ドアの向こう

日々のメモ書き 

夕暮れの時

2007-08-26 | 自然や花など

   投票を終えると 日が暮れようとしていた。  そうだ 夕焼けを見にいこう…

   見晴らしのよいところに出ると  すでに 薄いブルーの帳がおりはじめ 

    きょうの名残りを惜しむように  あかね色が熔けてゆく

     帯のような水辺を染めて   墨絵のように暮れなずむ街…

       空が小声で歌うのを   じっと見ていた         

                                                                              17:51

   

    夕ぐれの時はよい時   かぎりなくやさしいひと時  (堀口大學)

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秋の声

2007-08-24 | 自然や花など

  日盛りに  夏と秋とがせめぎ合い  畑中の道を駈けてゆく。

  蝉は絶唱し   暑いひかりを援護した。
    凌霄の朱  百日紅の紅  モミジアオイのあか・あか・ … 

  
    ひとすじの風が  初めの秋を 運んできた
       陽は 鱗粉を混ぜたような  白い耀きで 
          
 芋茎のかげの蟋蟀
 本箱の後ろでカネタタキが チン チン チン チン  カンタンがル ル ル ル
   目を閉じてきく虫のこえ  秋はしずかにやってくる                         
                                                           (音量調節してください)

 

       爽やかな  秋の空  秋の雲     
      葉擦れの音に  そよぎにも   なんとなく  秋の声して

          秋は夏のおわりです 


    げに   男心と   秋の空…        
                       はて  女心と ……  
 

 
 
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片蔭

2007-08-20 | 自然や花など


 連日猛暑…

 信号待ちも 身を細くして
電柱の蔭に隠れている 
 

 

 犬行くや一筋町の片かげり
             青邨

  舌を出してトボトボと…

 

八方の灼けてたヾ刻 経つばかり
            暮石


 焦げそう…
じっと がまん! 

 

 炎ゆる日の甍の上にとヾまれる 
            秋を

 

  みなさま   おだいじに…              

 
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森の芸術

2007-08-01 | 自然や花など

 
   ショパン弾き終へたるままの露万朶(バンダ)     中村草田男

  雨あがりの見沼を歩いた。  浮いているか、 流れてゆくか…
      雨だれのうたが止む、 落ちんとす   神秘の♪。
    五線紙の音符が 入りみだれ  おびただしい滴になった 

   白玉を 糸に貫ぬいたような  
  はやりのビーズも  ちいさな音色でもどってきた 
 

 秋の野に置く白露は玉なれや貫きかくる蜘蛛の糸すぢ   
                      文屋朝康フンヤノアサヤス(古今集)  

 
 真珠をかがったように見えるのも たいそう風情があって おもしろい 
    とも言われ

     露燦々胸に手組めり祈るごと          石田波郷
     瞬くや露は睫毛にあるごとし           目迫秩父
  

  漂う露の
清らかなヴェールのまえで  爽やかになった。 

     雨あがりのしづかな風がそよいでゐた  あのとき
     叢は露の雫にまだぬれて  蜘蛛の念珠オジュズも光つてゐた
     東の空には  ゆるやかな虹がかかつてゐた
     僕らはだまつて立つてゐた  黙つて!
                       (立原道造 虹とひとと) 抜粋

  

 

 

 
      うつくしきもの…    瑠璃の壺。  枕草子

   かわいらしいもの ガラスの壺。 粒が りんりんと鳴っている 
          
                  -☆-
         
     蜘蛛の囲の遮る径は返すべし      富安風生

   御簾の向こうに広がる風景  シャワーを浴びて徐々に甦る、 みずみずしい色の見本帳をめくってみた。    

    

  蜘蛛の種類によって 網の形も変わる。 店網タナアミ ・ 丸網 ・ 籠網など、さまざまだ。  立派に造った主はだ~れ?  黒と黄色のタイツを 穿いて、 まだ 隠れているのだろうか。



      2007.7.31

 

 

 

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