別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

木彫りの犬

2006-02-27 | 犬のブロンコ・ダン

 白洲正子「明恵上人」新潮社のなかに運慶作と伝えられる木彫の犬の写真があった。明恵ミョウエが愛した小犬を写したといわれ、上人の生活を偲ばせるものの一つである。
 高山寺といえば鳥獣戯画や奉書に包まれたタツノオトシゴなどうかぶ。上人のまわりは動物が多くクジャクや犬など夢にまで出てくる。芸術と宗教の深い関わりを思った。 

 わが愛するrugbyは、さいきん食欲がでない。 足も力なく踏ん張れない。床の上をスケーターのごとく滑っている。 トリノは金メダルに湧いたが、はやく暖かくなって元気になーれ。
 rugもしっぽの先がまがっている。小さいときは、この木彫のようにふっくら愛らしかった。 
 もちろん 今もたいせつな存在!



 
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春日和

2006-02-25 | 向き合う

 愛さんのおくりもの いぜんのもあるけれど、色褪せを気にしてまた届けられた貝のおひな様。 お嬢さんの着物を解いて雛の衣裳にしている。 小さな柄をいかに上手くはめ込むか、試行錯誤とセンスかな。 なかにはお香を入れてるようで、雅なかおりが漂います。
 母の顔もほころぶ、おだやかな春の一日だった。

 それから弟も、CD10枚持ってやってくる。
 作品全て読んだと言うが、藤沢狂いの彼は周平の10作品を朗読でも楽しんだ。母へのおみやげ。

 読まなくても寝ながらでも鑑賞できる最良の贈りもの。 個性豊かな俳優陣の朗読は、山田洋次監修により作品の魅力も増しているのだろう。 約束、たそがれ清兵衛、夜の道、静かな木、赤い夕日 など

 いつものようにiPodの説明を熱くエンドレステープはつづけた。30GB、25.000枚もの写真を取り込める。音楽は7500曲、落語などいくらでも持ち歩いているらしい。もちろん、このCDだって入っている。   
 いくつになっても変わらない、昔からそうだったね君は。 そこがまた面白いところだが。
おかげでiPodの虜になってしまった。試してみたい
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をさなき春

2006-02-18 | 別所沼だより

   写真では よく見えないが 
      近くの家で 古木の 白梅が
     
咲いている
 
 妹が家ヘに雪かも降ると見るまでに  
 ここだも乱マガふ梅の花かも 
            小野氏国堅    
 

   別所の梅は まだまだだ
  つぼみを堅く閉ざしていた

 
     冷たい風にうつむくのは誰?

   水仙のりゝと真白し身のほとり
                          
橋本多佳子

 
りゝと真白は 日本水仙のほうか
  
小さいコーヒーカップ のような花
  写真はプロフィールに掲げています
  遊歩道の花

   土の色に はるの気配
   日脚の伸びも 心はずませる
   春の土は見るだけでも温かい
  うららかな匂いがする

   この奥が沼です 
 いるいる  マガン キンクロハジロ かもめ ヨシガモのみなさん
    


 小さな花がたったひとつ 咲いている
    何の花かわからなかった

 道々 思いだす
  3,4月ごろ 細くたわむ
枝に 
   雪のように むらがり咲く雪柳 
      小米花 コゴメバナ とか
         小米桜 コゴメザクラ とか
          噴雪花の名もある

 
    霞むような  きょうの別所
     パステルカラーは
春の兆し

    ヒアシンスハウスを覗くと
      お客さんがふたり
   ノートには 福岡市の文字もある
   
 遠いところ
       ようこそいらっしゃいました
      お会いしたかったですね

 

                                               
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春の雨

2006-02-16 | 自然や花など

 やわらかな雨が降っている。 人のこころにも、 若い緑にもやさしく降りかかる春の雨。 

    我が背子が衣はる雨ふるごとに野べの緑ぞいろまさりける    紀貫之

 ひと雨ごとにかわる季節、 うつろいをこまやかな眼でとらえたことば。 春の雨に注目した。 
  以下に、 「雨の名前」 高橋順子より引用する。

 木の芽雨 コノメアメ 春、木の芽どきに降る雨で、その成長を助ける雨。木の芽が柔らかくふくらむことを「木の芽張る」という。

    霞たち木の芽はる雨きのふまでふる野の若菜けさは摘みてん   藤原定家

 育花雨イクカウ。 梅若の涙雨… 謡曲「隅田川」の主人公梅若の忌日とされる陰暦3月15日に降る雨のこと。   春雨ハルサメ。 雪解雨ユキゲアメ。
甘雨カンウ、 膏雨コウウ …「膏」はうるおう意。慈雨 など呼ぶ。草木にやわらかく降りそそぐ、烟ケブるような春の雨。
 杏花雨キョウカウ…杏の花が咲く頃に。 草の雨、山野に萌える草たちにけむるように降りそそぐ。 紅の雨、つつじ、しゃくなげ、桃や杏などに時をかさねて降る雨。 
春雨シュンウ… 冬が明けて心身ともに弾むころ降る雨。 桜の頃には花時雨、 花の雨。 

          ☆

 美しい雨のなまえ、 季節それぞれ風情もちがう。 雨の大きさ、強さ、色、匂い、時間。 情緒たっぷりですてきな呼び名には、 こまやかな眼差しがうかがえた。 このほかにも土地柄でついた名前などたくさんあった。

 少しの雨なら傘などいらない。 熱い心でぬれて歩こう。
 暗くなって街灯のもとで気づく。 セーターのうぶ毛のような一本一本に、 小さな小さな雨粒がひかっていた。 どきどきした。

 春の雨はせつない思い出までつれてくる。
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見えない

2006-02-14 | 向き合う
 説明は 本人に知られないようにひっそりと  まるで遠い世界のできごとか よみさしの物語りをきくように淡々とつづく

 ひとりで聞くには余りある  おおきなものが目の前を塞いだ  実感がわかない 夢を見ているのだと 言い聞かせる
  
 やけにあかるい春のひかり  眩しすぎるし 強すぎる  みんなしずかで かわらない  だのに 内だけ騒がしく 自分も見つからないが  しっかり守ってあげたい

  …講座に行けなかった
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日向が好き

2006-02-10 | 犬のブロンコ・ダン
 
 Hi ! ブロンコ・ダンです。 しばらくでした。  雪が降っても元気だった。 そのあと、すこし足がふらついて。 なのに散歩は、あら不思議、 シャンとしちゃうのです。
 この間ハンフリー・ボガードが出てた。 我があこがれ、師匠!  どことなく鼻や、雰囲気似てるでしょう  うぬぼれだけかな… 
 「君の瞳に乾杯!」 なんて、母さんすっかり バーグマンになりきってた。 こっちは錯覚! 
 とんだ間違い

 土曜に子供たちがきてあそんだ。 いつもお風呂場までついてくる。 足を洗ってもらうのをクスクス笑いながら見ている。 床に腹這いになってまで、どこがおもしろいの?って思ってた。
 でも、こんどは知らんぷりで、急にお姉さんだった。 こっちも犬のお巡りさんは、とっくに卒業、
おとなの魅力に磨きをかけて鼻だってピツカ、ピカよ。 おたがい成長したってわけね。

 みんな帰った後にスケッチが残ってて、よく見ると
巨大な鯨の横にちいさくrugもいるじゃない!! 水までもらって、うれしいので写真はこれにした。       きょうもきょうとて日向ぼこ     by rugby 

           ☆

   喧嘩の処置かんがへてひとり日向ぼこ    彷徨子        
   地獄耳たて老いらくの日向ぼこ         麦南        
   雑音に耳遊ばせて日向ぼこ           しづの女         
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むらさき煙る

2006-02-07 | 別所沼だより

 
 
 うっすら雪化粧した別所沼。 あわ雪が解けないうちにと気は急くが、そうもいかない。 やっと昼ごろ出かけた。

  ハウスの屋根もまだ積もっていた。 黒々とした春の土も、ところどころ白い。  
 ふとメロディーが湧いてくる。

  紫煙る新雪の… 若い日、 ほそい声で母がよく歌ってた。 いつも明るいひとがしんみりと口ずさむ。 もの悲しい気分になった。
 
 母は立原道造とおなじ大正3年(1914)生まれ。 父は大正4年だ。 姉さん女房とたった6年の結婚生活だった。 両親が、少しだけ道造とおなじ時代を生きた、そう思うだけで胸はいっぱいになる。

 むらさきけむる… どこか哀調を帯びたメロディーを、雪を見ると口ずさむ。 子どものころ、あんなにさみしく聞こえたのに。 きょうも歌いながら歩いている。


      「新雪」     映画の主題歌・1942年灰田勝彦が歌った。


1.紫けむる 新雪の/峰ふり仰ぐ この心/麓の丘の 小草を敷けば/草の青さが 身に沁みる
2.汚れを知らぬ 新雪の/素肌へ匂う 朝の陽よ/若い人生に 幸あれかしと/祈るまぶたに 
 湧く涙
3.大地を踏んで がっちりと/未来に続く 尾根伝い/新雪光る あの峰越えて/行こよ元気で 
 若人よ

 

 白は紫を内包している。 絵を描くとき、ホワイトをいっそう輝かせるために、隠し味にほんの少しブルーを混ぜる。 ますます白く感じられる、 むらさきも煙るように

 

 


 

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温室の花

2006-02-06 | 自然や花など


 きょうはとても寒い 最高でも4℃  庭の霜柱も、野鳥のプールも溶けなかった。 公園に向かうと噴水だけが気炎を吐いて。 晩秋、うぬぼれ屋をうつした池も、底に落ち葉を沈め さむざむと凍っていた。
 春は名のみ、せめて心にぬくもりを

  室咲ムロザ きの花のいとしく美しく   久保田万太郎
  カタコトとスチームが来る室の花    富安 風生

 室の花は冬の季語。  春は行きつもどりつ 足踏みしながらやってくる。
 この寒さは 冴返サエカヘる ・ しみ返る ・ 寒もどり
  季語の好きなものだけ並べ、 初春ショシュンを愛でよう。 春を初、中、晩に分けて初めの春。 
 初春ハツハルというと 新年である。   二月  俗に 二 ン月(ニンガツ)とも言う。

   枯枝に初春ショシュンの雨の玉円マドか  高浜 虚子   

 水晶玉のような雨のしずくが美しい   

まどかさんの手紙…もある。

  

   二月の雲象カタチかへざる寂しさよ  橋本多佳子  

 いま多佳子の随筆集を読んでいる。                           

 春きざす ・ 薄氷ウスライ(春さき、うすうすと張る氷)・ 下萌シタモエ ・ クロッカス ・ 松雪草

  二もとの梅に遅速を愛すかな      与謝蕪村
   ぎんねずに朱ヶのさばしるねこやなぎ  飯田蛇笏  

 ここの小さいケは原文のママ。 ヶは蛙がつけたフリガナではない。 ほんのり赤みがさしている様子は分かるが、どう読もう。  
 朱け= あけ(朱・緋)  赤い色。 特に朱・緋ヒ・紅。また、赤く染められたもの。緋袍アケゴロモの略
 あけのさばしる… なんと、うつくしき日本のことのは 感動する。

    わきたつや海の微風の花ミモザ    小池文子
    麦を踏む子のかなしみを父は知らず  加藤楸邨

 ミモザをたっぷり活けて 大きな絵にしよう。 小さな花のつぶやきを  さまざまの黄色で盛り上げたい
   撮影  川口市 グリーンセンター   2003.1.6  

 

 

 

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