別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

虫偏Ⅱ

2009-07-31 | 夢見鳥

   強い南風に押し戻されて大きな蝶が ゆらりとやって来た  
  サッシの向こう側    硝子越しに撮った

     あ こ が れ の  カラスアゲハ!!!  

    小刻みに 羽根を震わせるので ぼやけて写った
    朱色に白の星模様で   大胆なお洒落     7月29日 13:14
        それとも  クロアゲハだろうか  よくわからない

             -☆- 

  これも 虫…      

    生きている虹   

         7月27日 18:28 
 

 

 

 

 

            -☆-  

   朝早く燈籠のうえに
      枯葉がいちまい 
  異常な気象  強風に飛ばされてきたか
  

  雨に打たれて  びしょ濡れだ

 

  蛾だろうか
    ねえ 起きて!      7月31日 8:06

  
         何度か  すこし羽根を広げるしぐさ
           がんばれ!    フレー    フレー  
               消えそうに かすかな息をして     

           

 

    とうとう 動かなくなりました

 

   ごめんね…    助けられなかった   8:50
         翅裏は枯葉そっくり  青い色から ルリタテハか    
    

 

    

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夜会

2009-07-30 | 別所沼だより

19:02

  黄昏は音もなくやってくる。  
 雲間に淡々しいブルーや輝きを感じていた。 
 ふと見れば  沼に灯りがただよっている。 18:24  木の間に街路灯が光る。 鴨たちは、 あわただしく塒をさがし、 囁やきながら見えなくなった。 久しぶりに見る別所沼の夕暮れ

 

18:54

  上弦の月と部屋の明かり  いつもと違う ヒアシンスハウス
 トリオの演奏に   聴きいるひとたち

 

 いまたいへん紅い爽やかな夕雲が空にあります。
    それで僕の部屋までうすい紫がかつた光りにかがやかされます…

18:57     
 
  7月30日  詩人で建築家 立原道造さんの誕生日です。
   ヒアシンスハウス夜会を  ちょっとだけ覗きました。 
   

  
   キャンドルの炎を眺めながら 語らいは9:00までつづくのでしょう。 
    残念ですが  蛙は7時半ころ帰りました。

   次の夜会は 
      8月1日(土) PM 6:00~9:00  お気軽にどうぞ 
    特にイベントなどは行いません。  ご案内                      
                  
                   


 

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ノア・ノア

2009-07-24 | アートな時間
「女性と白馬」晩年の作品

  東京国立近代美術館の
    ゴーギャン展  
  本物にはじめて出会い あらたな感動をした。   

  訪ねたゴーギャン美術館に原画はなかった。 作品は世界中に散らばっている。
 写真で感じるようなどぎつさはなく、 明るい色と丹念な筆触に感動する。 野生にひそむ爽やかさ、 やさしさがこころを打つ。  モームの月と6ペンスでゴーギャンの印象は変わってしまうが 実は子煩悩だったことも添えたい。 

                -☆-

  雨具をたずさえて美術館まで流れ着く。 東京駅からはシャトルバスに乗って。 こころ躍らせる人達と並んだ。 未だ空いている。 女学生のグループ、 車いすの老人、 寄り添う婦人… 静かな足どりで じっと 熱い視線を送った。

  
  初期は印象派風、 ケルト民族の伝統が息づくフランス、ブルターニュ地方との出会いが作風を変える。  風景は色面の組み合わせ、 色彩の帯が魅力的だ。 どの作品も、 どの色も、 すべてが快い。

  「西欧文明によって失われつつあるタヒチの歴史や文化に、 自らの「野蛮人」 としての感性を重ね合わせた。 タヒチの風土やキリスト教的なモチーフ、 古今東西の図像が豊かに混じり合っている」 パンフレットより

 大作のまえで 自問する。

 我々はどこから来たのか? 我々は何者なのか? 我々はどこへ行くのか?

   

 人生をかさねても  なかなか答えは見つからない…  
   絵画として、作品として隈なく見つめる。    

  モンフレーへの手紙によれば 

  私はこのタブローが これまでのどの作品よりも高度であるだけでなく、これ以上のものも、あるいはこれに匹敵するものも 二度とつくることはできまいと思う。

モンフレーへの手紙

  生と死 文明と未開など考える。  
  ノア・ノア…  かぐわしき大地。 守り、 後世に残したい。 
  我々は どこへ行くのか…

  常設展のほか 企画 「寝るひと・立つひと・もたれるひと」 も楽しい。 一枚の平面、そのなかの絵画。 上下左右の認識。
  工芸館 涼しさ招く作品。 薄もの、白地に模様染の爽やかさ。 芭蕉布、麻。  藍染の涼味。 白竹の清々しさ、 銀の冷たい感覚。 磁器やガラスの透明感。 作品に触れることは出来ないけれど 鍛金のヒンヤリした感触。 くるみ縫い。

  北の丸公園 楠にアオスジアゲハが群れている。 桜並木に蝉の声。 ちいさなニイニイゼミだった。
  忙しく 有意義な一日。 7/23

 

 

 

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オキザリス

2009-07-18 | 別所沼だより

   

   来る途中、 子供御輿にであった。 担ぎ手も、世話役も汗だく。 きょうから夏休みだ。 蝉が鳴いている。 朝のうち小雨、 のち曇り、 無風。 団扇が離せない。 さらに昼頃の雨が追い討ちをかけて水分は飽和状態、 湿度82%もある。 気温28℃。 

  ミントの寂しげなふじ色、 オキザリス(カタバミの酸っぱい味を覚えている)の鮮やかなピンク、 水引草はあかい点描でなぐさめるけれど。 歪んだ硝子窓のむこうに、 ノッポな緑が水中花のように揺らいだ。


  水面を見れば雨が降っている

  涼を求めあつまる人たち、 走るひと… 回り灯籠のように、 音もなく過ぎてゆくのをぼんやりながめた。 足長蜂がなんどもご機嫌うかがいに来る。 カーテンの蔭に巣を作るつもりらしい。 

 しばらくどなたも見えないので、 すっかりここの住人になって本を読んだりメモを取った。 こんな時、 道造さんが飄然と現れたりすればクールになれる… 
 サウナのなかで いよいよ朦朧体になっていた。

 

   

  ヤマモト先生がジョギングの前後に立ち寄られた。 漱石が描く女性像など伺う。 ご研究の一端をさらりと話してくださるので、 いつも楽しみです。 写真に撮ったピンクの花はオキザリス。

  元気な坊やを追いかけて、 偶然入る方々。
  別所沼やヒアシンスハウスを文化発信の基地にして… 喜ぶ方など。 
   来訪10名。

                      -☆-

  今月の作品展示  ふしぎな小品展  江刺亜希子   ~8月30日
   いろいろな素材、 風景を織り交ぜてつくった作品
    

 

   和紙、 毛糸、ランプの芯、 麻縄、 しつけ糸の束、 籐編など。 
 作品の説明もタイトルもなかったので 勝手に想像する。
   ペガサス…  雄鳥… 

   

 

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まどろみ

2009-07-12 | 犬のブロンコ・ダン

   

 

     そよかぜにのって 下草がゆれる
      緑が鼻をくすぐった  

     コンクリートのヒンヤリ硬い湿り気  
     ふわ ふあと おだやかな寝息   
      しどけなく  愛らしく  
       

 

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嫌われもの

2009-07-08 | 別所沼だより

  蒸し暑い梅雨のそら。 しばらくうっとうしい日が続きそうです

   

    それで写真は  6月20日です。
  梅雨が明ければ ぐったりして 
    今のうちに こころ模様を雨に映して、   雨音をたのしむのもいいですね。

         



   ヒメシャリンバイに絡みつくのは なんでしょう


         

  ここから  大きな声で読んでみて

  ざう莢ケフに 延ハひおほとれる 屎葛クソカズラ 絶ゆることなく 宮仕へせむ  

 小さな声でよかったのかも。
 万葉集中たった一首歌われたヤイトバナ、 ヤイトはお灸、 花がその痕に似ている。 屁糞葛ともいわれるのは蔓をひけば臭気にガッテン! 
 可憐な花は、 早乙女花(サオトメバナ 出典:花おりおり) が、ふさわしい。 その実も好き。 ザウケフは皀莢サイカチ  

  さあ  這いあがる蔓のように 元気をだして 

 

          

 7月29日(水) 8月1日(土) 
  いずれも5時頃から、 ヒアシンスハウスに明かりをつけて
  沼の夏の夕暮れをたのしみます。 お出かけください。 

 

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トンボの眼

2009-07-06 | 別所沼だより

    朝食のあいだ外を見ていると  何かスーッと舞い降りた。
   赤とんぼにしては 色が薄い。 秋には濃くなるのかしら
      平均台のアスリート。


 

      蜻蛉の舞ひ澄む真向横向きに  泊雲

    つま先立ちで なかなかこちらを見てくれない

 

 

     蜻蛉トンボウの夢や幾度杭の先   漱石

      じれったいなあ… ぜったい近くにとまらない
       太公望でにぎわう さぎ山記念公園   
      黄色が目立つのは ギンヤンマか  さっぱり分からないけど


     ラリックの透かし彫りをおもわせる精緻な羽根。 背面にコバルトブルー 
  エメラルドグリーン  アジサイ色のからだ、 みずいろ眼鏡…
   シオカラトンボは 陸にあがって冷えた体を温めているのだろうか 
   睡蓮が絵のようだった見沼自然公園で

   
  並べてみれば どれも後ろ向き。  みんな2mも離れたところにいる。 ホバリングしたり、 追いかけっこしたりするけど、 写真は静止画ばかり。
   
  ルナールによると 蜻蛉は眼を患っているらしいのだ。 
 
  彼女は眼病の養生をしている。
  川べりを、あっちの岸へ行ったり、 こっちの岸へ来たり、 そして腫れ上がった眼を水で冷やしてばかりいる。 じいじい音を立てて、まるで電気仕掛けで飛んでいるようだ。


  きれいになった数ある瞳に、 とおい景色やさざ波を映しているに相違ない。
  確かに じいじいいった。 フェイントもうまい。 こっちに来ると思うやいなや急旋回して、 すっぽかされてしまうのだ。 
   
  挿絵 博物誌から  ボナール画。
  あの ボナールかな  ナビ派の…  
  画家の妹 アンドレ・ボナール嬢には 遇ったばかりだ。
    

 

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水の華  

2009-07-04 | 別所沼だより

  

             風は 或るとき流れて行つた
             絵のやうな うすい緑のなかを、
             ひとつのたつたひとつの人の言葉を
             はこんで行くと 人は誰でもうけとつた

             ありがたうと ほほゑみながら。
             開きかけた花のあひだに
             色をかへない青い空に
             鐘の歌に溢れ 風は澄んでゐた、

            気づかはしげな恥らひが、
            そのまはりを かろい翼で
            にほひながら 羽ばたいてゐた…… (後略)

                  Ⅰ 憩(ヤス)らひ  ― 薊のすきな子に ―   立原道造

                  -☆-

  沼の水が汚れている。 気温があがるにつれて水面はアオコ、 青い藻のようなのに覆われる。 水質浄化は進まないのだろうか。 4年くらい前からはじまった試験、 ブロックもまだはずされない。 沼が赤茶けた色に染まる日もあった。 こころが痛む。
 
  風はこれほど澄んでいる。 メタセコイアが涼しげな顔で、 すらりと出迎える。 その枯葉はいつも水底に積もっているのだろうか。 アオコは植物性プランクトンのしわざ、 水の華ともいわれる。 とんだ美人じゃない。 
 早く きれいな水になってほしい。 蛙もカワセミも待ってるよ
  ひとけのないハウスを、 紫陽花はしずかに見守った。

                  -☆-

  見沼では 蓮や睡蓮が咲きそろう。 水辺に花がよく似合う。 

  


  ヤブカンゾウ も競いあう

         

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