庭園も何もかもしっとりとして、堂々たるものです。
いつも垂涎ものですが、心からの感謝をこめて。
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右から左へ ()
2007-05-19 11:23:06
 昨日は学習しました。 ですが今日は自分流、キャンバスに向かう頃には忘れているでしょう。 美術学校にも行かず基本を知らず。 楽しいからと飛びついて …ふまえた後にデフォルメですね。基本は苦しい。 飛び越えて壊す、遊んでいます。

 ダ・ヴィンチは5分待ちでスムーズに流されました。
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行ったの!? (sora)
2007-05-19 14:00:43
ずっと前から夢を見ている…なかなか見には行かない。(本当は行かれない!のかも)
行かれたのですねぇ。良かったですね。ラグタイムさんの感動を聞かせていただいて良かったです。ずるいけれど、その感動を頭に描きながら、私の感動を上乗せ?というか添えられていけば、また凄く感動してしまうかも…。でも期待し過ぎてズッコケルなんてことも、無きにしもあらず…。
このような、「待ち」の時間も私は好きなんだぁ!
人生、ず~っと何かを待ち続けて過ぎていくのかも知れないなぁ。
全部叶えながらだと、次の待つものを絶えず探していなければ成らない…あぁ、このスタイルも私だと気づきました。
兎に角、近いうちに参ります。
そうそう、澁澤龍彦カマクラノ日々…を観てきました。必要に迫られて出掛け、そのついでに観てきたのですが、頭脳明晰な方の生き方は、どんなことにでも凡人たる私は魅せられて、参りました。そして一気に疲れを感じてしまいました。
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行ってきました! (ラグタイム)
2007-05-19 18:26:21
 となりで鑑賞する方は もしやsoraさん? そう思いながら観て歩きました。 完全無欠なひとダ・ヴィンチに圧倒され、ひどく疲れました。 

 澁澤龍彦カマクラの日々… 行かれて良かったですね。 近くなので幻想美術館の方へは2度、講演(講師、本展監修者の巖谷國士)も聞きました。  若者が多く、立ち見で3時間、盛会でした。 浦和旧制高校出身 美術館あたりに寮があったので多分このへんを歩いた…と想像。著書の「裸婦の中の裸婦」面白いですね。どんな学生だったろうと思いを馳せました。
 soraさん いつからでも大間に合いですからね。 
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15日雨の午後に (たこ)
2007-05-20 15:26:58
ラグタイムさん、
私は15日雨が上がる頃家を出てダ・ヴインチ展へ行きました。本館にはすぐ入れましたが、荷物検査があり、バッグの中身を調べられました。
一番近い場所での鑑賞はしませんでした。「立ち止まらないでください」の声を無視する人が多く、最前列の人は動かないので、最前列の人の頭越しに観ただけです。

伝ダ・ヴィンチ作の少年キリスト像...引き込まれました。

ユリノキの写真を写されたのですね。私はその日はカメラを持たなかったので近寄ってしっかり見上げてきました。一番の見頃でしたよ。

改装された表慶館に入りました。
今は「みどりのライオン」(みんなで楽しむ教育スペース)になっていると知りました。

東博の池も“ゼリー状”ですね。
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ようこそ! (ラグタイム)
2007-05-20 17:30:30
 たこさん お茶の合間に、変わらず美術館廻りをなさって。
 バッグを開けて検査しました。 2列目で人の肩越し、隙間から部分的にじっくり見ました。 頭の中で繋いだ受胎告知。

 表慶館のドームがアクセントの写真です。 博物館の常設で杜若の能衣裳など展覧中でしたが、知らず素通り。残念でした。
 オガタマの木に誘われて奥に進んで、法隆寺の宝物、仏像を観てきました。 
 きれいなゼリー!
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5月の風をゼリーに (sora)
2007-05-23 10:25:36
たこさんとラグさんのユリノキ情報につられて、やっと重い腰を上げて行ってきました。

ダヴィンチはもう少し待っていてくれるけれど、花の時期は知らん顔して通り過ぎて行ってしまうもの!
そして何より道造の好きな5月の風も、ゼリーに閉じ込められないもの!

人混みに押されて観る美術展は本当は嫌い…敬遠しながらも何となく心がそちらに向いてしまう。待ち時間情報も5分、10分の頃で、前の列で拝観。絵の前で少し立ち止まれてよかったで~す。おかげさまでした。

「受胎告知」から平成館、そして本館へも足を伸ばしてほぼ3時間…すっかりお腹も空いて足は「もう勘弁…」状態でしたが、すっかり心は満腹感でした。

お二方にお礼申し上げます。出掛ける気を起こさせてくださり背をそっと押していただきました。
あ~、億劫がらずに出掛けることが今日の教訓。80歳を超えておられるような感じのご夫人がお一人で鑑賞されていたのが、今も脳裏にあざやかに刻まれております。そうありたいもの…なれるでしょうか?
(私ではやっぱり無理、無理!)

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何処へ行っても (ラグ)
2007-05-23 21:59:49
年配の方が多く、そして熱心ですね。 蛙も年配!! 

 soraさん お元気出して!  
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