別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

この窓から

2015-04-20 | 別所沼だより

   ある人はうつくしい窓を持ち
   椅子に凭れて眺めるといふが
   僕の窓には黒ずんだ埃ばかり

   高い空を流れる雲の せめてあのあたりの
   青い色をと思ふのだが
   いつかの日にはそれさへ曇天の灰色だつた

 

   
   いつそ潮風でも吹いて来て

   海がひろがつてくれればいい
   この窓から ヨツトに乗るんだ

        「ある人は」   立原道造

 

 

 

 

 

 

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春嵐

2015-04-18 | 別所沼だより

 明るい静かな部屋で、 おどり狂う木々をながめるのもしあわせです。 風はときおりゴォーごぉと天井をゆるがす。 こんにちは…   ひとつきぶりのガイドです。 

スケッチする小学生が百人以上   あちらこちらに固まって

 ウコン桜は 盛りを過ぎて

 ほのかに紅くなりました。

 沼は若々しく変貌し 

 

 なにもかもが真新しく

  春になると
  人はおもてに出る
  荒れた芝生にまりを投げ
  犬とあそぶ
  いいにほひがする   立原道造「季節」


 来訪30名近く、関心を寄せ、窓からのぞき説明を聞く、いそがしく数えられない方たちが多くあった。 
作画会に付き添われた方や若いご夫妻など絶えなかった。 秋ヶ瀬では桜草まつり。
・蕨から自転車でお子さん二人を乗せて。
・友人を案内して。こどものころ別所沼で泳いだご主人のこと。
かざられた復刻版を手に、漱石と橋口五葉の絵に、たのしく進む。
・女性は子供のころ西宮で「司馬遼太郎著 街道をゆく」の挿絵を担当された「須田剋太」に絵を習っていた。埼玉の画家から立原道造にもつながった。
   
    神保光太郎の「湖畔の人」は須田剋太のことですね。     

          あの沼の畔
 
         ひとりの画家が棲んでいる

          蜥蜴のやうに
          いつも黙りこんで
          暗の画ばかり描いている

           あのひとが
          なにか神聖なもののやうに
          愛しい憶ひ出のやうに
          もちゐてゐるわづかなグリーン… 後略 (神保光太郎)

・東側の窓を開けると自然が飛び込んでくる。しぜんと部屋が一体化。
・ベッドに寝てみて、かわいい出窓からみえるはずだった沼を想像する。

(当時、立原道造は対岸の地主さんから土地を借りる約束をしていました。

 

 あらためて、お客さまの指摘にうなずきます。 暮らしの手帖 26号で(画 牧野伊三夫)紹介されたように、沼はハウスの西側に在り(現在位置とは逆方角)、小窓から水辺をみる夢でした。牧野さんのタッチもステキですね。 
 

 ここから沼が見えるのです。
  

  西日がえがくモダンアート。 小さな子供がたくさん来て、カーテンを引いたり鍵を開けたり興味津々。
春嵐にどきどきする一日でした。 

 

 

 

 

 

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雨後の花 

2015-04-11 | 自然や花など

  久しぶりに みどりを透かして青空がみえた
  若葉がしずくを払って さやさやと鳴る
  

 

 花蘇芳もみずみずしく   いつも鮮やかさに気後れして
   快晴よりも花曇り  きょうはじめてこの花に感動した

 

 ハナミズキも 洗いたて

 

   八重は花ざかりにて

 

  あさ緑花もひとつに霞みつゝおぼろに見ゆる春の夜の月…

 春のおぼろ月… 魅かれますね

 

 

 

 一重の山吹  きっぱりしている  

 グミは目立たないけれど 好きな花 
   なつかしさに ほのぼのとしてくる
     
  

 

 

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